再建築不可物件は、同じような立地にある通常の物件と比較すると、坪単価で2~3割程度安いことが多く、価格面でのメリットは非常に大きいといえます。
しかし、築年数が築40~50年と古い物件や奥まった立地にある物件、集合住宅の再建築不可物件は、投資対象としてリスクが高いため避けたほうが無難でしょう。
また、再建築不可物件を制限のあるなかでリフォームをしようとすると、収益を得られるまでに数百万~数千万円の費用がかかってしまうこともあります。
もしも「再建築不可物件を投資用として購入したが活用が難しい」と感じた場合は、再建築不可物件の専門買取業者に買い取ってもらい現金化するとよいでしょう。
専門買取業者なら、例えば提携している解体業者へ格安で工事を依頼し、月極駐車場として運用することも可能です。このように、物件をうまく活用して収益を上げる方法を熟知しているので、売れにくい再建築不可物件も確実に買い取ってもらえます。
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再建築不可物件は投資する価値がある!
再建築不可物件における最大のリスクは、建物を建て直す許可が行政から下りない点です。
購入後の運用の自由度が低く、火災や地震などが起きて建物が失われても、建て直しができず更地しか残りません。
一般的には購入しない人が良いと考える投資家も多いのですが、再建築不可物件は間違いなく投資する価値がある不動産なのです。
価格が安いことが最大のメリット
再建築不可物件の最大のメリットは、価格の安さです。
立地や広さなど、同条件の不動産と比較をすると、2割から3割程度、場合によっては5割ほど安いことがあります。
建築基準法を満たしていない再建築不可物件には、現在の法律を満たしていないものも多く、建物の価値が非常に低いものが多いです。
建物における価値の低さが、価格面にも反映されています。
ただし、再建築ができないデメリットはあるものの、必ずしも悪い立地にあるとは限りません。
例えば、駅から徒歩5分以内の立地がよい再建築不可物件を購入できれば、不動産投資で高い収益性が期待できるかもしれません。
投資に優れている再建築不可物件の見分け方は?
実際に、投資対象に向いている再建築不可物件には、どのようなものがあるのでしょうか。
投資用として向いている再建築不可物件には、以下のような特徴があります。
- 立地条件が良い
- 敷地内にある程度スペースがある
- 建物が古くない
- 周辺の密集度が低い
- セットバックをすれば建築可能になる物件
次の項目から、詳しく見ていきましょう。
立地条件が良い
不動産投資の成否を左右する最も大きなポイントは、やはり立地条件です。
駅から近い場所にある再建築不可物件は、投資用物件としても大変需要が高いです。
賃貸物件として入居者が見るポイントは、立地の良さです。
大きな駅の近くにあり、最寄り駅から近い場所にある再建築不可物件は狙い目といえるでしょう。
敷地内にある程度スペースがある
再建築不可物件は、接道義務を満たしていないため、建て直し・新築することができません。
そして、再建築不可物件は大抵の場合、住宅が密集しているエリアの奥まった場所にあるため、自転車や車での出入りが難しくなっています。
一方で、敷地内に庭などのスペースがある再建築不可物件は、様々な方法で運用ができます。
空いている敷地を駐車場や駐輪場にすれば、賃貸に出した時に入居者の利便性が上がります。
建物の状態が古くない
再建築不可物件と言ってもピンからキリまであります。
再建築不可物件は、基本的に「築年数20年以上」の古い建物が多いです。
しかし、リフォームや修繕を済ませておけば、最低限の費用で居住用として貸し出せます。
また、できれば1981年以降に建てられた「新耐震基準」を満たしている再建築不可物件を購入しましょう。
耐震工事をおこなうとなると、大変大掛かりなリフォームが必要です。100万円以上の施工費がかかってしまいますし、施工する工務店などの車両が、再建築不可物件の敷地まで進入できないこともあります。
周辺の密集度が低い
基本的に賃貸併用住宅は、住宅街の中にあることが多く、住宅が密集しているエリアに建っていることが多いです。
再建築不可物件の周りに高い住宅が並んでいると、建物の影になって日が入ってこなくなり、日中でも部屋の中が暗くなったり、寒くなってしまいます。
入居者にとって住み心地の悪い物件となってしまうでしょう。
きちんと日照が確保されているもの、ある程度日差しが入って冬でも暖かさが感じられるような物件を選ぶようにしましょう。
セットバックをすれば建築可能になる物件
再建築不可物件を「建築可能」とする方法に、セットバックがあります。
建築基準法では幅員4メートル以上の道を道路として定めており、仮に幅員3mの道路にしか面していなかった場合、再建築ができません。
セットバックとは、自身が所有している敷地を後退させることで、前面の道路幅(幅員)を4m以上にする方法です。
セットバックにて建築可能になれば、資産価値が上昇し大きなメリットが生じます。
セットバックについては、以下の記事を参考にしてみてください。
投資用の再建築不可物件を購入するとき避けるべき物件は?
再建築不可物件を投資用として購入するとき、以下のような物件は避けるべきです。
- 建物が古くとても人が住めるような状態ではない
- 奥まった場所にある再建築不可物件
次の項目から、順番に見ていきましょう。
建物が古く人が住めるような状態ではない
再建築不可物件を投資用として購入した後は、基本的に賃貸に出すケースが多いです。
賃貸として収益化するには、住居探しをしている人にとって魅力的な物件でなくてはいけません。
築40年・50年と経過しており、空き家として放置されていた再建築不可物件では、大規模なリフォームをしなければとても住めないことがあります。
先に挙げたように、新耐震基準を満たしていない物件はリスクが大きく、地震が起これば母体に大きなダメージが残ります。一度崩壊してしまうと再建築できず、賃貸収入が得られなくなります。
旧耐震基準しか満たしておらず、壁や床、水回りなどの設備がボロボロな築古物件は買わない方がよいでしょう。活用できずに固定資産税を支払うだけになってしまいます。
奥まった場所にある物件
接道義務が定められた大きな理由は、消防車・救急車などの緊急車両が十分に通れる幅を確保するためです。
つまり、再建築不可物件は火災が起きた時、大きなリスクになります。
消防車が全く入れないような奥まった場所に、再建築不可物件が建っていた場合、大きな被害に発展する可能性があります。
災害リスクが大きい再建築不可物件は購入を避けましょう。
再建築不可物件の有効な活用方法は2つ
実際に再建築不可物件を購入した後は、以下のような運用が考えられます。
- シェアハウスにする
- ファミリー向け住宅にリフォームする
次の項目から、投資用として購入した再建築不可物件の活用方法をお伝えします。
シェアハウスにする
収益性を重視するのであれば、再建築不可物件をシェアハウスにすることを考えましょう。
シェアハウスは利回り20%を狙うことができるなど、一般的なアパートや戸建てよりも利回りが高いです。
住人の入れ替わりが激しいというデメリットがありますが、その分、新規入居者も決まりやすいため、空室率が一気に上昇するリスクもありません。
ファミリー向け住宅にリフォームする
戸建住宅を購入したのであれば、ファミリー向け住宅にリフォームしてみましょう。
古い戸建て住宅は六畳や四畳半などの小さな部屋が多いのですが、間取りを変更して広めのリビングや、DK、ベッドルームなど2~3人用の戸建住宅に改造します。
そうすれば再建築不可物件といえども、窮屈さを感じさせない住宅にできます。
壁紙や床も全て交換し、水回りの設備も最新のものに一新すれば、新築住宅のような見た目や設備にすることも不可能ではありません。
ファミリー向け住宅はすぐに入居者が決まらないデメリットがありますが、一度決まってしまえば10年、15年と長く住んでくれることもあります。安定した収益が見込めるのです。
まとめ
投資用の再建築不可物件に、リスクやデメリットが多いことは事実です。
しかし、不動産投資において最も重要な収益性の面では大きなメリットがあります。
価格が安ければ利回りを上げることができますし、運用次第では表示利回り以上の利益を上げることも不可能ではないのです。
基本的に再建築不可物件は上級者向けの不動産です。不動産投資の初心者が戦略を練らずに運用するのは、決して簡単なことではありません。
それでも様々な物件を見定めた上で需要のありそうな良い物件が見つかれば、大家として投資する価値は十分あるでしょう。
再建築不可物件を専門に取り扱う会社もあるので、興味を持った方は一度話を聞いてみてもよいかもしれません。