投資用物件を購入した業者が悪質業者だった!対処法を解説

悪質業者

不動産投資の人気の裏では、悪質業者による深刻な被害も多発しています。

この記事では、不動産投資における悪質業者とはどのようなものか、不動産投資物件を悪質業者から購入してしまった場合にできる対処法とは何かについて解説していきます。

不動産投資家を狙う悪質業者が存在する

悪質業者
近年の投資ブームによって、今まで投資とは無縁だった人も投資に興味を持つようになっています。いまだに先行き不透明な年金問題に対する不安や、事実上の相続税増税などによって、不動産に投資して財産を作っておこうと考える人も多くなっています。そのような情勢に便乗して、粗悪な不動産を売りつけようとする悪質業者も増えているため、注意しなくてはなりません

不動産投資における悪質業者の特徴のひとつには、良いことばかりを強調しリスクを隠すというものがあります。聞いていて魅力を感じることばかりだと思うなら、気をつけた方が良いでしょう。デメリットや注意点が一切ない物件というのはまずありませんし、投資である以上は必ずリスクが存在します

例えば、空室になれば収入は途絶えてしまいます。それでも、税金や管理費用は定期的に発生します。悪質業者の中には、家賃保証があるので空室リスクは考えなくても良いと主張するものもいます。よく確認しないと、家賃保証があったとしても最初の数年間で終わってしまったり、定期的に保証額を引き下げられる場合もあります。もっと悪い場合は、数年で保証が無くなる場合もあるでしょう。入居者が入っていても、家賃滞納や迷惑行為などで損害を受けることもあります。このようなケースでも問題解決のための費用は実質的に貸主持ちですから、不測の出費となります。順調な不動産経営においても、原状回復費用や修繕積立金、保険料などの費用はかかります。費用に関する見通しが甘いと、簡単に費用が収入を上回ってしまいます。

少しでも関心を示す人には執拗に勧誘し続けたり、何かと手続きを急かすことも悪質業者の特徴です。夜間や早朝など、一般的に考えて迷惑になるような時間に電話をしてきたり、職場にまで頻繁に電話してきたり、一方的に資料を送ってきたりするのであれば、警戒するべきです。悪質業者の狙いは、相手を根負けさせて面談などに持ち込み、強引に契約させることにあります。執拗な勧誘が始まってしまったら、どうとでも受け取れるようなあいまいな返答ではなく、「二度と連絡して来ないでください」などとはっきりとした断りを入れましょう。

手付金の支払いや契約を急かされたら、絶対に応じてはいけません落ち着いて考える時間を与えないことが悪質業者の手口です。本当に購入しても良い物件かどうかは、弁護士による契約書のリーガルチェックなどを経て慎重に決定しなければならないことです。契約事は、一歩前に踏み出してしまうと簡単に後退できなくなります。悪質業者の圧力に負けずに、時間をかけ冷静な判断をしましょう。

特に悪質で卑劣な業者の中には、脅迫行為や暴力、デート商法のようなことをしてまで不動産投資家を取り込もうとするものもあります。これらは犯罪ですから、実際に直面してしまうと恐怖を感じて言いなりになってしまうこともあります。悪質業者のおもな特徴はこのようなものですが、気をつけていても知らず知らずのうちに悪質業者の罠に引き込まれてしまったり、暴力や脅迫によって不本意な契約を結ばされてしまう可能性もあります。

契約後に物件の重大な欠陥に気が付くこともあるでしょう。では、そのような場合に購入契約を撤回するにはどうしたら良いのでしょうか。続く部分から考えていきましょう。

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悪質業者から購入した不動産は、クーリングオフできる場合も

クーリングオフ
クーリングオフとは、消費者が冷静に購入判断をすることが難しい不意打ち的な取引をした場合や、リスクの高い取引について契約した場合に、一定の期限内であれば消費者の側から無条件かつ一方的に解除することができるというものです。ほとんどの場合、クーリングオフについての説明を受けた日から8日以内が期限となります。

クーリングオフができる購入契約の例を挙げると、訪問販売や電話勧誘によるもの、マルチ商法などの連鎖販売取引、教室やエステなどの特定継続的役務提供契約などがあります。投資用不動産の場合は、電話勧誘による契約でしょう。不動産のクーリングオフをするためには、さらに条件が追加されます。「宅建業者自らが売主」であり、なおかつ「契約をしたのが売主の事業所や関連施設でない」こと、さらに「代金の支払いを完了していない」ということです。この3点を満たしているなら、クーリングオフが可能な場合があります。

つまり、宅建業者からしつこい電話勧誘があり、喫茶店等に呼び出されて長時間強引な説得をされたことで契約してしまった場合や、電話勧誘後に宅建業者が自宅や職場に押しかけてきたので仕方なく契約してしまった、などのケースであればクーリングオフが可能です。業者からの勧誘ではなく自分から問い合わせたことがきっかけで契約した場合や、電話勧誘があったとしても自分から自宅や業者の事業所等での契約を希望した場合、宅建業者との直接の売買ではなく仲介が入っている購入契約では、クーリングオフの対象外になってしまうようです。

クーリングオフの通知は、必ず書面で行わなければならないとされています。投資用不動産など非常に高額の商品であれば、クーリングオフは絶対に失敗できません。後々のトラブルを予防するためにも、書面の内容が第三者によって立証され、相手が確かに受け取っていることを確認できる配送方法で送付するべきです。ですから投資用不動産のクーリングオフ通知は、必ず内容証明郵便で送付しましょう。

しかし、投資用不動産物件は業者にとって利益の大きいものですから、なんとかクーリングオフさせないようにあの手この手で妨害してきます。悪質業者であれば直接連絡してきて、クーリングオフを撤回するように脅迫まがいの圧力をかけてくることさえあるでしょう。前述の通り、クーリングオフには期限の定めもあります。余分なやり取りをしている間に期限を過ぎてしまえば、取り返しのつかないことになりかねません。

確実にクーリングオフするためには、クーリングオフ通知の送付は弁護士の助力のもと行うことをお勧めします。悪質業者も、弁護士が関わっていると分かれば態度が軟化するはずです。内容証明郵便を送るだけなら自分でできると考えるかもしれませんが、不動産投資家がクーリングオフを希望するのであれば、何はともあれまずは弁護士に相談しましょう。不動産投資家が投資用不動産のクーリングオフをすることは、非常に難しいためです。

クーリングオフという制度は、消費取引や契約に関する知識や理解において事業者と格差がある「一般消費者」を保護するためのものです。不動産投資家であり、収益について確定申告をする以上はもはや一般消費者ではなく個人事業主なので、消費者契約法上の「事業者」となります。事業者同士、あるいは事業者が個人から購入した消費契約には、クーリングオフが適用されません。

不動産投資家が契約トラブルについて消費生活センターなどに問い合わせても、「あなたは消費者ではないでしょう」と門前払いされてしまうことが多いようです。悪質業者の中には、この点を指摘してクーリングオフを拒否するものもあります。しかし様々な法令を複合的に考慮すれば、契約そのものを白紙に戻すための方法は他にもあるのです。関連する法令を熟知している弁護士が、八方ふさがりだった不動産投資家について、契約解除を認める判決を勝ち取った事例もあります確実にクーリングオフをしたいのであれば、迷うことなく弁護士を頼るべきです。

悪質業者へ「瑕疵担保責任」を追及できるケースもある

瑕疵担保責任
クーリングオフができないとしても「瑕疵担保責任」を問うことで、損害賠償の請求や契約解除を求めることができる場合もあります。瑕疵担保責任とは、取引の対象物に隠れた瑕疵があった場合に、買主が売主に対し責任を問えるというものです。瑕疵担保責任は無過失責任と言われていて、売主は自らの過失の有無に関係なく負うことになります。

瑕疵担保責任においてポイントとなるのは「隠れた瑕疵」がどのようなものであるかということです。次の2つの条件を満たすものを指しています。

1.発見されていなかった瑕疵であり、一般的な見地からは発見できないものである
2.瑕疵について買主は善意無過失であること

1は、契約前には見つかっておらず、普通は気が付けない瑕疵であることを意味します。2は、契約の際に買主が存在を知らない瑕疵であり、かつ買主が善意をもって注意深く観察したとしても知りようがなかったような瑕疵のことです。

先ほど述べた通り、瑕疵担保責任を問うことで可能になるのは、契約解除や損害賠償請求です。契約解除とは、瑕疵によって契約の目的が達成できなくなってしまった場合に認められているものです。損害賠償請求は、隠れた瑕疵があったせいで得られなくなってしまった利益などについて求めることができます。

民法上、瑕疵担保責任を追及できる期間は「買主が瑕疵の事実を知った時から1年以内」とされています。しかしこれだけでは、売主は売却後いつまででも責任を追及されてしまう可能性が出てきます。そこで、ほとんどの場合は瑕疵担保責任の期限を定めた契約が交わされることになります。新築物件については、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいて10年間の瑕疵担保責任が付きます。しかし、不動産投資家が投資用不動産として狙うのは多くが中古物件のため、瑕疵担保責任が付いているとしても数カ月程度の短期間でしょう。

投資した不動産の家賃収入から収益を得る目的で購入する物件は、収益物件と呼ばれます。残念ながら、基本的に収益物件には瑕疵担保責任がつきません。瑕疵担保責任はクーリングオフと同様、消費者保護をおもな目的とした規定のため、事業者である不動産投資家に対しては適用させないことが多くなるためです。ただし、収益物件であっても宅建業者自らが売主の場合は、引渡し後最低2年間は例外なく瑕疵担保責任を負います。しかし「宅建業者自ら」という部分が大事なので、クーリングオフのところで述べたように仲介物件ではないことが前提となります。

悪質業者から購入した投資用不動産に瑕疵があり、なおかつ瑕疵担保責任が免責とされていないのなら、瑕疵担保責任を問うことで損害賠償請求や契約解除ができる可能性があります。ところで、瑕疵担保責任という規定はあと数年で廃止されることになっています。不動産投資をしているのであれば、瑕疵担保責任に取って代わることとなる「契約不適合責任」についてもよく理解しておく必要があるでしょう。

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改正民法の「契約不適合責任」について不動産投資家が知るべきこと

2017年に行われた民法改正により、改正民法においては瑕疵担保責任という規定が廃止されることになりました。それに代わるものとして2020年4月1日から施行されるのは「契約不適合責任」という規定です。契約不適合責任とは、取引される対象物の状態が契約の目的と適合していない場合に、売主の責任を問えるというものです。

投資用不動産を購入したのに、何らかの理由によって入居者を募ることができない物件であれば、契約の目的が達成できないことになるため契約不適合責任を問える可能性があります。契約不適合責任に関係して、売主は買主から以下のような申し出を受けなくてはならなくなります

1.契約の解除

現行民法の瑕疵担保責任においては、隠れた瑕疵があり、買主が善意無過失であった場合にのみ契約解除が認められていました。改正民法では、瑕疵の有無等の条件の指定がありません。売主の帰責事由がないとしても、契約内容に適合しないものが引き渡された場合は契約の解除が可能になります。ただし買主に落ち度がある場合や、契約および取引上の社会通念に照らして軽微な債務不履行(義務を果たさない状態)を理由とする契約の解除は、不可能と考えるべきでしょう。

2.債務不履行による損害賠償

現行民法では、契約の目的を達成できないような瑕疵がある場合か、契約の目的は達成できるものの瑕疵がある場合の2パターンでしか、損害賠償請求ができませんでした。改正民法では損害賠償の範囲が拡大され、契約内容通りの完全な債務履行がなされたなら得られたであろう利益に対しても、損害賠償請求を行えることとなります。

投資用不動産を取引する場合の「得られたであろう利益」には、物件を貸し出すことで得られたはずの家賃収入や、地価の値上がり後に物件を売却することで得られたはずの売却益などが含まれることでしょう。ただし改正民法における損害賠償請求は、債務不履行の一般規定に従って適用されるため、契約および取引上の社会通念に照らして売主に帰責事由がない契約不適合の場合は、損害賠償請求が認められない場合があります。

3.追完請求権

追完請求権とは、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量において契約の内容に適合しない場合、買主が売主に対し目的物の補修や代替物の引渡しなどを請求できるという権利のことです。ただし、買主に過失がある場合を除きます。

4.代金減額請求権

現行民法では、取引の対象物が契約内容に適合しない場合に、支払うべき代金について減額請求をすることは認めていません。改正民法では、契約内容に適合しないものを売主が引き渡した場合、代金の減額請求を認めています。ただし、買主に過失がある場合を除きます。どれほどの減額が認められるかは、不適合の度合いに応じて変わると考えられます。

契約不適合責任の適用については、原則任意となっています。民法改正後、契約書に特記事項がない限りは民法の規定通り契約不適合責任が適用されることになりますが、別の規定を適用する場合は契約書に記載すれば良いことになります。民法改正後に投資用不動産を購入する場合は、契約不適合責任が適用になっているかどうかを注意深く確認する必要があるでしょう。

例外として、宅建業者が売主となる不動産については契約不適合責任が強制的に適用されます。契約不適合責任は現行の瑕疵担保責任に比べ、消費取引においてより広範囲に消費者を保護するよう改正された規定とも言えます。もし不動産投資家が、改正民法における契約不適合責任を売主に問うとすれば、「契約の内容に適合しているか、いないのか」「契約の内容とは何のことを表しているのか」が重要な争点となることでしょう。

不動産投資家にとって有利に契約を進めるためには、契約の理由や取引の対象物の使用目的に関し、契約書にできる限り詳細に記載することが必要になります。民法改正後の投資用不動産の購入は、この点に特に注意したいものです。

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まとめ

投資用不動産の売主が悪質業者なら、トラブルが起きることはあらかじめ想定しているはずです。ですから法的責任を負わないよう、すでにありとあらゆる対策を講じていることでしょう。トラブルが起きてから不動産投資家が自分ひとりで悪質業者と対峙しても、まったく相手にされないかひどい場合はさらなる被害に遭わされるかもしれません。

投資用不動産の購入に関しては、実際にトラブルが発生してからではなく、「どうもおかしい」と感じた段階で早めに弁護士へ相談する方が賢明です。心配が杞憂であれば良いですが、本当に悪質業者だった場合は何をされるかわかりません。早めに弁護士が間に入っておけば、トラブルを未然に防ぐことも十分可能なのです。契約してお金を払ってしまってからでは、有能な弁護士をつけても契約解除できず、お金も取り戻せない場合があります。少しでも悪質業者の疑いがあるなら、弁護士に相談しながら慎重に取引を進めましょう

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