送電線・高圧線下の不動産価格に影響するポイントと早く売るための4つのコツ

送電線 高圧線 不動産売却

送電線とは、発電所や変電所をつなぐ電線です。各家庭へ電気を送る配電線より電力が高圧なので、高圧線とも呼ばれます。

近くに送電線・高圧線があったり、それらをつなぐ鉄塔があると、不動産の需要は下がってしまいます。

しかし、売却のコツをしっかりと押さえれば、送電線・高圧線があっても早期に売却できます。

とくに、手間なく高額で不動産を売却したい場合は、訳あり物件専門の買取業者に相談するのがおすすめです。

訳あり物件専門の買取業者なら、送電線・高圧線の真下にある不動産でも、最短数日での高額買取が可能です。

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送電線・高圧線下の不動産価格は下がる?価格に影響する4つのポイント

高圧線
上空に高圧線や送電線がある物件でも、売却自体は可能です。

しかし、一般的な物件と比べて需要が低く、売却価格も下がってしまう傾向にあります。

送電線・高圧線が不動産の上空にあると、以下の要素が価格に影響します。

  • 1.送電線・高圧線下では住宅などを自由に建てられない
  • 2.電力会社からの補償金が売却額に影響する
  • 3.送電線・高圧線や鉄塔の発する騒音が原因で売却価格が下がる
  • 4.送電線・高圧線に忌避感がある

1.送電線・高圧線下では住宅などを自由に建てられない

上空に送電線・高圧線があると、建物の建築が制限されます。

電流・電磁波による健康被害や、周辺建造物の火災による影響を防止するために、送電線・高圧線は建物などから一定距離をおかなければならないと定められているためです。

高圧線下の土地での建築制限は、高圧線を流れる電圧の大きさによって制限の程度が異なります。

高圧線の電圧の大きさは、つながれている鉄塔に設置されている碍子(がいし)とよばれる絶縁体(丸上の物体)の数が多いほど大きいです。

参照:公益財団法人不動産流通推進センター「高圧線による土地利用制限リスク」

【制限1】電圧17万V以上の場合

高圧線の電圧が17万ボルト以上の場合、電線の真下と水平距離3mまでの範囲(垂線下水平距離)と、電線において、建築が禁止されています。

17万V以上

例えば、高圧線が自分の敷地上になくても、目の前の道路にかかっていれば、建築規制を受ける恐れがあるのです。

建物を建てられない部分は利用方法が制限されるため、その分だけ土地の利用価値(評価額)が下がってしまいます。

参照:e-Govポータル「電気設備に関する技術基準を定める省令第48条」

【制限2】電圧17万V未満の場合

電圧17万V未満の高圧線がある場合、高圧線の1番低い位置から半径3mの範囲には、建物を建築できません。

電圧17万V未満

つまり、高圧線よりも3m低い建物しか建築が認められなくなります。なお、高圧線は温度によって伸縮ので、もっとも位置が低くなる夏の高さが基準です。

17万ボルト以上のときより制限は緩いですが、1階層減るだけでも建物の容積は大幅に減ってしまいます。また、土地も小さい建物しか建てられないので、価格相場が下がります。

2.電力会社からの補償金が売却額に影響する

送電線・高圧線を設置した土地の所有者には、土地の利用が制約されることへの対価として、電気事業者から補償金が支払われます。

この補償金をどのように受け取っているのかも、売却金額に影響を与える場合があります。

なぜなら、補償金の支払い方法が「契約締結時に一括払い」であれば、買主は補償金を受け取れないからです。補償金の分だけ、売却価格を下げなければならないでしょう。

補償金に関しては契約書や登記簿から確認

補償金をどのように受け取ったかわからない、もしくは忘れてしまった場合、電力会社との契約書を確認しまよう。

契約書を失くした場合は、不動産登記簿(全部事項証明書)に地役権が設定されているかどうかを確認するという方法もあります。

地役権が設定されている場合、補償金は一括払いとなっていることが一般的です。地役権とは、簡単にいえば、自分の土地のために他人の土地を利用できる権利をいいます。

ただし、電力会社となんらかの契約を結んでいても、必ず地役権を登記しているとは限らないので注意しましょう。

送電線・高圧線について詳細がわからない場合、電力会社に問合せして、事実関係を確認するのが確実です。

3.送電線・高圧線や鉄塔の発する騒音が原因で売却価格が下がる

鉄塔や電線は風にあたると風斬り音を発生させるため、この騒音が原因で売却価格が下がるケースもあります。

新しい鉄塔や電線であれば騒音の少ないタイプもありますが、神経質な人だと「音が気になって寝られない」ということもあるようです。

風の強い地域や、音に敏感な買主の場合には、騒音が気になって「値段を下げて欲しい」と求めてくる場合があります。

4.送電線・高圧線に忌避感がある

土地利用が制限されていない場合でも、送電線・高圧線・鉄塔があること自体に抵抗を感じて、購入を避けられる恐れがあります。

具体的には、以下の例があげられます。

  • 鉄塔・電線があることで家からの眺めが悪化
  • 高い鉄塔が建物の側にあることへの威圧感・恐怖感
  • 電線からの電磁波を原因とする健康被害
  • 高圧線による携帯電話やスマホ・テレビへの電波障害

上記のような、不動産の購入を躊躇する理由となる施設を「嫌悪施設」と呼びますが、その判断基準は買主の感じ方次第です。

送電線・高圧線下の不動産評価を調べる方法

路線価図
送電線・高圧線下の不動産の評価額は、通常の評価額から「送電線・高圧線があることによって受ける不利益の評価分(阻害率)」を差引いた金額となります。

ただし、不動産売買はあくまで市場の相場が重要であり、絶対的な基準はありません。

それでも、国有地の評価基準や、相続税の減価方法を参考に、ある程度の予測は立てられます。

方法1.高圧線下の国有地の評価基準

国が国有地を線下の敷地として電気事業者に使用させる場合、更地価格の30%を評価額とすることが財務省の評価基準で定められています。

更地価格とは、土地上に建物などが何もない状態の価格です。更地価格は「路線価×その物件の面積」で算出するのが一般的です。

路線価については、国税庁のWebサイトで各地域の価額を調べられます。

参照:財務省「国有財産評価基準について 第3章第3 単独利用困難な土地の評定価格の求め方」

参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

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方法2.高圧線下の土地の相続税の減価方法

上空に高圧線があるせいで自由に使えない土地を相続した場合、相続税の減価の対象となるので、それを参考に阻害率を算出できます。

線下敷地を相続した場合の減価率は、以下のように定められています。

・家屋の構造用途等に制限を受ける場合=30%
・家屋の建築が不可能な場合=50%

参照:国税庁「区分地上権に準ずる地役権の評価」

方法3.不動産業者に鑑定評価を依頼する

国有地の評価基準や相続税の減価方法を紹介しましたが、売買価格を調べる方法としてはあくまでも目安に過ぎません。

送電線・高圧線下の不動産の評価を調査したい場合、不動産売買のプロである不動産業者に依頼するのがベストな方法です。

送電線・高圧線による影響の大きさは、それぞれのケースで異なるため、一律の数値で計算しても正しく評価できないのです。

また、土地の形状や立地、権利関係の状況など、不動産の売買価格はいくつもの要素で変わります。

地域の需要などから「この価格なら売却できる」と見極めるには、不動産業者がもつ知識や経験が何より重要となります。

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送電線・高圧線下の不動産を早く売る4つのコツ

不動産業者
不動産を売却する場合には「子供の進学までに引越したい」や「まとまったお金をできるだけ早く工面したい」などの事情を抱えているケースが少なくありません。

しかし、送電線・高圧線下の不動産はいわゆる「訳あり物件」なので、購入希望者が現れても売買契約まで至らないことが珍しくありません。

そこで、送電線・高圧線下の不動産を早く売却する4つのコツについて紹介していきます。

1.建物を解体して更地にする

送電線・高圧線下が早く売れない原因は、制限により土地利用の自由度が狭いことにあります。土地の自由度さえ広がれば、売却価格が上がるだけでなく、買主が早く見つかる可能性も高いでしょう。

例えば、現在使っていない建物であれば、建物を解体して更地にすることで、土地の利用度が拡がる場合もあります。

なぜなら、線下敷地の用途を建物から駐車場や庭に変更すれば、離隔距離も確保できて十分な高さの建物を建てられるようになるからです。

老朽化して傷んだ建物が残っていると、売却価格を下げる原因にもなるので、価値のない建物を解体することは、早期売却だけでなく売却価格を高めるためにも有効です。

2.隣地の土地所有者や共有者・借主に物件を買ってもらう

線下の不動産を早く売却するには、送電線・高圧線の悪影響を気にしない買主を見つけることも有効な方法です。

例えば、現在その不動産を貸している相手や共有者がいる場合、その借主・共有者に不動産を買い取ってもらうとよいでしょう。

現時点で土地を使用している人、もしくは所有している人であれば、送電線・高圧線の影響を気にすることは少ないからです。

また、線下土地の隣地所有者に購入をもちかけるのも有効でしょう。土地は面積が広くなるほど価値が高くなるため、隣地と一体で土地を利用できれば、送電線・高圧線の影響も最小限に抑えられます。

3.売り出し価格を抑える

物件を早く売却したいという場合、価格にこだわらないことも大切です。周辺の物件相場よりも安い価格で売り出せば、その分だけ早く購入希望者が現れる可能性も高いでしょう。

また、購入希望者の値下げ交渉に逆らわずに、すぐに決断することも有効です。

物件を安く売ることに抵抗を感じる方も多いですが、不動産の取得費用より安い金額で売却すれば、税金控除の対象となるので売却損を補える可能性もあります。

また、価格を安くすれば、契約の免責事項(契約不適合責任の免責)などで有利な条件を設定できる場合もあります。安く売ることは、必ずしもデメリットばかりではないのです。

参照:国税庁「不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合」

4.訳あり物件の専門業者に買取してもらう

送電線・高圧線下の不動産は、不動産会社に直接買い取ってもらうこともできます。

直接買取をしてもらう場合、訳あり物件を取扱う専門業者に依頼しましょう。

訳あり物件の取扱いに慣れていない不動産業者では、買取を拒否されたり、相場以下の安い価格で買い叩かれてしまう恐れがあるからです。

買取は、通常の仲介売却よりも価格が安くなりがちというデメリットはありますが、下記のようにメリットも多数あります。

  • 物件を早く、確実に売却できる
  • 内覧の対応が不要
  • 仲介手数料が発生しない
  • 瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負わずに済む
  • 現状のまま引渡しできる

早く売りたい人にとって、物件売却にかかる様々な手間を省けるのは大きなメリットです。

また、管理が行き届かず劣化の激しい物件であれば、売却してから物件に瑕疵が見つかるリスクも高くなります。買取であれば、これらのリスクに関する売主の負担も小さくできます。

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まとめ

送電線・高圧線の下にある不動産は、通常より売却価格が下がってしまう場合もあります。

とはいえ、送電線・高圧線があるだけで売却価格が決まるわけではありません。

送電線・高圧線があっても、土地の形状や面積、建物の現況といった要素の方が価格決定に与える影響が大きいといえます。

高圧線・送電線の下にある不動産を手間なく売却したいのであれば、訳あり物件を買取してくれる専門業者に売却する方法をおすすめします。

送電線・高圧線と不動産売却についてよくある質問

送電線(高圧線)とはなんですか?

送電線とは、発電所と送電所、もしくは送電所と別の送電所の間で電力を送るための電線です。一般家庭に電力を供給する配電線より高圧な電力を送るため、高圧線とも呼ばれます。

送電線・高圧線の近くだと、不動産の価格が下がるのは本当ですか?

一般的には価格が下がるといわれます。原因として、送電線・高圧線の近くは建築制限があることや、心理的な忌避感から需要が下がってしまうことがあげられます。

送電線・高圧線の近くにはどのような建築制限がありますか?

17万ボルト以上の電圧が流れている場合、電線の真下と両側面3mの範囲で建築が禁止されます。それとは別に、高圧線と建築物の間で一定以上離さなければいけない直線距離(隔離距離)が定められています。

送電線・高圧線下の不動産評価はどうやって調べますか?

国有地を電気事業者に使用させる場合の評価基準(更地価格の30%)や、相続税の減価方法を流用して調べられます。ただし、売却価格をより正確に調べたい場合は、不動産業者の査定を依頼するのがもっとも確実です。

送電線・高圧線下の不動産を高く買い取ってくれる業者はありますか?

不動産買取業者のなかでも、訳あり物件専門の買取業者に相談しましょう。一般的には売れにくい不動産でも高額査定が可能であり、早ければ数日で不動産を現金化できます→【最短12時間で査定可能!】訳あり物件専門の買取業者はこちら

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