【共有名義の底地の売却方法】早く高く売る3つのコツや遠方の底地売却法も解説

共有持分 底地

以前は先祖代々受け継いできた土地を他人に売却するのは良いことではないという意識が強かったため、所有している土地を他人に利用させる場合には借地権を設定することが多く見られました。

しかし、最近では不要になった土地を他人に売却してもかまわないというように意識が変化してきています。

また、他人に借地権を設定した土地、つまり底地はもはや所有者が利用できない土地ですから、手放したいというニーズも増えてきています。

しかし、底地は需要が少なく、売却が困難です。まして、底地を共有している場合には共有名義人同士で売却の方針を固めなければいけませんから、一般的な不動産の売却と比較して独自のノウハウが必要になってきます。

この記事では、底地の特徴や売却の方法、共有名義人に認知症の方や行方不明者がいる場合の対応方法などを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

共有名義の底地を売却する4つの方法

底地
共有名義の底地を売却しようとしても、街中に看板を掲げている中小規模の不動産屋では対応が困難です。大手の不動産業者に依頼するか、特殊な不動産を専門に取り扱っている不動産仲介業者に依頼したほうがよいでしょう。

底地を正しく認識しよう

底地とは、建物を建てるために他人に貸し付けている土地のことです。土地を所有している場合、その土地を「使用」、「収益」、「処分」する権利がありますが、そのうち「使用」、「収益」する権利を他人に賃貸している土地のことです。

大きなマンションや商業施設に土地を賃貸しているのであれば投資対象としても魅力的ですし、地代の入金を心配する必要はあまりありませんから、あまり処分に困ることは多くないでしょう。

この記事では、その土地に個人が一軒家を建設し、住宅として利用している小規模な底地を取り扱います。

そのような小規模な底地であっても毎月地代が入金されるため優良な資産かと思いきや、必ずしもそうとは言えません。万一、地代が入金されなければ入金されるまで督促しなければいけませんし、固定資産税や都市計画税は自己負担、最後には相続税の課税対象になってしまうにもかかわらず、現在の借地借家法では借地人に立ち退いてもらうことも現実的ではありません。

まして、底地が共有名義となっている場合には、地代が入金されたら持ち分割合にしたがって按分・精算、固定資産税・都市計画税を支払ったら持ち分割合にしたがって按分・精算、毎年2月には確定申告をして、はたまた共有名義人が亡くなったら相続登記の際に印鑑をつかなければなりません。

借地人に立ち退いてもらおうにも他の方に賃貸しようにも、共有名義人の過半数の同意が必要です。

共有名義人が同居していたり、近所に住んでいたりすればよいのですが、数人の共有名義人が遠隔地に住んでおり、それぞれ仕事をしている場合には話し合いをするにも一苦労です。

したがって、その土地の所有権を持っていることに強い思い入れがある場合を除き、権利関係を整理したほうが良いでしょう。

ただし、底地を単独で売却する場合には、一般的に完全な土地所有権の30%ほどの価格でしか売却できないと言われています。

あまりの低価格に驚かれたかもしれませんが、これは相続税を計算する際の評価方法を参考にした簡易的な方法にすぎません。実際に売却する場合には、その土地ごとの事情にもよりますが15%にも満たないと考えたほうが良いでしょう。

底地を共有している場合、このような底地の特徴や情報をまずは共有名義人の間で確認して、権利関係の整理や売却に向けて意思統一をする必要があります。

共有名義人の間で意思統一ができないまま他の方に売却交渉をしたとしても
「自分は納得していない」
「なぜこんなに売値が安いんだ」
「そもそも今売却する必要はないだろう。金に困っているのか?」
などと共有名義人の間で連携が取れなくなり、せっかく見つけた売却先とトラブルになってしまうことも考えられます。

特に、現在の借地権者とトラブルになり、不信感を持たれてしまっては取り返しが付きません。

ここでは、共有名義人の意思統一ができたという前提で、できる限り高値で売却する方法をご紹介します。

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底地の売却方法1 借地権者に売却する

借地権者に売却することができれば、それが関係者全員にとって最も良い売却先となることが多いです。

借地権者にとっては、底地を買い取ることでその後地代を支払う必要がなくなります

建物の場合には老朽化しますから、自分で所有するより賃料を支払って借りたほうが良いと考える方も多いのですが、土地の場合には老朽化するわけではありません。

長くその建物に居住するつもりの方の中には、機会があったら底地を買い取りたいと考えている方も多いです。

また、借地の場合には、建物を増改築したり売却したりする場合に底地権者と相談しなければいけませんが、底地を購入すればそのような手間を省くことができます。特に借地権者・底地権者が高齢化し、相続を考える時期になると、底地を購入して権利関係を整理し、土地と建物がセットになった完全な所有権としてから子に相続させてあげたいと考える方も少なくありません。

借地権付きの不動産が相続財産に含まれている場合には、相続人が遺産分割協議の際にその不動産の相続を嫌がることが多いです。なぜなら、ただでさえ老朽化しており修繕費がかかることが予想される物件であるにもかかわらず、毎年の固定資産税・都市計画税に加えて地代まで支払わなければならないとなると、不動産を所有している意義を享受できないからです。

同様の理由で、離婚をする際の財産分与・慰謝料支払いの際に配偶者、一般的には妻が借地権付きの不動産を受け取ることを拒むことが多いです。

したがって、底地を買い取りたいと考えている借地権者は底地権者が考えている以上に多いものです。

さらに、借地権者は所有している建物を持って他の土地に転居するわけには行きませんし、交渉が決裂したとしても底地権者との関係は続きますから、なるべく底地権者とはトラブルは起こしたくないと考えています。

それまでの関係にもよりますが、全く無関係の方と売却の交渉をするときよりも、真摯に対応してくれることが多く、交渉がまとまりやすいことが予想されます。

底地の共有名義人にとっても、全く無関係の方に売却する場合には完全な土地所有権の15%ほどの価格でしか売却できない底地を、近隣相場に近い金額で売却できることが予想されますから、共有名義人が反対するリスクを軽減することができますから、共有名義人間の意見を統一しやすいでしょう。

底地の売却方法2 底地と借地を交換する

底地が広い場合で、かつ土地を分割できる場合には底地と借地を交換する方法も考えられます。

一つの土地に建物と広い庭があるような場合に、庭を分筆して底地権者の土地とし、建物が建っている部分の土地は借地権者の土地とするなどの方法です。

この方法は、このように土地を綺麗に区分できる場合には借地権者が金銭を支出することなく権利を取得できるというメリットがありますが、現実にはなかなかうまくはいかないものです。

実際には、分筆をしても土地の価値を下げることがないような位置で分筆し、価値の差分は金銭にて賠償する方法を取ることになるでしょう。

底地の売却方法3 借地権者と共同で第三者に売却する

底地を売却するのが困難なのと同様、借地の上に建っている建物を売却するのも難しいケースが多いです。なぜなら、借地権付きの建物を売却する場合には、底地権者の承諾が必要だからです。

底地権者が承諾を拒否した場合には裁判所に借地非訟事件として申し立てをして、底地権者に代わる裁判所の許可をもらうこともできます

しかし、借地権が間違いなく存在することが証明でき、かつ借地の条件や面積、範囲等が明白である必要がありますし、手続きにも1年程かかります。

ですから、借地権付きの建物を購入する方は、底地権者の許可が取れない可能性という大きなリスクを抱えてしまうことになります。

したがって、もし借地権者も建物の売却を希望している場合には、両者が協力して土地と建物をセットにして売却する方法を取ると良いでしょう。

そんなに都合よく底地権者と借地権者が同時に売却を希望することがあるのかと疑問に思う方がいるかもしれませんが、不動産を生業にしているのでない限り、売却しようと思いついてから数年間にわたり実際の行動に移さない方は多いものです。

まして、借地権を設定してから相当の年数が経過し、底地権者も借地権者も高齢になっている場合、そろそろ権利関係を整理したいとお互いに考えていても不思議はありません。

購入する方にとっては、土地と建物を同時に購入できるのであれば、土地・建物の所有者が異なっていてもデメリットはありません。

したがって、借地上に建っている建物、底地権しかない土地であっても通常の不動産と同じくらいの価格で買い取る方が現れることを期待できるでしょう。

底地の売却方法4 土地上の建物を買い取ってしまう

もし、借地権者がどうしても底地を購入する資力がなく、かつ底地権と借地権を交換したり、共同で売却するなどの面倒を避けたいと考えている場合には、むしろ底地権者が土地上の建物を買い取ってしまう方法も考えられます。

自分が住んでいる建物を売却してくれるものなのかと疑問に思う方もいるでしょうが、借地権者が高齢になっている場合には、建物を売却したお金で老人向けの施設に入居したいという方も意外に多いですから、話を持ちかけるとすんなりまとまるかもしれません。

建物を買い取ると土地も底地権ではなく完全な所有権になりますので、土地も建物も資産価値が急上昇します。

したがって、建物を購入する資金がなく、金融機関から借り入れをする場合にも十分な担保価値をもつ場合が多いです。

底地のまま売却の相手方を探すよりも、建物を一度購入して土地付きの建物として売却したほうが、結果的に早く、高値で売却できることも多いでしょう。

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売れにくい共有名義の底地を早く高く売る3つのコツ

連帯保証人
ただでさえ売却が難しい共有名義の底地ですから早く売るため、高く売るための努力は欠かさないようにしましょう。

これらの方法を取るためにも、共有名義人の間で連携を取りながら売却への準備を進める必要があることは言うまでもありません。

底地権の内容をきちんと明文化し、連帯保証人をつける

大昔に借地権を設定した場合には、契約書の当事者や保証人が既に亡くなった方のままになっていたり、そもそも契約書が存在しないことがあります。

長い付き合いのある借地権者と底地権者の間ではそれでもトラブルがなかったのかもしれませんが、それでは底地の購入を検討している方は安心して購入できません。

また、底地の売買を不動産仲介業者に依頼した場合、対象となる土地の境界を確定するとともに、設定されている借地権の内容を売買契約書に明示することが実務上必須となっています。

したがって、契約書がない場合には、まず底地権の内容をきちんと契約書として明文化しましょう。また、契約書があったとしても時代にそぐわなくなっている契約内容を見直したり契約当事者欄、保証人欄を現在の当事者にして契約を締結し直しましょう。

ただし、当時と現在では借地借家法が異なる場合があります。

借地借家法の改正により現在では違法な契約内容となっていたとしても、契約締結当時に合法であれば、その契約は原則として現在でも通用します。しかし、同一条件で新たに契約を締結し直すことはできません。契約内容によっては、あえて契約の更新を控えている場合もあります。

また、保証人となっている方が、現在では契約当事者と不仲・疎遠になってしまっていることがあります。

契約の更新をする際に契約書への記名押印をお願いすることができず、保証人欄が空欄となってしまうことを避けるためにあえて契約の更新を控えている場合もあります。

実は、契約更新の際に保証人が記名押印をしなかったとしても、原則として契約更新後も保証人は責任を負わなければならないという最高裁判例があります。したがって、契約更新の際に記名押印をお願いできなかったとしても法律上の問題はありません。

ただし、契約内容に大きな変更がある場合には保証契約は無効となってしまいます。そうでなくとも、連帯保証人の方に「記名押印をしていないのだから、更新後の保証契約は無効だ!」と強硬に主張されてしまうと、裁判で責任を追及しなければならなくなってしまい、手間と費用がかかってしまうため、実務上は契約書への記名押印を重視するのです。

このように、何らかの意図があって契約更新をしていない場合もありますから、最新の状況に合わせて契約を更新すれば安心だろうという理由だけで契約を更新することは必ずしもお勧めできないことに注意しましょう。

ところで、ご存じない方が多いのですが、保証人・連帯保証人の地位は相続の対象となります。借地権者の連帯保証人が既に亡くなっていたとしても、法律上はその相続人が保証人の地位を相続します。

したがって、もし何らかのトラブルがあり連帯保証人に連絡をとった際、既に連帯保証人が亡くなっていたことが判明した場合、底地権者は連帯保証人の相続人に対し、その相続分に応じて責任を追及することが可能です。

もし、契約を更新する際に連帯保証人が亡くなっていることが判明した場合には、可能であればその相続人に連帯保証人欄に記名押印をお願いしたほうが良いでしょう。また、それが難しい場合であっても最低限相続人の連絡先を確認しておくか、新たな保証人を立てるよう借地権者に請求しましょう。

借地権者が底地の購入を検討するタイミングに売却をもちかける

借地権者が底地の購入を検討するタイミングは、意外に決まっているものです。

例えば建物の大規模修繕を行う時期や定年で退職し、まとまった額の退職金を受け取ると同時に収入が途絶え、地代の支払いが心配になる時期、相続に備えて権利関係を整理しようとする時期などです。

そのような時期に底地の購入を持ちかけることができるよう、借地権者とは親しく付き合うことが肝心です。

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契約変更により地代を値上げする

底地を購入したとしてもその土地を自分で利用できるわけではありませんから、一般的には地代を目的として投資目的で底地を購入する方がほとんどです。したがって、契約を変更して地代を値上げすることができれば、それだけ底地を高値で売却することが可能です。

ただし、むやみに地代を値上げしようとしたところで借地権者からの同意を得られるとは思えませんから、あくまで近隣の家賃の変動や駐車料から計算した合理的な金額を提示すべきでしょう。

また、いくら合理的な金額だったとしても、借地権者の経済状態によっては支払いが困難になることも考えられます。地代の滞納がある状態だと、底地を高値で売却するどころか忌避されることにもなりかねませんから、くれぐれも借地権者と話し合い、無理のない範囲での値上げにとどめましょう。

相続した遠方の底地を売却するときの流れ

進学や就職などで都会に暮らしている方が地元の底地を相続することが最近増えています。

地元に残っている兄弟がいれば売却に関する実務的な手続きをその方にお任せすることができますが、兄弟皆が遠隔地に居住している場合には困ってしまいます。

そのような場合には、相続した方々の中で代表者を決めるところから始めましょう

その方が信頼できる不動産仲介業者を探し、相続した方々がその不動産仲介業者に売却の一切をお願いすれば、遠隔地から相続人全員が集合する回数を最小限にすることができます。

その場合には、売却を急ぐのか、そうではないのか、またその金額以下では手放さないという最低ラインを不動産仲介業者に伝えるべきです。

この方法を利用すれば、不動産仲介業者が契約の締結から決済の準備まで、すべてを代理してくれますから、司法書士による売却意思の確認のときに顔を合わせる程度で済んでしまいます。

また、どうしても時間がなければ、旅費や日当がかかってしまいますが司法書士に現住所まで来てもらう方法もありますから、上手に日程を調整すれば底地の近くまで足を運ぶのは1,2回で良いでしょう。

さらに急いだり、あまり手間を掛けたくない場合には、いっそ底地を専門に取り扱っている不動産買取業者に買い取りを依頼する方法もあります。

プロの業者であればすぐに底地の査定をしてくれますし、面倒なやりとりを最小限に抑えるコツやノウハウもあります

さらに、借地権者と後々トラブルにならないように処理する方法も心得ています。

ただでさえ遠方の不動産を売却するのは面倒なことが多いですし、更に共有名義の底地という売却が難しい条件が重なっている場合には、プロの買取業者に任せてしまうのも一案でしょう。

弊社、クランピーリアルエステートでも、全国の底地の買い取りを積極的に行っています。査定だけでも喜んでご対応しますので、ぜひ一度お問い合わせください。

共有者に認知症や行方不明者がいた場合の対応法

認知症
共有名義人に認知症の方や行方不明者がいる場合には、一般論として底地を売却するのは困難です。専門家の中には売却は現実的ではないため、現状を維持すべきだと助言する方もいますが、必ずしも正しい助言だとは言えません。

なぜなら、共有名義人が底地持分の過半数を有している場合には、その後の借地権者との契約変更などが行えなくなってしまいますし、受け取った地代や固定資産税の按分をする際にも困ってしまうからです。

共有者に認知症の方がいる場合

共有者に認知症の方がいるからといって、絶対にその方が不動産を売却できないというわけではありません。認知症といっても程度がありますから、加齢により少々判断力が低下したというくらいであれば問題なく売却が可能です。

以前は売却をしたあとで判断力の有無について問題になる事例が散見されましたが、現在は売買の決済前に司法書士が売手に面会をするのが実務上必須となっています。その面会の際の様子で意思能力があるかどうか司法書士が判断します。

もちろん、司法書士は医師ではありませんから100%正確な判断ができるというわけではありませんが、客観的な第三者の立場で判断力の有無を確認していることは裁判でも重視されます。

したがって、心配であれば司法書士に面会を前倒ししてもらい、意思能力を確認してもらいましょう。もし、司法書士が意思能力なしと判断した場合、またはどうみても意思の疎通ができない場合には、成年後見制度を利用することになります。

成年後見制度とは、本人の判断力が何らかの理由で不十分となってしまった場合に本人の財産管理や契約締結などの権利を制限し、他の方が代わって判断してあげる制度です。以前は禁治産者と呼ばれる制度でした。

成年後見制度を利用しようとする場合、まずは裁判所に後見開始審判の申立を行う必要があります。後見開始審判の申立がなされると、裁判所は医師に本人の意思能力を評価させ、意思能力がないと認められた場合には後見人を選任します。後見人は親族のほか、弁護士や司法書士、社会福祉士などが選任されます。

成年後見が開始されると、後見人は被後見人(認知症の方)に代理して様々なことを行うことができます。「成年後見制度を利用したとしても、被後見人の不動産を処分することは困難だ」と解説しているウェブサイトがあるようですが、事実ではありません。

たしかに、被後見人が居住している不動産を売却することには制限があります。被後見人が居住している不動産を後見人が私腹を肥やす目的で売却してしまうと、被後見人は住むところがなくなってしまい重大な不利益を被りますから、後見人といえども家庭裁判所の許可がなければ被後見人が居住している不動産を売却することはできません。

しかし、被後見人が居住していない不動産を売却する際にはこの制限は適用されませんから、後見人の判断で売却することが可能です。ただし、売却代金は被後見人のために利用すべきですから、後見人が私的に利用できるわけではないことは言うまでもありません。

また、成年後見制度を利用すると、被後見人の財産を処分することが困難になります。相続に関する節税対策などに重大な支障が生じる恐れがありますから、特に相続に関して専門家に相談している場合には、成年後見に関する手続きをする前にかならず相談しましょう。

共有者に行方不明の方がいる場合

共有者に行方不明の方がいる場合には、「不在者財産管理人」という制度を利用することとなるでしょう。不在者財産管理人とは、ある人が相当期間不在となり、連絡も取れなくなってしまった場合に、その方の財産を管理する人を家庭裁判所が選任する制度で、利害関係人または検察官が申し立てをすることができます。

不在者財産管理人は、行方不明の方と利害が対立するのでなければ弁護士や司法書士などの専門家でなくても親戚や友人で構いません。

不在者財産管理人の制度を利用すると、行方不明の方の財産を管理・保存することが可能となりますが、財産の処分を行うことは認められていません。なんらかの必要があり、どうしても処分する必要がある場合には、事前に裁判所の許可を得る必要があります。

なお、不在者財産管理人の制度とは別に、失踪宣告という方法もあります。失踪宣告とは、通常の状態で7年間以上行方不明となってしまった方がいる場合に、その方が法律上は死亡したものとして扱うよう裁判所が宣告する制度です。

戦争や船の沈没、航空機の墜落などにより行方が分からなくなってしまった場合には、その事故から1年間行方不明となった場合に同様の取り扱いがなされます。

長期間にわたり行方不明となっている場合には、不在者財産管理人の制度を利用したとしても最終的に失踪宣告の方法を取らざるを得ないことが多いです。したがって、そのような場合には最初から失踪宣告の方法を利用して相続の手続きを行い、その後で底地の売却を進めた方が良いでしょう。

底地を売却したときの税金や確定申告

底地や借地権を単に売買した場合や借地権者が底地を購入してから第三者に売却した場合、底地権者が借地権者に立ち退きをお願いして借地権を消滅させてから第三者に売却した場合など、共有している底地を売却したと言っても様々なケースが考えられます。

上記のケースはそれぞれ、税金の計算をする上で特別な処理が必要です。一般の方がご自身で譲渡所得の税務申告をするには高度過ぎる内容ですから、ぜひ税理士に譲渡所得の申告をお願いすることをお勧めします。

ただし、税理士と言っても、譲渡所得に詳しい税理士は限られています。

自宅を売却したという程度の譲渡所得の申告でしたら多くの税理士が処理できますが、借地権が関係し、かつ共有不動産の譲渡所得を処理できる税理士は多くありません。

不動産仲介業者や買取業者が提携している税理士は不動産の譲渡所得に詳しいことが期待できますから、依頼する際に紹介をお願いするのも一案でしょう。

まとめ

この記事では共有名義となっている底地の売却方法について解説しました。

共有名義となっている不動産も、底地となっている不動産も取り扱いが非常に困難です。
時間に余裕がある場合には、まず共有名義を解消し、その後で底地の売却を行うことも検討してみてはいかがでしょうか。

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