
夏や冬になると、家の中と外気の温度差で住宅に結露が発生してしまうことがあるでしょう。
実際に、住んでいる家に結露が発生してしまった人は
・結露が発生するのは欠陥住宅だから?
・結露を放置していたらどうなる?
・結露でおきたトラブルの解決方法はないの?
など、さまざまな疑問に悩まされていることでしょう。
そこで、この記事では「結露が発生する住宅に悩まされている人」のために、不動産専門家が対処法や解決策を紹介していきます。
具体的には
・結露が発生してしまう原因
・結露を発生させないための対策
・結露を放置したままにすると起こるトラブル
・結露しやすい家の解決方法
の順番に重要なポイントだけをご紹介していきます。
この記事を読めば、結露のトラブルを解消してキレイな住宅に住み続けられるでしょう。
目次
結露しやすい家でも欠陥住宅とは限らない
結露が発生する条件は屋内と屋外の温度差・湿度です。空気の温度によって水蒸気の量が異なり、暖かい空気ほどたくさんの水蒸気を含みます。
一般的に温度が低いと結露しやすいため、結露の発生は冬場に多くなる傾向にあります。
たとえば、ヒーターや暖房など室内の暖かい空気が窓を通じて外気によって冷やされると、飽和水蒸気量を超えた水蒸気が水滴になります。
結露は主に構造上の問題や生活用品が原因となって発生します。
家の構造上の問題で結露が発生する
家の中で結露が発生しやすい場所は窓際です。窓やサッシは外気の影響を直接受けるので結露が発生しやすくなります。
サッシには樹脂サッシ・木製サッシ・アルミサッシ・複合サッシがあります。中でもアルミサッシは金属であるため、熱伝導率が高く断熱効果も低いので結露が発生しやすいです。
また、すきま風の防止や室内温度の維持を目的とした高気密高断熱構造の住宅が主流になっています。高気密高断熱構造は冷暖房効率が高く、光熱費を節約できる点がメリットです。
しかし、空気の循環機能が低下してしまうデメリットもあります。換気システムが備え付けられていても室内の湿度が高くなり、結露が発生してしまうケースも多々あります。
生活用品が原因で結露が発生することもある
家の構造上に問題がなくても生活用品が原因で結露が発生することがあります。主な原因は加湿器や部屋干しです。
冬場の乾燥による風邪やインフルエンザを予防するために、加湿器を使用している家庭も多いでしょう。
しかし、加湿器を使用すると室内の湿度が過剰に増えてしまい、結露の発生しやすい環境が作られてしまうこともあります。
また、若い女性などは盗難対策として衣類を部屋干しする人もいますが、部屋干しは結露につながります。洗濯物から発生した水蒸気が原因で湿気が多くなり、結露してしまうのです。
家で結露を発生させないための対策
家で結露を発生させないための対策は簡単にできる方法やグッズを購入する方法などさまざまで、主に以下の方法があります。
- 換気する
- 除湿機で部屋の湿気を吸い取る
- 室温調整で温度をあげすぎない
- エアコンなどの暖房機器を使う
- 結露防止グッズで対策する
それぞれの方法についてわかりやすく解説するので、結露してしまう原因ごとに対策するとよいでしょう。
窓を開けて換気する
結露を発生させないための簡単な対策方法は換気することです。換気すると室内で大量に発生した湿気を外に出せます。
結露が発生する前に窓を開けて、こまめな換気を心がけましょう。網戸がついている窓なら、室内への虫の侵入を心配せず結露対策ができます。
しかし、湿気と同時に温度調節した空気まで外に出してしまいます。快適な温度を維持するためには、エアコンなどを稼働する必要があるのであまり経済的ではないといえます。
除湿機で部屋の湿気を吸い取る
室内の湿気は除湿機で吸い取ることが可能です。除湿機で湿気を吸い取れば換気する回数を減らせるでしょう。
除湿機は設置するだけでも湿気を吸い取りますが、設置する場所が大切です。
多くの除湿機は吸気口と排気口が別の場所に設置されており、どちらも壁などで塞がれないように設置すると最大限の効果を発揮します。
タンスや押入れの中も湿気が発生しやすい場所です。除湿機を設置できないような場所には乾燥剤で湿気対策するとよいでしょう。
室温調整で温度を上げすぎない
冬は寒く暖房で部屋の中を暖かくしたいものです。しかし、部屋を暖かくすると室内と外の気温の差が広がり、結露が発生しやすい状況を作ります。
適度に室温調整をして、温度を上げすぎないようにしましょう。
エアコンやオイルヒーターなどの暖房機器を使う
エアコンやオイルヒーターなどの暖房機器は石油ストーブなどに比べて結露を減らす効果があります。部屋を温める時に電気代の節約、乾燥を防ぐため石油ストーブを使用する人は少なくありません。
しかし、石油ストーブや石油ファンヒーターなどは燃焼する時にたくさんの水蒸気を発生させます。その結果、結露も発生しやすくなるのです。
電気代は高くなりますが、結露対策にはエアコンやオイルヒーターなどの暖房機器の方が有効です。
結露防止グッズで対策する
最近では豊富な結露防止グッズが販売されています。換気や除湿機、温度調整などの結露対策をしても結露が発生する場合は結露防止グッズによる防湿を検討してみましょう。
窓の結露防止には結露防止シート・フィルムや吸水テープなどが有効です。
また、タオルだと水分を完全に拭き取るには手間がかかるかもしれません。ゴム製のワイパーを使用すると効率よく結露を拭き取れるでしょう。
結露を放置したままにすると起こるトラブル
結露を放置するとカビが発生します。気づかないうちにカビの胞子を吸い込んでしまうと、喘息などのアレルギー症状を引き起こすため注意が必要です。
それだけでなく、結露を放置すると躯体が腐食してしまったり、シロアリ被害にあうこともあり、住宅の耐久性が損なわれて倒壊してしまう恐れもあります。
次の項目から、結露を放置したままにすると起こるトラブルについて具体的に解説します。
結露を放置するとカビが発生する
カビ菌は空気中のいたるところに存在しており、条件が揃うと肉眼で見えるほど繁殖していきます。
一般的にカビが発生しやすい条件は「70%以上の湿度」「20〜30度の気温」「栄養分」の3つが揃うことです。冬に暖房、加湿器をつけている状況に近くなります。
家の中でもトイレ・お風呂・キッチンなどの水回り、クローゼット・押入れなどの収納部はカビが発生しやすい場所です。
風通しが悪く・湿気が高い・掃除が行き届かない場所なのでカビには好条件です。
梅雨や冬は入念に掃除、除湿してカビの増殖を防止しましょう。カビを放置していると病気になる恐れもあります。
カビやダニも発生するため病気になることがある
結露を放置するとカビが発生して、カビを食べるダニも発生します。その結果、カビとダニによる「シックハウス症候群」を引き起こすことがあります。
シックハウス症候群は問題のある住宅でみられる健康障害の総称を意味しています。代表的な原因は、塗装や建材などに含まれる化学物質が発するガスです。
新築の家やリフォームをした後、大型の家具を購入した後は注意が必要です。皮膚やのど、目などの違和感、原因不明のめまいや頭痛が続く場合はシックハウス症候群を疑いましょう。
内部結露が発生すると柱や土台を腐らせる
結露には表面結露と内部結露の2種類があります。よく目にする窓やサッシなどの表面に付着している結露は表面結露です。
内部結露とは、室内の暖かい空気が壁の内部に侵入して、天井や床下などで結露してしまう現象のことです。
表面結露は目に見えるため拭き取るなど対策できますが、内部結露は住んでいる人がわからない場所で発生します。そのため、建物の劣化や病気などの具体的な被害が発生するまで気づくことが難しいです。
内部結露が長引くと柱や土台を腐らせる原因となります。さらにシロアリを発生させる要因となり、家の資産価値を低下させます。
老朽化が進むと耐用年数は短くなり、地震の発生により倒壊する危険性もあるため注意しましょう。

カビを除去する時の注意点
壁紙などのカビを除去するには、布やスポンジなどで拭き取りましょう。そのまま拭き取るだけではカビの除去は難しいので、カビ取り剤を使用するとよいです。
ただし、雑にカビを除去したり使用方法を誤ると、壁紙を傷つけたり引火してしまう恐れがあるため注意しなければいけません。
カビの除去方法については以下の記事も詳しく解説しているので、あわせて参考にするとよいでしょう。

エタノールは火の取扱に気をつける
クロスなどに発生したカビは洗剤とエタノールを使うと除去できます。除去方法はカビにスプレーなどでエタノールを吹き付け、濡れた雑巾などでしっかりと拭き取ります。
エタノールは引火性が高い液体のため、火の取扱に注意が必要です。キッチンの近くを掃除する時はガス栓を締めて、タバコを吸いながらの掃除は危険なのでやめましょう。
カビ取り剤は壁紙を傷つける
市販で売られているカビ取り剤を使うと簡単にカビを除去できますが、カビ取り剤は壁紙を傷つけることがあります。力を入れないでスポンジなど柔らかいもので軽く擦るように掃除しましょう。
傷をつけると傷からカビが入り込んで余計に取れにくくなります。さらに市販のカビ取り剤は漂白効果もあるため、色落ちしてしまうことがあります。
目立たない場所で少しずつ試しながら作業するとよいでしょう。
無水アルコールとキレイな布で拭き取る
「壁紙を傷つけたくない」「色落ちしてしまわないか不安」という人は無水アルコールを使ってカビの除去を試してみてください。
無水アルコールとキレイな布で拭き取るとよいです。ちなみに、無水アルコールは薬局やホームセンターなどで購入できます。
結露しやすい家の解決方法
換気や除湿機などの対策をしても結露に悩まされることがありますが、結露防止を諦めるのはまだ早いです。
次の項目から「雑巾やワイパーで結露を拭き取る」「暖房機器の見直し」「内窓を取り付ける」「リフォームする」など解決方法を4つ解説します。
雑巾やワイパーで結露を拭き取る
結露しやすい家の簡単な解決方法は雑巾やワイパーで結露を拭き取ることです。
前の項目でも説明したように、結露を放置すると病気の原因や壁の木材を腐らせるのでこまめに拭き取りましょう。
窓やサッシだけでなく、ベッド・カーペット・フローリングにも結露が発生することがあります。できるだけ早い対策を心がけましょう。
暖房機器はエアコンを利用する
ガスファンヒーターや石油ストーブなどの暖房機器を使用して結露が発生する場合、暖房機器を見直しましょう。ガスファンヒーターなどは開放型の暖房機器のため大量に加湿します。
一方で、エアコンは非開放型の暖房機器のため、ガスファンヒーターなどに比べて加湿が少ないです。電気代はかかりますが、一酸化炭素中毒の心配や定期的な換気などの手間が少なくなります。
内窓を取り付ける
内窓を取り付けると結露を大幅に防げます。二重窓になり、手前に設置した二重窓で部屋の暖かさや空気を遮断します。
冷たいガラス面に暖かい空気が触れないので結露を防止する効果があります。
価格は窓の大きさによって違いますが、小さい窓なら3万円から設置できるでしょう。賃貸マンションの場合は退去時に現状復帰が基本なので、事前に管理会社に内窓を取り付けても良いか確認することが大切です。
リフォームして風通しをよくする
マンションは気密性が高く窓やガラスだけでなく、間仕切り壁に結露が発生する場合もあります。一戸建てに比べ窓が少ないので通気がよくありません。
結露に悩み、内窓を設置しても結露が改善されないのであればリフォームも視野にいれるとよいかもしれません。結露対策には換気と風通しが大切です。
24時間換気扇を回し、間仕切り壁に室内窓を取り付ける改修工事をすると風通しがよくなり結露対策に役立つでしょう。
結露しやすい家は専門買取業者に売却する
結露によって「躯体が腐食していた」「シロアリが発生していた」などの理由で売却を検討しているなら、訳あり物件専門の買取業者に相談するとよいでしょう。
一般的な不動産業者では、ボロボロになった家やシロアリ被害にあった家などの訳あり物件を扱えないケースが多く、買取自体を拒否されてしまうこともあります。
一方で、訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、相場に近い価格で買い取ってくれる可能性もあります。
数ある買取業者の中でも、訳あり物件のエキスパートが勢揃いした「クランピーリアル・エステート」は結露しやすい家でも高価格での買取を実現しています。
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まとめ
欠陥住宅でなくても結露しやすい家は存在します。建物の構造上の問題だけでなく、日常生活に使用している暖房機器や加湿器によっても結露が発生します。
結露が発生したらそのまま放置することはやめましょう。家族が病気になったり家が傷んでしまい、安心して生活できる家ではなくなってしまいます。
今すぐにでもできる結露対策の方法は「換気」です。こまめな換気と除湿を心がけ、湿気が溜まりやすいトイレなどの水回りや押入れの中などは風通しをよくしましょう。
対策しても結露しやすい家の悩みが解消できない場合は、訳あり物件を専門に扱う不動産業者に売却することを検討するとよいかもしれません。