住宅ローン控除の概要と適用条件を解説!申告方法についても紹介します

住宅ローン 概要 適用条件

住宅ローンを組むと、所得税の税額を減らせる「住宅ローン控除」が受けられます。

住宅ローン控除を申請すれば、10年の間は所得税から「年末の住宅ローン残高の1%相当額(上限40万円)」を減らせます。

10年間で最大400万円の節税効果があるため、住宅ローンを組んだ翌年の3月は忘れずに確定申告をおこないましょう。

住宅ローン控除を申請するには、住宅ローンを組んだ翌年の3月に税務署で確定申告をしなければいけません。

また、申請方法や控除額は変更になる可能性もあるため、住宅ローン控除を申請するときは税理士に相談するとよいでしょう。

住宅ローン控除制度の概要と計算例

住宅ローン控除制度の概要は、次のとおりです。

住宅ローン控除制度の概要
控除期間 10年
年間の控除額 年末の住宅ローン残高の1%相当額
最大控除額 400万円(年間40万円)
※所得税ですべての控除額を引ききれない場合、住民税へ適用される。
例えば、新築のマイホームを購入し、年末の住宅ローン残高が3,000万円だった場合、その1%である30万円が所得税から控除されます。
また、所得税が年間の控除額以下であった場合、住民税の控除に適用されます。
※住民税に適用する場合、所得税の課税所得金額の7%(上限13万6500円)までしか控除されません。

ちなみに、これらの税制は変更の可能性もあるので、最新の情報は税務署や税理士に相談しましょう。

住宅ローン控除の適用条件

住宅ローン控除を適用するためには、以下の適用条件に該当する必要があります。

・新築または取得から6カ月以内に自己の居住とし、12月31日まで住んでいる
・住宅ローン控除を受ける年の所得が3,000万円以下
・新築または取得した住宅の登記床面積が50㎡以上で、かつ床面積の半分以上を自らの居住用としている
・返済期間10年以上の住宅ローンを組んでいる
・居住した年とその前後2年の5年間において、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の特例などを受けていない

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住宅ローン控除を年間で2回利用できるケース

住宅ローン控除は適用要件を満たしていれば、年間のうち2回目であっても適用することが可能です。

ただ、現実的にそのようなケースは少なく、あるとすれば住宅の買い替えなどで1回目に購入した自宅を売却し、2回目の自宅を購入するというケースでしょう。

このケースを利用する場合、譲渡所得税に注意が必要です。

自宅の売却には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が受けられるため、一般的な自宅売却で譲渡所得税が課税されることはありません。

しかし、住宅ローンと「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」は併用ができません。

どちらを適用するほうが有利であるかはケースバイケースになりますので、住み替えで2回目の住宅ローン控除の適用を検討している場合については十分注意しましょう。

参照:国税庁「マイホームを売ったときの特例」

転勤で一時的に住まなくなったらどうなる?

住宅ローン控除は、自ら居住することで適用を受けられます。

ところが、仕事の都合で転勤を言い渡され、一時的に住めなくなることもあるでしょう。

では、そのような場合、住宅ローン控除は適用できるのでしょうか。結論からいうと、居住していない期間については、住宅ローン控除を適用できません。

ただし、住宅ローン控除の期間中に再度転勤が終わって戻ってくる場合については、改めて書類を提出して確定申告をすることで、住宅ローン控除の残存期間について住宅ローン控除を受けることが可能です。

購入以外で住宅ローン控除が使えるケースとは?

住宅ローン控除は、マイホームを新しく購入するときだけでなく、増改築などの費用でも利用できます。

新規購入以外で適用可能なケースは次のとおりです。

・自宅の増改築や建築基準法上で規定されている大規模修繕または模様替えなどの工事
・マンションの専有部分の床や階段、壁の過半に対しておこなう一定以上の工事
・自宅の居室・キッチン・バスルーム・トイレ・洗面所・納戸・玄関・廊下の床や壁に対しておこなう、修繕や模様替えの工事
・現在の耐震基準に適合させるためにおこなう耐震改修工事
・バリアフリーのためにおこなう一定の改修工事
・省エネのためにおこなう一定の改修工事

住宅ローン控除の限度額が上がる長期優良住宅&低炭素住宅の概要

一定の条件を満たした住宅は、住宅ローン控除の限度額が上がる優遇措置を受けられます。

優遇措置の対象となる住宅には「長期優良住宅」と「低炭素住宅」の2種類があり、それぞれの具体的な概要は次のとおりです。

「長期優良住宅」と「低炭素住宅」の概要
住宅の種類 住宅の概要 認定要件
長期優良住宅 長期にわたって「安心かつ快適」に住める性能や維持計画を備えた住宅 劣化対策や耐震性、維持保全するための定期的な点検など。
低炭素住宅 市街化区域等内に建築された住宅で、二酸化炭素の排出を抑えたもの ・「外皮の熱性能」と「一次エネルギー消費量の抑制」は必須。
・そのほか、節水対策やエネルギーマネジメントなど複数の評価項目から2つ以上を選択して基準をクリアする。

長期優良住宅は、長期にわたって良好な状態で住み続けることができると認定された住宅です。耐震性・耐久性・省エネなど各要件をクリアし、耐震基準適合証明書や、耐震等約1以上と認められた既存住宅性能評価書の取得などが求められます。

低炭素住宅は、低炭素化(=二酸化炭素排出の抑制)に対する取り組みがされている住宅です。太陽光発電パネルや天井断熱、外壁断熱、床断熱などが施されたも住宅が対象です。

参照:国土交通省「長期優良住宅のページ」

参照:国土交通省「認定低炭素住宅に関する特例措置」

長期優良住宅&低炭素住宅の具体的な優遇内容

通常、住宅ローンの最大控除額は400万円(年間40万円×10年間)です。

しかし、長期優良住宅&低炭素住宅は上限額が500万円(年間50万円×10年間)に上がり、最大で100万円も節税効果が上がります。

また、住宅ローン控除だけではなく、不動産取得税と登録免許税も優遇されます。

  • 不動産取得税:不動産を取得したときにかかる税金
  • 登録免許税:所有権移転などで登記申請するときにかかる税金

不動産取得税と登録免許税における具体的な優遇額は、次のとおりです。

不動産取得税 登録免許税
長期優良住宅 課税標準額から1,300万円を控除(一般住宅は1,200万円) 不動産価格の0.1%(一般住宅は0.15~0.3%)
※マンションの所有権移転登記は0.2%
低炭素住宅 課税標準額から1,200万円を控除(一般住宅と同じ) 不動産価格の0.1%(一般住宅は0.15~0.3%)

ちなみに、これらの優遇措置は変更の可能性もあるので、最新の情報は税務署や税理士に相談しましょう。

住宅ローン控除を申告する前に確認しておくこと

このように、住宅ローン控除を適用すれば、人によっては高額な還付を受けられたり、大幅な節税になります。

マイホームを購入する際には制度の仕組みをよく理解した上で判断することがとても重要です。

そこで、住宅ローン控除を利用するにあたってあらかじめ注意すべきポイントについて解説します。

ポイント1:戻ってくる税金があるか

住宅ローン控除は所得税の控除制度であるため、そもそも控除されるだけの所得税や住民税がなければ、いくら住宅ローン控除を適用しても効果を発揮できません。

例えば、住宅ローンの年末残高が3,000万円だった場合、控除される金額は30万円です。

ところが、所得税と住民税の一部で30万円に満たなければ、差額分の控除額が無駄になります。

自分自身の年収と照らし合わせて、住宅ローン控除を適用した場合にいくら控除されて戻ってくるのか計算してみることをおすすめします。

ポイント2:繰り上げ返済の判断について

住宅ローン控除は「住宅ローンの年末残高の1%」が控除額となるため、繰り上げ返済を検討する際には、「繰り上げ返済した場合」と「繰り上げ返済をせずに住宅ローン控除額を大きく確保した場合」で、どちらのほうが有利なのかを確認することが重要です。

一般住宅の場合、住宅ローン控除の年間控除額上限は40万円のため、残債が4,000万円残るまでは繰り上げ返済しても影響はありません。

ただし、それ以上については、住宅ローン金利との兼ね合いが重要になってきます。

最近の住宅ローン金利は変動金利であれば1%を下回っているため、低い金利で住宅ローンを組んでいる場合は、繰り上げ返済を住宅ローン控除が終わる11年目以降に先延ばししたほうが得をする可能性が高いでしょう。

住宅ローン控除の申請方法

住宅ローン控除申請

住宅ローン控除は、条件にあてはまれば当然適用されるのではなく、自ら手続きをしなければなりません。

ここでは、住宅ローン控除の申請方法について解説します。

住宅ローン控除を受けるためには、取得した物件に入居した年の翌年に税務署で「確定申告」をする必要があり、添付書類を一緒に提出しなければなりません。

住宅ローン控除に必要となる書類

住宅ローン控除の申請に必要な書類は次のとおりです。

  • 住民票の写し:取得した物件の住所地における住民票が必要
  • 残高証明書:毎年、年末頃に金融機関から郵送される住宅ローンの残高証明書
  • 登記事項証明書:最寄りの法務局で取得
  • 売買契約書または請負契約書など:売主や業者と交わした契約書が必要
  • 源泉徴収票:勤務先から発行されるもの

また、中古物件の購入で住宅ローン控除を申請する場合、以下のいずれかも必要です。

  • 耐震基準適合証明書
  • 既存住宅性能評価書
  • 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書

会社員など給与所得者の場合は、初年度に確定申告をすれば、残りの9年間については確定申告が不要で、年末に勤務先に住宅ローンの残高証明書を提出することで「年末調整」によって控除を受けることができます。

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まとめ

住宅ローン控除を使えば、当面の間はかなりの税金が節約できますので、家計も楽になります。

ただし、適用期間が過ぎたときに「控除がなくなって家計が苦しくなった!」と慌てないように気をつけましょう。

住宅ローンを組むときは、完済するまでの収入と支出を予想し、計画的な返済をすることが大切です。

住宅ローン控除の概要についてよくある質問

住宅ローン控除とはどんな制度ですか?

住宅ローンの残高に合わせて、所得税の控除を受けられる制度です。年末の住宅ローン残高の1%相当額を所得税から控除されます。

住宅ローン控除を利用するには、なにをすればよいですか?

住宅ローンを組んだ翌年に、法務局で確定申告をする必要があります。

住宅ローン控除を申告するにあたって気をつけることはありますか?

適用期間は「住宅に入居してから10年間」なので、マイホーム購入の翌年に忘れず申告しましょう。また、控除額や適用期間は変更される場合もあるので、最新の情報は税務署や税理士に確認することをおすすめします。

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