事故物件を民泊運営するときの注意点と必要な手続き、収益を上げる3つのポイント

事故物件 民泊

不動産で自殺や殺人などの事件が発生すると、その物件は心理的瑕疵物件、いわゆる事故物件になってしまいます。

事故物件を所有している人、民泊の運営を考えている人は

・事故物件でも民泊として運営していいの?
・民泊を営業するとき、どんな手続きが必要?
・民泊営業で儲けを出すにはどんなポイントがある?

など、さまざまな疑問に悩まされていることでしょう。

そこで、この記事では「事故物件を民泊として運営することを検討している人」のために、不動産専門家がプロの観点から解説し、あなたの疑問やお悩みを解決します。

具体的には

・事故物件を民泊として営業するときの注意点
・民泊営業に必要な手続きと流れ
・民泊営業で収益を上げる3つのポイント
・民泊営業によって得られた収入に課せられる税金や確定申告

などの内容を、順番通りに重要なポイントだけ解説していきます。

この記事を読めば、事故物件でも民泊運営できるようになり、収益を上げられるようになるでしょう。

事故物件を民泊として営業するときの注意点

事故物件 民泊
まず、所有している事故物件を民泊物件として営業するには、どのような点に注意するべきでしょうか。

心理的瑕疵があることを必ず告知する

事故物件とは、その物件内で自殺や事故、火災などがあり、死者が発生したなど、「その事実を知った人が住んだり、泊まったりすることを避けたくなる」物件を指します。

事故物件のことを法律上は心理的瑕疵物件といいます。

日本では物件内で人が亡くなった、殺人事件などの犯罪が起きたなどの問題が生じた場合「室内で心霊現象が発生するかもしれない」と多くの人が避ける傾向にあります。

こうした状況は不動産投資において大きなリスクです。

心霊現象は科学的に証明されていない以上、告知しなくてもよいと考える人もいますが、そんなことはありません。

法律では、心理的瑕疵が存在する場合、告知義務があります。たとえ一泊のみの宿泊施設だとしても、その物件で過去に事件があったことは、必ずホームページなどで告知しなければいけません。

説明義務を果たさないと、訴訟問題に発展する恐れもあります。

近年ではインターネット上の事故物件情報サイト「大島てる」などで、事故物件の写真画像や情報が公開され、拡散される傾向にあります。

隠そうとしても、検索で発覚してしまう恐れがあるため、心理的瑕疵物件であることを隠さずに公開してトラブルを避けましょう。

関連記事
事故物件
殺傷事件や自殺が起きてしまうと、その物件は心理的瑕疵物件、いわゆる事故物件になってしまいます。 物件の所有者としては、そのままだと物件を活用できないため 「事故物件を建て替え・更地にすれば普通の物件と同じように売却できる?」 「事故物件を売却するときの告知義務ってなに?」 など、さまざまな疑問や悩みがあるかもしれません…

リフォームだけではなくお祓いもしておく

事故物件を購入して、事故当時の状況で利用する人は、まずいないでしょう。

遺体の血痕や体液が染み付いた状態の部屋は、見た目に不気味な印象を与えるだけでなく、感染力の高いウイルスが発生するなど、衛生面や健康面でも問題があります。

民泊物件を営業するには、役所の許可が必要ですので、そのような状態では、民泊物件として認可が下りることはまずないでしょう。

ですので、事故物件を民泊物件に転用するには、リフォームやリノベーションは必須です。また、内装などの入れ替えだけではなく、神職の方に頼んでお祓いもしておきたいところです。

非科学的と思う人はいるかもしれませんが、お祓いをすることで安心する人はまだまだ多いのです。

きちんとお祓いをして、亡くなった人を供養した事実を伝えれば、心理的な不安が減るため、納得して多くの人が泊まってくれるでしょう。

関連記事
事故物件 お祓い
所有している物件が事故物件になってしまったとき、そのままでは居住できません。リフォームをして室内を綺麗にする必要があります。 また、絶対に必要というわけではありませんが、事故物件をお祓いしたい人も多いかもしれません。 実際に事故物件を所有している人、購入や相続でこれから取得する予定がある人は ・事故物件のお祓いはどこに…

民泊営業に必要な手続きと流れ

つづいて、事故物件を民泊に転用して営業するために必要な手続きを説明します。

じつは「民泊」という言葉に法律上の明確な定義はありません。

一般的には「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供すること」とされています。

この表記にしたがい「民泊」を営業する際に必要な手続きや、かかる税金などの概要を整理してみましょう。

参照:厚生労働省HP 民泊サービスと旅館業法

民泊には3つの形態がある

民泊には、3つの形態があります。

①旅館業法による簡易宿泊所営業の許可を受ける方法
②国家戦略特区法による認定を受ける方法
③住宅宿泊事業法(民泊新法)による届出を行う方法

①の「許可」は行政機関から許可が降りて、初めて営業可能になります。

これに対して、②の「認定」は法律が定める要件を満たせば営業できます。

その意味で、認定の方が許可よりもハードルは低いです。

③の「届出」は、要件を満たした上で行政機関に届出すれば、営業可能です。

届出の場合、認定よりもハードルは低くなります。

以上から、もっとも手間なく民泊営業するなら、③の民泊新法による方法がベストでしょう。

また、民泊を営業するには所定の手続きが必要となり、手続きせずに民泊を営業した場合、6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金を課される恐れがあります。(旅館業法第10条)

関連記事
再建築不可物件
一般の不動産よりも売却価格が低くなる再建築不可物件。今すぐにお金が必要でないのであれば、売却せずに投資をするなど有効活用したいと考える人は少なくありません。 不動産投資や空き地の活用方法などで今、注目を集めているのが民泊です。特に、今は外国人観光客の増加により、インバウンド需要が増えています。 日本政府観光局の発表によ…

①旅館業法による簡易宿泊所営業許可

旅館業法によれば、都市計画法上の住居専用地域や工業地域等では、宿泊施設の営業が認められません

また、設備などの要件も他の形態と比べて、もっとも厳格です。

一方で、営業許可さえ下りれば、他の形態のような営業上の制限はありません。

  1. 法律の定める要件を物件が満たす(用途地域の制限、床面積、消防設備、その他の設備)
  2. 許可申請書に必要書類を添えて都道府県へ所定の手数料を納めて許可を申請する(保健所を設置する市、特別区では市または特別区)
  3. 申請に許可が下りると、申請内容や設備などの現地調査がおこなわれる

これらの手続きを経た上で、問題無いと判断されると、許可が下りて営業可能になります。

②国家戦略特区法による認定

国家戦略特区法による認定の条件は、次の通りです。

まず、特区として認められた自治体であること、その地方自治体が条例を定めていることです。

国家戦略特区でも、都市計画法上の用途地域による制限があり、住居専用地域、工業地域での民泊営業は認められていません

さらに条例等によって制限されている場合もあるため、確認する必要があります。

また建築基準法の都合上、民泊施設の用途は住宅・共同住宅でなければなりません

国家戦略特区法の場合、戦略特区における民泊営業の条件にも注意が必要です

国家戦略特区法による民泊では、2泊3日以上の施設滞在が必要で、1泊だけのお客さんは宿泊できないことになっています。

また手続きに際し、施設の所在地が戦略特区内にあり、条例が定められていることを確認する必要があります。

施設が所定の設備を備えるなど、要件を満たすことに加えて、近隣住民への説明も必要です。

具体的な方法については、条例を確認する必要があります。実際は

  1. 所定の書類を添付した申請書を作成して、手数料を都道府県に納めて申請する(保健所を設置する市、特別区では市または特別区)
  2. 申請が認められると、書類審査がおこなわれる
  3. 書類審査に通過すると、現地調査が入る

要件を満たすことが確認されると認定となり、民泊施設として営業可能になります。

③住宅宿泊事業法(民泊新法)による届出

この届出は、2018年6月から施行された住宅宿泊事業法によって認められた形態です。

旅館業法や特区民泊とは異なり、原則として用途地域による制限はありません
(例外的に条例で制限されている場合もあるため、事前確認が必要です)

最大の特徴は、営業日数が物件単位で年間180日以内に規制されている点です。

また営業者が常駐しない場合、管理業者に管理を委託する必要があります。

住宅宿泊事業法で定められている、民泊営業できる対象物件は以下のとおりです。

  • 現に人の生活の本拠として使用されている家屋(自宅の空部屋)
  • 入居者の募集が行われている家屋(賃貸物件・分譲物件として入居者等を募集中の物件)
  • 随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋(セカンドハウス・別荘等)

つまり、当初から民泊営業する目的で建てられた物件は、住宅宿泊事業法では営業が認められません。

消防設備については、自宅の空部屋を利用する場合には原則として必要ありませんが、それ以外は一定の設備を備える必要があります。

営業への手続きですが、営業開始日の前日までに所定の方法で、各都道府県に必要書類を添付して届出します。
添付書類は大きく分けて以下の3種類に分かれます。

  • 届出者が欠格事由に該当していないことを証明する書類
  • 物件が民泊営業するために必要な要件を満たしていることを証明する書類
  • 民泊事業の営業が許された物件であることを証明する書類

届出は、所定の届出書を紙面で提出する方法と、オンラインシステム(民泊制度営業システム)から行う方法の2つがあります。

届出に手数料は必要なく、届出のみで足りるため、その後の許可や認定などを待つ必要はありません。

参照:民泊制度営業システム

民泊営業で収益を上げる3つのポイント

民泊
民泊物件は民泊新法の施行により、ビジネスモデルが大きく変わりました。

民泊新法では日本全国で民泊物件の営業ができますが、年間の営業日数が180日以内と制限されています

空室が発生する中、半年間しか営業できない状況で、どうすれば収益を上げられるのか、そのポイントをお伝えします。

1.他の民泊物件との差別化を図る

半年の間しか稼働できない以上、収益を上げるには稼働率を高めるのではなく、宿泊料と客単価を上げる必要があります。

客単価を上げるには価格競争に参加するのではなく、自分の物件でしか味わえない体験を提供するなど、競合する民泊施設との差別化を図らなくてはいけません。

テレビなどで紹介され、外国人旅行者から人気を得ている宿泊施設は、日本ならではの体験ができる雰囲気をもつ内装の物件や、親子や女性がのびのびと遊べるような広々とした楽しい空間など、それぞれがユニークな特長をもつ施設が多いです。

価格競争に身を置くだけでは、採算が悪化するだけです。

客単価を高めるには、初期投資で内装に力を入れたり、オプションサービスを設けたりと、工夫を凝らす必要があります。

ユニークを売りにする、快適な宿泊を提供するなどの戦略を採りましょう。

差別化ができれば、民泊をまとめるウェブサイト「エアビー(Airbnb)」などにも良い口コミが集まり、予約が多く入るでしょう。

2.観光地でアクセスの良い場所に物件を持つ

外国人が日本に訪れる理由は、ずばり観光のためです。

観光地でアクセスの良い場所に民泊物件を持てば、観光に訪れた人の宿泊先として十分な需要が見込めます。

物件の価格や利回りを優先するのではなく、利用者にとって使いやすい場所の物件を購入することを第一に考えましょう。

それでも有名な観光地の周辺は、不動産価格も高いです。

周辺のレジャースポットなどを調べ、今後人気の出そうなエリアに宿泊施設用の民泊物件を買うなど、先行投資するとよいでしょう。

レジャースポットの営業側と提携して、お互いに無料で客を紹介する、宿泊場所を紹介するなどの活動をすると、安定した観光需要が見込めます。

3.他の店舗や施設との併合型にする

差別化の一環ですが、民泊物件内のすべての部屋を宿泊施設にするのではなく、店舗などの複合施設型の民泊物件として営業することもひとつです。

ただ宿泊場所を提供するのではなく、日本食が食べられるレストランや喫茶店が民泊内に併設されているとしたらどうでしょうか。

観光客は色々な場所に向かわずに、一箇所で日本の文化を満喫できます。

観光地ですから、日本の衣装を貸出する店舗を設けてもよいでしょう。物件を購入したら、半分を宿泊施設、もう半分を体験型店舗などにして営業することを考えてみましょう。

オーナーとしてゲストである外国人観光客を相手に、日本らしい対応やサービスをすることも重要です。

民泊の収入にかかる税金や確定申告について

確定申告
民泊事業により所得を得た場合、所得税を納める義務が生じます。

所得税については、各人が確定申告を行う必要があるため注意が必要です。

会社形態で民泊事業を営業して事業年度を定めている場合、事業年度の終了後に確定申告をします。

個人の場合、翌年の2月16日から3月15日までの1ヶ月間(3月15日が土日にあたる場合は翌月曜日まで)に、毎年1月1日から12月31日までの1年分の所得を申告して納付します。

確定申告が必要となる場合

サラリーマンなどが副業として民泊営業を行う場合、所得金額が20万円を超えれば、確定申告する必要があります。

民泊を本業にする場合、所得が38万円以上であれば、確定申告が必要になります。

ここでいう「所得金額」は単純な売上ではなく、売上から必要経費を除いた、いわゆる純利益のことです。

もし確定申告をしない場合、以下の税率による追徴課税が課せられることがあるため、必ず確定申告しなければなりません。

・納税額が50万円までは15%
・納税額が50%を超えたときは20%

民泊による所得は何の所得に当たるのか

確定申告をする場合、営業する民泊により所得の扱いが異なります

・自宅の空き部屋で民泊を行う場合は雑所得
・それ以外の場合は基本的に不動産所得

但し、一定規模以上の場合は事業所得とすることも可能です。

この場合、青色申告が可能になります。

きちんと帳簿をつければ、65万円までの特別控除を受けることも可能です。

確定申告書の記載方法については、税理士などに相談するとよいでしょう。

関連記事
税金
不動産を取得したり、保有したり、売却したりする際には、その都度様々な税金が課されます。 この記事では、個人が不動産を取得・保有・売却する際に課税される税金の種類についてご紹介しています。 不動産を取得した時にかかる税金とは 不動産を取得した時に課税されるおもな税金は「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」「消費税」の4…

まとめ

事故物件を民泊物件に転用して、営業するのは決して容易ではありません。

物件にリフォームやリノベーションを施して、お祓いをしてから役所での手続きが必要となるため、費用も時間も掛かります。

一方で、そのコストに見合う収益を得られることが、民泊営業の最大の魅力です。

海外からの観光客はまだまだ増加傾向にあり、その勢いは衰えを見せません。

東京や大阪だけではなく、京都や沖縄などはホテルが不足しているため、政府としても民間の民泊物件が増えることを歓迎しています。

価格競争に巻き込まれないよう、オンリーワンの価値観を提供することで、民泊営業の収益化を目指しましょう

もしも事故物件の民泊化がうまくいかないときは、赤字が膨らむ前に物件の売却も検討しましょう。

最終更新日:
不動産売却の専門家が、あなたの疑問に回答します!プロだけがお答えする信頼性の高い掲示板です。不動産お悩み相談所。質問はこちら。

訳あり不動産の売却をご検討の方は今すぐご連絡ください

0120-543-191