不動産トラブルが発生した時、弁護士に相談すべきメリットとは?費用は?

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不動産は、個人にとって財産の多くの部分を占め、高額であるがゆえにトラブルが発生しやすいものでもあります。それは法人や事業者にとっても同様です。また法律の面でも、個人では解決が難しい専門的な部分があり、そんな時は不動産トラブルに詳しい弁護士の存在が重要となってきます。

今回は、不動産トラブルが起こった際に、弁護士に相談する場合のメリットやデメリット、費用負担などについて解説していきたいと思います。

どんな不動産トラブルが考えられるのか?不動産トラブルの実例

欠陥住宅
不動産といっても、そのトラブルの種類は多岐にわたっています。では、実際にどんなトラブルの事例が相談されているのでしょうか。多く相談される事例を大まかにカテゴライズすると、不動産売買のトラブル、不動産賃貸借のトラブル、その他契約時のトラブルといった3つのタイプがあるようです。

不動産売買のトラブルの事例としては、購入した新築住宅に欠陥があった、欠陥があった際の保証や修繕費はどうなるのか、設計と実際に出来上がった建物に違いがある、購入契約を解除したのに費用を請求されたなどといったことがあります。

賃貸借のトラブルとしては、マンションやアパートに入居中、近隣の騒音や上の階からの水漏れなど隣人間の問題が発生した、入居してみたら設備の一部が壊れていたなどがあります。契約時のトラブルに関しては、賃貸契約を更新したくないがどうすればよいか、契約違反をしている借主を退去させることができるかなどが挙げられます。このように、トラブル事例については枚挙にいとまがありませんし、不動産トラブルは常に身近で起こりうる可能性があると言えるでしょう。

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不動産トラブルの相談は、弁護士が良いのか?司法書士が良いのか?

弁護士の他にも、司法書士や行政書士といった法律の専門家がいます。また、土地に関して言えば、土地家屋調査士という士業も存在します。では、なぜ士業の中でも不動産トラブルは「弁護士」に相談すべきなのでしょうか。それは、扱えるトラブルの内容は、士業によって法律で決められていることに起因します。

司法書士の場合は、土地の所有者に関する登記などを行ったり、供託と言って財産の管理などを行ったりすることが法律で認められています。例えば、相続が発生した時には、司法書士は不動産の相続登記を行うことができます。しかし、もし相続がこじれて相続人間で話し合いが決裂したり、土地の境界線や金額をめぐって近隣住民や不動産業者とトラブルになったりして裁判にまで発展してしまった場合、請求する金額によっては代理人として問題を解決することはできません。それは、行政書士や税理士、土地家屋調査士も同様です。代理人というのは、依頼者に替わって相手方と交渉したり、裁判に出廷したりすることが法律で認められている者を指します。代理権を行使できる、つまり代理人になることができるのは弁護士というように、法律で決められているのです。司法書士の場合、一部代理人としての業務も認められていますが、これは民事訴訟に限定され、取り扱いができる案件の金額も140万円を超えることはできないという制限があります。そのため刑事事件や行政事件を取り扱うことはできません。よって、弁護士と異なり、他士業は業務範囲について、法律上の制約をかなり受けなければならないということになります。

弁護士の最大の特徴は、司法書士や行政書士と異なり、代理人として裁判に出廷したり、相手方と交渉したりすることができるということです。よって、不動産トラブルに関して広範囲に渡って対応を考える時には、弁護士という選択肢を考えるべきでしょう。尚、弁護士より司法書士の方が費用面で安価なのではというイメージもあるようですが、両士業ともにそこまで大きな違いはありません。

不動産トラブルを弁護士に依頼した場合の費用

では、実際に不動産トラブルを弁護士に依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。まず、弁護士費用というものは、おおむね「着手金」と「成功報酬」で成り立っています着手金は、トラブルが解決しても解決しなくてもかかってくる費用で、正式に依頼する場合にかかる費用です。よって、委任契約をした時点でかかってきます。一般的に着手金は、10万〜30万円程と言われていますが、案件の難易度や解決した時の経済的利益(依頼したことによって得した金額のこと)の額によっても変わります。また、弁護士事務所によっても差がありますので、契約をする前にきちんとチェックしておく必要があります。成功報酬も、案件の難しさや経済的利益によって変わってきます相場では経済的利益の10〜20%という比率が多い様です。こちらも弁護士事務所によって差があります。

着手金や成功報酬の他にも「相談料」や「実費」が発生する場合があります。相談料は、弁護士に相談する時に発生する費用です。相談1時間につき、5千円から1万円位が相場の様です。しかし、弁護士事務所では、初めての相談については「無料」で行っているケースもあります。1回目の相談は無料で、その後継続して相談する場合は、相談料がかかってくるということになります。気になることがあれば、まずは無料相談を活用して弁護士事務所に足を運ぶほか、メールや電話相談も受け付けている場合もありますので、問い合わせてみたりするのがよいでしょう。なお、実費は着手金に含まれることもあります。裁判で必要な印紙代や郵送代などの実費、弁護士の出張費や交通費、調査や書類の作成に多くの費用がかかるような場合に、支払いを求められることがあります。実費は、案件の解決後に支払います。トラブルの内容によって費用はかなり異なってきますし、弁護士事務所によっても変わってきます。そのため、不明点は曖昧にせず、依頼前でも依頼後でも、弁護士に必ず確認しましょう

不動産トラブルを弁護士に依頼するメリット

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先述の通り、不動産トラブルを弁護士に相談するメリットについては、代理人として裁判に出廷したり相手方と交渉したりできるという点がありました。ここでは、もう少し詳しくメリットを解説していきます。

不動産トラブルの特徴

まず、不動産トラブルは売買、賃貸借、契約など、相手方が存在する場合がほとんどです。トラブルの当事者同士で解決しようと思うと、感情的になったり互いの主張をぶつけ合ったりするだけで、解決への糸口がつかめないケースが少なくありません。また、トラブルの相手が不動産業者など専門家である場合、個人では専門的知識や法的知識に乏しく、まして高圧的な態度を取られてしまったりすると、結局言われるがまま対応して損をしてしまう危険性もあります。

弁護士が代理人となることのメリット

弁護士を代理人にすることで、相手にこちら側の本気度を伝えることもできますし、弁護士は感情的にも法的にも中立ですので、法律の専門的知識を持って、自らの意思を相手方に伝えることができるでしょう。連絡しても一切応じなかった不動産業者が、弁護士が代理人となって連絡した時には、すぐに対応してくれたという事例も少なくありません。弁護士は法律の専門家ですので、現状でどのような解決手段があるか、裁判に踏み切るべきなのか、依頼者に合った手段を法律の面からアドバイスすることができます。

裁判に発展した場合も安心できる

弁護士は、どうしても裁判になってしまった際には、必要な書類を代理で作成したり、代理人として出廷したりすることができます裁判や交渉には、多大な時間と労力がかかります。弁護士に依頼することで、仕事や日常の業務の時間を裂かれることなく、トラブルを解決にもっていくことが可能となるでしょう。

不動産トラブルを弁護士に依頼するデメリットと対策

弁護士費用
ここまで、不動産トラブルを弁護士に依頼する場合のメリットを様々説明して来ましたが、逆にデメリットは考えられないでしょうか。

弁護士費用に対する不安

最も心配されることは、弁護士費用の面です。弁護士費用は、先述の通り着手金と成功報酬で主に成り立っています。しかし、成功報酬は、トラブルが解決してみないとどれくらいになるか、なかなか見当がつきません。また、不動産トラブルで裁判を起こした場合、相手方、つまり債務者に弁護士費用全額を請求することはできません。よって、裁判で問題は解決したとしても、最終的に弁護士費用を支払うのは依頼者自身であることを念頭に置いておく必要があります。しかし、心配ばかりでは解決に進むことはできません。費用面に関する対策も、色々と考えることができます。

まずは弁護士事務所の無料相談を活用することでしょう。多くの事務所では、初回の相談は無料となっていたり、市町村役場などでは、定期的に弁護士による法的トラブルの相談窓口が開設されたりしています。一カ所だけの弁護士事務所ではなく、複数の事務所に相談して、トラブルに関してどのようなことが気になっているのか、どんな費用がかかるのかなどを細かく質問して、自分の相談内容に最も合った弁護士を選んでいくのが良いでしょう。依頼後でも費用面を相談できる場合が、ほとんどです。その都度、費用がかかってくるのか質問することが重要です。また、債務者に弁護士費用を請求することができませんから、いわゆる悪徳な不動産業者で支払う意思が薄い場合などは、それによって代理人である弁護士の対応も変わっていきます。相手側の事前情報があれば、弁護士に詳しく伝えておくことも対策の一つでしょう。

費用面で心配な場合、公的機関を利用するという方法もあります。それが「法テラス」です。法テラスとは、正式には「日本司法支援センター」と言います。法律に関するトラブルの相談窓口を、国として一本化した機関になります。解決に向けた法的な情報を無料で提供する他、弁護士の紹介なども行っています。法的トラブルを解決したいが、経済的に余裕がなく支払いが難しい場合、法テラスでは弁護士費用の支援なども行っています。具体的には、弁護士費用や裁判所でかかる実費の立替などです。あくまで立替ですので返済は必要なのですが、本来なら委任契約時に支払うべき費用をトラブル解決後に示談金や賠償金から返済することができたり、分割で返済することができたり、相談者に合った返済方法を提案してくれることでしょう。

問題が複雑化する前に弁護士に相談を!

弁護士に相談するなんて少し敷居が高いのでは・・・すぐに裁判になったりするのではないか・・・、そういった心配はほとんどありません。なぜなら、不動産トラブルは、最も身近で誰にでも起こり易い問題の一つであり、その問題の範囲は複雑多岐に渡るからです。しかし、不動産トラブルが起こる前に、未然に問題を防ぐという事前対策として弁護士に相談するというのも、一つの解決方法です。

例えば、遺産相続に関する不動産トラブルの場合、遺産相続が発生する前、つまり生前の対策として遺言書を作成したり、不動産の調査や分割協議を行ったりして、あらかじめトラブルを防いでおくことができます。また、家や土地を売却したり、購入したりする前にも、弁護士への無料相談を利用して起こりうるトラブルを考えておくこともできるでしょう。何となく不安である、法律について知っておきたいなど、やはり専門的な知識を持って臨む方が、のちのちのトラブルを防ぐ何よりの解決方法になります。

また、不動産トラブルが実際に発生してしまった時でも、問題が複雑化・長期化する前に、なるべく早い段階で弁護士に相談することも大切です。弁護士は、問題がこじれて裁判に発展してしまったりする前に、依頼者になるべく負担が少なくてすむように問題を解決しようと動きます。裁判になれば時間も労力かかりますし、問題が難しくなれば弁護士費用も膨らむ一方です。傷がまだ浅く、トラブルの内容がまだ複雑化しないうちに、弁護士に依頼して解決していくのがベストであると言えるでしょう。

まとめ

弁護士にも得意分野があります。不動産トラブルを専門としているかはもちろん依頼を受けているのが個人が多いのか、法人が多いのかなどもチェックするポイントとなります。現在は、インターネットでの検索も便利になりましたし、テレビのコマーシャルでも弁護士事務所を知ることもできます。先ほどの法テラスに相談して、弁護士を紹介してもらうことも可能です。不動産トラブルに強く、自らが抱える問題に一番合った弁護士に依頼することが大切です。

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