【マンション】住み替えで家が売れない原因とは?売れなかったらどうなる?

マンション 住み替え 売れない

マンションの住み替えを進めているものの、今住んでいる物件が売れなかったらどうしようと考えている人は多いのではないでしょうか。

住み替えには元の物件の売却が必要ですが、こちらが想定しているとおりに売却できるとも限りません。そのため、売れなかった場合に発生する事柄や売れない原因について理解しておくことが重要です。

今回は、マンションの住み替えで元の物件が売れない場合に何が起こるのか、売れない原因や対処法について解説します。住み替えを検討している人や、実際に住み替えを進めている人は、最後までチェックしてください。

マンションの住み替えをしたいのに売れなかったらどうなる?

マンションの住み替えを検討している場合、新しく住み替えるマンションの購入と合わせて、現在住んでいる物件を売却するのが一般的です。

しかし、想定しているとおりにマンションが売れないケースもあるため、注意が必要です。

ここでは、マンションを住み替えたいのに、現在住んでいるマンションが売れなかった場合にどうなるのか解説します。なお、マンションの住み替えには、以下の方法があります。

  • 売り先行
  • 買い先行

マンションが売却できない場合、売り先行・買い先行にそれぞれリスクが生じるので、詳しく見ていきましょう。

売り先行におけるリスク

住み替えの際に、元のマンションを売却してから、新しいマンションを購入する方法を「売り先行」といいます。

売り先行でマンションが売却できない場合には、以下のリスクが伴います。

  • 住み替えが進まない
  • 住宅ローンの返済が長引く
  • 売却活動のコストがかかり続ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

住み替えが進まない

売り先行でマンションが売却できない場合、住み替えが進まなくなるというリスクがあります。

現在住んでいるマンションの売却費用が、新しいマンションの購入費用に充てられるためです。

売り先行とは、先に元のマンションを売却してから、住み替えるマンションを購入する手法です。元のマンションの売却資金を新しいマンションの購入資金に充てられるほか、残りの購入資金を調達しやすくなり、マンション購入の資金計画が立てやすいというメリットがあります。

しかし、元のマンションが売れなければ、新しいマンションの購入資金の準備が難しくなるため、いつまでも住み替えが進まなくなってしまいます。

また、購入したい物件を見つけている場合、購入資金が準備できないために誰かに買われてしまい、購入機会を逃してしまうこともあるでしょう。

住まいの立地条件の改善を目的に住み替えを検討していた場合、次に購入したい物件が見つかるかどうか分かりません。そのため、マンションの住み替えがさらに進まなくなる可能性があります。

マンションの住み替えは、立地や間取りの変更など、さまざまな目的があって計画されるものです。しかし、住み替え計画が進まないことが影響して、目的が達成されなくなる恐れもあります。

不動産市場の状況や物件の価値、立地条件によっては、元のマンションが想定通りに売却できない場合もあるため、事前の入念な検討が必要になるでしょう。

住宅ローンの返済が長引く

売り先行でマンションが売却できない場合、住宅ローンの返済が長引いてしまう恐れがあります。

住宅ローンの残債がある場合、マンションが売却できない期間の分だけ、ローンの返済を続けていなければならないためです。

マンションの住み替えにおいて、元のマンションを購入したときの住宅ローン残債が残っている場合、売却益によって残債を一括返済し、残りの金額を住み替え先の資金に充てるのが一般的です。

しかし、マンションの売却が進まなければ、住宅ローンの残債を清算できないため、月々の返済を継続しなければなりません。

また、住宅ローンの返済期間が長引けば、返済する金利の総額が増えるため、長期的な視点では負担が増すことになります。

変動金利制の住宅ローンを利用している場合、マンションが売却できないまま長期金利が上昇すれば、返済総額はさらに増加するため、住み替え先のマンションを購入する資金計画に影響するかもしれません。

そのうえ、新しいマンションを購入する際にも住宅ローンを利用する場合、返済計画が先送りになるため、住宅ローンの返済期間が先送りになる可能性もあります。

新しい住宅ローンの返済期間は、返済者の年齢や職業によって決まります。年齢が上がるほどローン審査が厳しくなる他、定年退職後は収入が減少するのが一般的なため、ローン返済が大きな負担になる恐れがあります。

他にも、マンションでは管理費や修繕積立金の支払いも必要です。

元のマンションが売却できないことで、支払い負担が増大するリスクがあることを理解しておきましょう。

売却活動のコストがかかり続ける

売り先行でマンションが売却できない場合、売却活動のコストがかかり続けるというリスクもあります。

売却活動とは、マンションなどの不動産を売却するための行動です。

不動産売却を依頼する不動産会社が決まった後に売却活動が始まり、主に以下の流れでマンションの売却が進むことになります。

  • 物件情報を公開して購入者を探す
  • 購入を検討する人が見つかったら物件を案内する
  • 購入希望者と交渉して売買契約を交わす

売り先行の場合、元のマンションに住み続けながら売却活動を行わなければなりません。マンションが売れなければ売却活動が長期化し、コストがかかり続けてしまうのです。

売却活動には広告費用や仲介手数料など、さまざまな金銭的コストが発生します。マンションが売却できずに売却活動が長期化すれば、経済的な負担は増大してしまうでしょう。

また、マンションが売却できずに年を越した場合、マンション維持に掛かる税金が発生するため、経費負担が増えることになります。

さらに、購入検討者が内覧を希望した場合に日程を調整したり、内覧日に合わせて部屋をきれいに掃除したり、整理したりしなければなりません。

他にも、売却が決定するまでは不安な日々を過ごすことになります。ちなみに、マンション売却には平均10回の内見が必要ともいわれており、そのたびに準備するのは精神的なストレスにつながることもあるでしょう。

このように、マンションが売却できなければ、売却活動に掛かるコストや精神的な負担が増大することになるのです。

買い先行におけるリスク

住み替えのためにマンションを売却する場合、新しいマンションを購入してから、元のマンションを売却する方法を「買い先行」といいます。

気に入った住み替え先のマンションがある場合、先に購入するため買い逃しを避けられるメリットがあります。

ただし、買い先行の場合でも以下のリスクが伴うことがあります。

  • ダブルローンの負担が掛かる

詳しく解説します。

ダブルローンの負担が掛かる

買い先行でマンションの住み替えをする際に、元のマンションが売却できなかった場合、ダブルローンによる支払い負担が大きくなるため、注意が必要です。

ダブルローンとは、何かを購入するためにローンを組み、返済が完了していない状態で、新しいものを購入するために別のローンを組んでいる状態を指します。

なお、マンションの住み替えの場合に発生する可能性があるのは住宅ローンのダブルローンですが、住宅に限らず車や教育費などでもダブルローンとなることがあります。

買い先行で元のマンションをスムーズに売却できずにダブルローンの状態となった場合、新旧両方の住宅ローンを月々返済しなければならず、返済負担が大きくなりやすいのです。

住宅ローンの返済月額は数万~十数万円になることが多いですが、この支払い金額が二重になるため、返済金額はかなり大きくなります。返済に充てられる貯蓄や収入がない場合、資金繰りが一気に苦しくなることもあるでしょう。

また、ダブルローンの返済に追われるうちに、早くマンションを売却したいという焦りが生まれることもあります。そのため、相場よりも安値での売却を選択してしまい、結果的に損をしてしまうケースもあるため注意しなければなりません。

さらに、ダブルローンが発生しているということは、元のマンションの住宅ローンが完済されていないことになります。

そのため、元のマンションを賃貸に出して家賃収入を得ることもできません。住宅ローンの融資条件として、契約者が居住することが条件となるためです。

買い先行の場合でも、支払い負担が増大する恐れがあるため、マンションの住み替えは慎重に検討しなければなりません。

マンションを住み替えたいのになかなか売れない原因

マンションを住み替えたいのに、元のマンションが売れない場合、以下の原因が考えられます。

  • 相場よりも高いから
  • 築年数が古いから
  • 外観や内観の写真が良くないから
  • 内見の印象が良くないから
  • 立地条件が良くないから
  • 不動産会社の販売力に問題があるから

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相場よりも高いから

マンションの売却が進まない原因として、マンションの希望売却価格が相場よりも高いと考えられます。

マンションの売却希望価格が相場よりも高くなるのは、以下の要因が関係しています。

  • 適切な市場調査が行われていない
  • 不動産市場の状況に合わせて価格を柔軟に変更していない

マンション売却の際に重要になるのが、入念な市場調査です。

不動産市場のトレンドや似たような物件の価格を調査して、現実的な売却価格を設定しなければ、買い手は見つかりにくくなります。

特に、売却したいマンションの周辺や近いエリアにあり、似たような規模・設備・間取りの物件の市場価格は、参考物件かつ競合物件となるため、売却価格を設定するにあたって参考にしなければなりません。

また、オーナーがマンションの状態や価値を過大評価している場合、売却価格が市場価格からかい離するケースがあります。

上記のような事態を避け、適正な売却価格を設定するためにも、不動産市場のトレンドや競合物件の価格の調査が重要になるのです。

マンションの市場価格や売却価格の相場を調べるためには、以下の方法があります。

  • 不動産会社のWebサイトで似た条件のマンション価格を調査する
  • 国土交通省の土地総合情報システムを利用する
  • 不動産売却エージェントから助言を受ける

不動産会社のWebサイトを利用した価格調査は、比較的簡単に行えるため、マンションの売却を検討している場合は必ず行いましょう。不動産系ポータルサイトの中には、過去のデータから不動産売却価格の相場を調査できるため、試してみる価値があるといえます。

また、国土交通省の土地総合情報システムでは、過去の不動産取引に関するデータを四半期ごとに調査できます。

物件のエリアや広さ、築年数、成約価格など、さまざまなデータを閲覧できるため、売却したいマンションに似た取引を調べれば、売却価格の相場を把握できるでしょう。

参考:土地総合情報システム|国土交通省

さらに、不動産売却のエージェントに相談すれば、マンションの売却価格の相場を教えてくれるでしょう。

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マンションをスムーズに売却したいなら、相場に合った売却価格を設定しましょう。

築年数が古いから

売却したいマンションの築年数が古い場合も、マンションの売却が進まない原因となります。

築年数が進んだマンションが売却しにくい理由はいくつかありますが、その1つが資産価値の低下です。

国土交通省が発表している「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」という資料には、住宅の市場価値が経年によって減少することが記載されています。

中古戸建て住宅の価格査定の例

出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状 中古戸建て住宅の価格査定の例(P.11)|国土交通省

上記のグラフより、マンションの市場価値は築年数20年で約60%に、築年数30年で約45%になることが分かります。

また、国土交通省指定公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)が発表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」には、築年帯別中古マンションの平均価格のデータが記載されています。

中古マンションの築年帯別平均価格

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年) 中古マンションの築年帯別平均価格(P.3)|公益財団法人東日本不動産流通機構

上記のグラフから、築年数が古いマンションの平均価格は、どんどん低下していることが分かります。

つまり、築年数が進んだマンションは、安く購入できるものの、資産としての価値はかなり低くなるのです。

さらに、同じ資料には中古マンションの成約率のデータも記載されています。

中古マンションの対新規登録成約率

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年) 中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)(P.3)|公益財団法人東日本不動産流通機構

上記のグラフから、マンションの売買契約の成約率は築年数が進むごとに低下することが分かります。

マンションの購入ニーズにはさまざまな理由がありますが、資産形成として購入したいと考える層からは、築年数が進んだマンションは敬遠される可能性が高いといえるでしょう。

他にも、築年数が経過したマンションを購入する場合、住宅ローンの審査が厳しくなったり、住宅ローンを利用できても住宅ローン控除が利用できなかったりする場合もあります。

また、耐震性への不安や、修繕積立金が高額になることを懸念して、購入が避けられるケースもあります。

マンションの築年数が進んでいる場合、資産価値が低下し、売却するハードルが上がることを理解しておきましょう。

外観や内観の写真が良くないから

不動産会社のサイトに掲載される外観や内観の写真が良くない場合も、マンションの売却が進まないケースがあります。

マンションの購入を検討しているユーザーへの訴求力が低くなるためです。

マンションをはじめとした不動産売却は、不動産会社に依頼して売却活動を行うのが一般的です。

依頼を受けた不動産会社は、マンションの売却を進めるためにさまざまな広告戦略を実施し、自社のWebサイトに販売されるマンションの立地や築年数、間取りなどのデータとともに、マンションの外観や内観の写真を撮影して掲載します。

しかし、外観や内観の写真が上手く取れていない場合や、明るさなどの編集が行われていない場合、物件購入を検討するユーザーが魅力的な物件と感じないため、買主が見つかりにくくなるのです。

また、ユーザーは物件情報を不動産ポータルサイトで探すケースが多くなっています。

不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が物件情報を掲載するサイトのことで、ユーザーは希望に合った物件をまとめて検索・閲覧できます。

有名な不動産ポータルサイトに物件情報が登録されていない場合、売却したいマンションの情報が購入したいユーザーの目に触れなくなってしまうのです。

マンションの購入を検討するユーザーに情報が届いていなかったり、魅力的なアピールができなかったりする場合、マンションの買主を見つけることが難しくなり、売却が進まなくなります。

内見の印象が良くないから

内見の印象が良くない場合も、マンション売却が進みにくくなります。

物件の購入検討者が内見時に以下の印象を持った場合、購入に至らない可能性が高いでしょう。

  • 部屋のにおいや汚れ、カビなどが気になった
  • 部屋が散らかっていて購入後のイメージが湧かなかった
  • 内見時の住人の対応が良くなかった
  • 隣の部屋や上階の部屋の生活音が聞こえるなど防音性が気になった

内見は物件の購入を検討している人へのアピールの場となります。そのため、物件の魅力をしっかり伝えなければなりません。

また、不動産の購入は人生における大きな買い物であることから、内見では購入を考えている人がさまざまな部分をチェックされます。

そのため、マンションを売却したい場合は、内見日に向けてしっかり準備する必要があります。

部屋を片付けるのはもちろん、隅々まで掃除して内見に臨みましょう。また、必要に応じて室内の内装や設備の修繕も行いましょう。修繕されていない箇所があると、内見者はマンションが老朽化しているとの印象を感じたり、不安を持ったりするかもしれません。

そして、内見時の対応が良くない場合も、マンション売却の機会を逃す原因となります。

質問に対してしっかり受け答えができないと、内見者の疑問や不安を払しょくできず、購入がためらわれる恐れがあります。

また、過度にアピールした場合も逆効果になるケースがあるため、注意しなければなりません。

内見の印象はマンション売却における重要な要素となるため、気を付けてください。

立地条件が良くないから

立地条件が良くない場合も、マンションが売れない原因となることがあります。

利便性の低い場所にあるマンションへの需要が低いためです。

マンションを売却する場合、立地条件は重要な要素となります。特に以下の3つのポイントは、売却性に大きく影響するでしょう。

  • マンションへのアクセス性(駅やバス停から遠い)
  • マンションの周辺環境(スーパーや学校、病院が遠い)
  • マンションがあるエリアの将来性(発展する見込みが少ない)

マンションの立地が悪く、駅やバス停などから離れている場合、通勤や通学に不便になります。特に、都市部に勤務先や学校がある家庭の場合、マンションへのアクセス性が良くないことは、大きなデメリットとなるでしょう。

また、マンション周辺の環境は、日常生活に大きく影響します。近くにスーパーやドラッグストア、コンビニエンスストア、病院、学校、公園など、生活に欠かせない施設が少ない場合、不便を感じやすくなります。

さらに、騒音や治安の問題があると立地が悪いと判断されやすいため、マンションが売却しにくくなる恐れがあります。

他にも、マンションが建つエリアの将来性が購入要因となる場合もあります。周辺地域に発展する見込みが少ない場合、投資先としての魅力が低くなるためです。
将来的な値上がりが期待できない場合、そのマンションが購入される可能性は低いといえます。

立地条件が良くないマンションを売却したい場合は、売却価格を柔軟に変更するなど、何らかの工夫が必要になるでしょう。

不動産会社の販売力に問題があるから

マンション売却を依頼している不動産会社の販売力の問題によって、マンションが売れないケースがあります。

不動産会社の力量が足りなければ、売却活動がスムーズに進まないためです。

以下のポイントに該当する場合、不動産会社や担当営業の力量が低いと考えられます。

  • Webサイトに掲載している外観・内観の写真が見にくい
  • 曇りや雨の日に撮影した写真を使っている
  • 新聞の折り込み広告やポスティングのチラシを販売手法の柱にしている
  • インターネット広告への取り組みが低い
  • 少額の値下げの提案など営業手法が場当たり的

いずれも、マンション購入を考えるユーザーへの訴求力が低いといえます。上記のような対応を取られる場合は、不動産会社にその理由を聞いてみてください。

納得を得られるような回答がある場合や、至急改善してもらえるような場合は、そのまま売却を依頼してもいいでしょう。

しかし、満足な回答が得られない場合や、改善が見られない場合は、契約を更新せずに他の不動産会社に売却を依頼し直すほうがいいかもしれません。

大切な資産でもあるマンションの売却を委任する場合は、販売力のある不動産会社を選ぶことが重要です。

マンションを住み替えたいのに売れない場合の対処法

マンションを住み替えたいと思っていても、元のマンションが売れない場合はどうすればいいのでしょうか。

ここでは、マンションが売れない場合の対処法を紹介します。具体的な対処法は以下のとおりです。

  • 販売価格を下げる
  • 簡単なハウスクリーニングを検討する
  • 外観や内観の写真に力を入れる
  • 内覧時の片付けや掃除に力を入れる
  • 不動産会社との媒介契約や不動産会社自体を変更する
  • 建物を解体して土地を売り出す
  • 不動産会社に買い取りを依頼する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

販売価格を下げる

マンションが売却できない場合は、販売価格の見直しを行いましょう。

販売価格を下げることで、購入希望者が見つかる可能性があるためです。

まずは、不動産会社の査定価格の根拠を確認した上で、現状の販売価格が適正かどうかを確認しましょう。

築年数や立地条件など、売却したいマンションと似ている物件を探し、販売価格の相場を調べてみてください。

その際は、国土交通相が提供する不動産取引価格情報検索サービスや、不動産ポータルサイトなどを活用するといいでしょう。

現在の販売価格が相場と離れている場合は、不動産会社と相談して販売価格を設定し直したほうがいいかもしれません。

また、物件の状態が良くない場合でも、条件に合った相応の販売価格なら、購入希望者に出会える可能性があります。

マンション売却による早急な現金化が必要な場合、販売価格の見直しは即効性がある手段といえます。ただし、売却する際の希望価格の最低ラインがあると思いますので、バランスを見ながら慎重に販売価格の設定を行いましょう。

簡単なハウスクリーニングを検討する

マンションがなかなか売れない場合は、ハウスクリーニングの実施を検討するのも1つの手段です。

部屋がきれいになるだけで、内見時の印象が大きく変わることがあるためです。

前述したように、内見時の印象はマンション売却に大きく影響します。特に、部屋の汚れがひどい場合、内見者にいい印象を与えられないため、マンション売却のチャンスを逃してしまうかもしれません。

また、部屋の掃除を頑張っても、素人ではきれいになりきらないケースもあります。当然、日常生活を送りながら内見に対応しなければならないため、掃除のための時間を十分に確保できない場合もあるでしょう。

ハウスクリーニングを業者に依頼すれば、部屋の中はもちろん、水回りなども見違えるほどきれいにできます。また、フローリングにワックスを掛けてもらえば、部屋の印象は一新するでしょう。

ハウスクリーニング費用の大まかな相場は以下の通りです。

  • 1LDK~2LDKのマンション:40,000円~70,000円程度
  • 3LDK以上のマンション:75,000円以上(広さ、家具の多さによる)
  • 水回りのクリーニング:30,000円~50,000円程度

部屋をきれいにすることで、内見者の印象が良くなり、マンション購入後の生活をイメージしやすくなります。

内見者がいるものの、売却までには至っていない場合は、ぜひ試してみてください。

外観や内観の写真に力を入れる

マンションの外観や内観の写真に力を入れるのも、マンションが売れない場合の有効な対処法です。

マンションの売却においては、外観や内観の写真の見栄えが重要になるためです。

マンションの魅力を伝えるためには、写真撮影の工夫が必要です。不動産会社と相談しながら、以下のポイントを意識して写真を撮影しましょう。

  • 真っ直ぐに撮影する(水平度・垂直度を意識して構図を決める)
  • 部屋の隅から撮影して間取りを広く見せる
  • 天気の良い日や日当たりの良い時間帯に撮影する
  • 明るい部屋では露出補正で明るさを調整する
  • マンションのアピールとなる設備が入るように撮影する
  • 必要に応じて写真を加工する

これらを意識するだけで、より良い物件写真を掲載できるようになるでしょう。

また、写真撮影時はできるだけたくさん撮影することが大切です。実際に使用する際にピントが合っていない場合もあります。少しずつ角度を変えながら、1つのポジションで数十枚撮影しておくと、サイトに写真をアップする場合でも安心です。

内覧時の片付けや掃除に力を入れる

マンションが売れない場合の対処法として、内覧時の片付けや掃除に力を入れるのもおすすめです。

内覧した物件の片付けや掃除が行き届いていた場合、内覧者の購入意欲を高められるためです。

内覧した部屋がきれいだった場合、内覧者は以下のように感じる可能性があります。

  • マンションに対する印象が良くなる
  • 部屋を広く感じる
  • 購入後の生活をイメージしやすくなる

上記のいずれもマンションの購入意欲を促進する要因となります。

一方、部屋が散らかっていたり、汚れていたりした場合、マンションへの印象が悪くなるほか、部屋を狭く感じたり、生活のイメージが付きにくくなったりする場合があります。

内覧者の購入意欲を促進するどころか、低下させる要因となるため注意しなければいけません。

不動産会社との媒介契約や不動産会社自体を変更する

マンションが売れない場合は、不動産会社との媒介契約や不動産会社の変更を検討しましょう。

不動産における媒介とは、不動産会社などが不動産の売主と買主の間に立って契約を成立させることをいいます。不動産の売却では、売主が不動産会社と媒介契約を結ぶのが一般的です。

売主と不動産会社が媒介契約を結んだ場合、不動産会社は以下の項目を売主に代行して行います。

  • 売却物件の販売活動(広告など)
  • 売買契約の調整業務
  • 契約書類の作成
  • 重要事項説明
  • 契約から引渡しまでの事務手続き など

また、媒介契約には次の3種類があります。契約の種類とそれぞれの契約内容は次のとおりです。

 
一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
売却を依頼できる不動産会社数 複数社に依頼可能 1社のみ 1社のみ
売主が買主を見つけて直接取引できる 可能 可能 不可能
依頼主への販売活動の報告 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
指定流通機構(レインズ)への登録 義務なし あり あり
契約に向いている状況 周囲に売却の事実を知られたくない 自分で買主を探しつつ不動産会社にも探してもらいたい 売却を急いでいる

一般媒介契約は、売主が複数の不動産会社と契約を締結できるほか、自分で買主を探すこともできます。

また、レインズ(不動産流通機構が運営するシステム)への登録義務がないため、周囲にマンション売却を知られたくない場合は、一般媒介契約が向いています。

さらに、都心にある・駅から近いなど、立地条件が良いマンションの場合、複数の不動産会社と契約できる一般媒介契約を締結していると、より良い条件で売却できる可能性があります。

専任媒介契約は、売主が1社の不動産会社のみと契約を結びますが、売主が買主を探すことも可能です。

基本的に売却活動は不動産会社に任せたいものの、親族や知人に売却の当てがあるなど、自分でも売却活動を行いたい場合におすすめの契約形態といえます。

専属専任媒介契約は、売主が1社の不動産会社と契約します。また、売主が買主を探すことはできません。

売主に対する制約が多いものの、不動産会社が積極的に売却活動を進めてくれるため、早急にマンションを売却したい場合におすすめの契約形態です。

また、自身で買主を探す予定がない場合や、売却活動への知識がない場合も、専属専任契約を選ぶといいでしょう。

このように、不動産会社との媒介契約は、契約内容によって特性が異なります。現状の契約内容でなかなかマンションが売却できない場合や、自分自身の状況に合ってないと感じている場合は、契約内容の変更を検討するといいでしょう。

また、契約内容については問題なくても、不動産会社の販売力や営業力が低いためにマンションが売却できない場合もあります。

そのような場合は、契約内容ではなく、不動産会社の変更を検討しましょう。ただし、契約内容によっては、更新時以外の解約に違約金が発生するケースがあるため、事前に確認が必要です。

また、媒介契約の内容や契約の種類ごとのメリット・デメリットなどを知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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不動産会社に売却を依頼する際は「媒介契約」を結びますが、媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。 それぞれメリット・デメリットが異なり、媒介契約の契約期間は一般的に3ヶ月間なので、自分の目的にあった種類を選ぶことが大切です。 例えば、売れやすい物件であれば一般媒介契約でも買主…

建物を解体して土地を売り出す

現状戸建て住宅に住んでいて、マンションへの住み替えを検討しているなら、戸建住宅をそのまま売却するのではなく、建物を解体して土地を売り出すという方法もあります。

土地として売却すると、購入希望者が現れる可能性があるためです。

建物の築年数が古かったり、老朽化が進んでいたりする場合、設備や内装が古くなっているケースが高いほか、耐震性への懸念から買い手が付きにくくなる恐れがあります。

しかし、建物を解体して住宅ではなく土地として売り出せば、購入ニーズが発生する可能性があります。

特に、駅に近いエリアや大通りに面している場合は、商業施設やテナントビルなどを建てたいと考える不動産会社やディベロッパーも多いため、住宅が建っている場合よりも高い金額での売却も期待できるでしょう。

ただし、建物の解体には費用がかかります。木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建物を解体する場合の費用の相場は以下のとおりです。

  • 木造:1坪あたり2万5,000円~4万円
  • 鉄骨造:1坪あたり3万5,000円~6万円
  • 鉄筋コンクリート造:1坪あたり4万5,000円~8万円

※具体的な金額は建物の規模、立地、解体業者によって異なる

建物を解体して土地として売り出す場合は、ニーズの有無や必要な費用を確認するなど、慎重に話を進めましょう。

不動産会社に買い取りを依頼する

マンションがどうしても売却できない場合は、不動産会社に買い取りを依頼することも検討しましょう。

不動産会社の中には、買い手が付きにくいマンションを買い取ってくれる専門業者があるためです。

マンションを買い取ってもらうメリットは次のとおりです。

  • すぐに売却(=現金化)が可能
  • 契約手続きがスムーズ
  • 契約の責任が軽い
  • 内覧の手間が省略できる など

マンション買い取りの一番のメリットは、すぐにマンションを売却できることです。買主を探す必要がないほか、専門の買い取り業者に依頼した場合、売却手続きがスムーズに進められます。

また、マンションを買い取ってもらう場合、マンションに不備があった場合に責任が発生する「契約不適合責任」が原則免除されるため、売却後に追加費用が発生するリスクを避けられます。

一方、マンションを買い取ってもらう場合、以下のデメリットが発生します。

  • 売却価格が安くなる
  • 悪質な買い取り業者が存在する

マンション買い取りの価格相場は、市場価格の60~80%程度となるため、不動産会社と媒介契約を結ぶ場合と比較して低くなります。

また、買い取り業者に中には、不当に買い取り価格を低く提示するような悪質業者が存在するため、注意が必要です。

適正な価格で買い取ってもらいたい場合は、実績が豊富で信頼できる買い取り業者を探す必要があります。

また、売却価格にこだわりたい場合は買い取りではなく、仲介によって買主を探したほうがいいでしょう。

まとめ

今回はマンションの住み替えで物件が売れない場合に発生することや売れない原因、売れない場合の対処法などを解説しました。

マンションの住み替えで元の物件が売却できない場合、売り先行か買い先行かによって、それぞれリスクが伴います。

また、元のマンションが売却できない場合、いくつかの原因があるため、売れやすくするために対処する必要があるでしょう。

どうしても元の物件の売却が進まない場合は、不動産会社に買い取りを依頼すれば、スムーズに売却が実現します。買い取りを進める場合は、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。

目安となる評価額が把握しやすいほか、買い取り条件の良い不動産会社を選別できるためです。

不動産の一括査定サイトを利用すれば、簡単な情報を入力するだけで、複数の不動産会社が概算査定額を提示してくれます。

気になる場合は、ぜひ不動産一括査定サイトを利用してみてください。

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