一軒家の売却相場はどのくらい?戸建をなるべく高く売る方法について

一軒家 売却相場

一軒家・戸建の売却相場と築年数は、相関関係があります。つまり、築年数が変化すれば売却相場にも大いに影響があると言えます。

その理由は、日本国内の中古市場では未だに築浅志向が根強いからです。日本の不動産市場では中古の家に人気がなく、新築や築浅ほど売れやすい状態が続いています。

では、一軒家・戸建て住宅は築年数により、どの程度売却相場は変わってくるのでしょうか?

目次

築年数ごとの一戸建ての売却相場と下落シミュレーション

ここでは、築年数ごとの一戸建ての売却相場と下落シミュレーションを紹介していきます。

築年数ごとの一戸建ての売却相場

築年数ごとの一戸建ての売却相場は、下記になります。築5年、10年、20年、30年のケースで解説します。

出典:レインズ|築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

築5年の一戸建ての売却相場

まずは、築5年の一戸建ての売却相場です。

グラフから見てもわかるように、築5年以内の一戸建ては最も高く売却できます。2021年での売却相場は4557万円(土地面積112.89㎡、建物面積97.35㎡)です。

なお、築年数経過ごとに売却相場が徐々に右肩下がりであることは、一目瞭然です。つまり、築年数が経過するごとに不動産需要が下がっていくなどの要因があるため、徐々に売却相場も比例して下がっていきます。

築10年の一戸建ての売却相場

次に、築10年の一戸建ての売却相場です。

築10年の売却相場は、4,155万円(土地面積118.13㎡、建物面積98.87㎡)となり、築5年の相場に比べると約10%程度のダウンです。

木造住宅は、築10年を超えると建物価値が半減するのと、そもそも中古の一戸建てを探す人が築10年以内を目安にすることが多いことから、売却がむずかしくなります。建物付きで一戸建ての売却を考えるなら、10年という経過年数が節目となるでしょう。

築20年の一戸建ての売却相場

続いて、築20年の一戸建ての売却相場です。

築20年の売却相場は、3810万円(土地面積137.61㎡、建物面積105.84㎡)になります。一戸建ての法的な耐用年数は22年であるため、建物付きで売却するならラストチャンスと言えます。

築30年の一戸建ての売却相場

最後に、築30年の一戸建ての売却相場です。

築30年の売却相場は、2917万円(土地面積159.59㎡、建物面積116.15㎡)になります。築30年を経過すると建物自体に価値が付くことはほぼなく、土地代のみで売買されるケースが殆どです。

なお、古屋があれば解体費用が掛かるため、さらに売却金額が下がることも珍しくありません

【例】3000万円で買った家の下落シミュレーション

ここでは、新築時3,000万円で買った家が、築年数経過ごとにどの程度下落していくかをシミュレーションしていきます。

出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状『中古住宅の価格査定の例』」

3000万円で買った家の下落シミュレーション
築5年 下落率30% 2100万円
築10年 下落率55% 1350万円
築15年 下落率75% 750万円
築20年 下落率80% 600万円
築25年 下落率90% 300万円
築30年 下落率90% 300万円

木造住宅の場合、築10年で建物価値は新築時の半分になる

木造住宅では、一般的に築10年程度経過すると、建物価値は新築時の半分程度になってしまいます。

これは建物の減価償却という考え方から、法的には資産性が目減りしているとみなされること、木造の場合には築10年を超えると中古住宅としての需要が一気に落ちてしまうからです。

また、10年程度経過すると現実的に外壁や屋根などに傷みが生じることも多くあることから、建物は概ね新築時より半分程度になります。

木造住宅の場合、築20年で建物の価値はほぼなくなる

また、木造住宅では築20年で建物価値はほぼなくなってしまいます。理由は、先述と同様に減価償却の観点と需要的な問題があります。さらに、築20年を超えると内装で言えば水回りの傷みや、室内設備で言えばガス給湯器など生活に欠かせない機器の故障や寿命を迎えます。

よって、現実的に居住するにはリフォームや機器交換の工事が必須になるため、中古住宅として買主に敬遠されることが多くあります。

建物の状態が良ければ築20年超でも価値が付くこともある

築20年で建物の価値がなくなると解説しましたが、建物の状態が良ければ例外的に価値が付くこともあります。例えば、日常的に外壁や屋根、床下などをメンテナンスしていること、内装は綺麗にリフォームされている状態であるなど、建物自体のコンディションが良ければ価値は付きます。

また、一戸建ての資産価値は、建物の構造により下落幅は異なります。例えば、一戸建てであれば稀にRC(鉄筋コンクリート)造りの場合があります。

RCは木造に比べて圧倒的に耐久性が高く、法的な減価償却期間も47年と木造に比べて長くなります。よって、同じ一戸建てでも構造の違いにより下落幅が異なります。

一戸建ての価値に関わる評価ポイント7つ

一戸建ての価値に関わる評価ポイントは、主に下記7つになります。各々について解説していきます。

  • ①立地
  • ②土地の形状
  • ③建物の状態
  • ④人気の住宅地、整備された街並みであるか
  • ⑤近隣に嫌悪施設などがないか
  • ⑥再建築ができる不動産であるか
  • ⑦境界杭はしっかりと残っているか

①立地

一つ目は立地です。不動産はまず立地がどこにあるのかが、全ての価値のベースになってきます

例えば、最も評価が高いのが主要駅徒歩圏です。山手線の駅、東急東横線や中央線など都心部へ直結する路線の駅徒歩圏であれば、評価は高くなります。

また、一戸建ての場合には人気の住宅地に立地し、その付加価値で高評価になることもあります。例えば、田園調布やたまプラーザ、国立や浦和など、碁盤の目のように区画整理された綺麗な街並みであることや、近隣に人気の進学校があるなど文教都市として名高い立地であれば、高評価になります。良くあるのが、人気の小学校の学区内に立地するケースです。

さらに、人気の高い駅であれば徒歩圏でなくても、バスの便が良ければ高評価になるケースがあります。例えば、中央線の吉祥寺や三鷹などです。これらの立地が高評価になる理由は、駅自体に人気があるうえでバスの本数が多いことです。最寄りのバス停から5分おき位にバスが発着するような路線であれば、むしろ徒歩圏の立地より便利なことがあります。

つまり、人気の立地とは、一般的に交通利便性が高いエリアと言えます。また、たとえ駅徒歩圏でなくても、そこを補完するバスの本数が充実していれば、決して利便性を損なうことはありません。よって、このような立地は住宅地としての需要が絶えないことから、高評価となります。

②土地の形状

二つ目は、土地の形状です。

土地は、成形地であるほど高評価で、最も良いのは正方形になります。形が整っている土地が人気の理由は、一般的に建物やカーポートなどの工作物は四角形が多く、整形地であれば土地を余すことなく効率よく配置できるからです。

一方で、歪な土地に四角形の建物を建てようとすると、大抵は土地自体を効率よく使えません。また、土地の形状に合わせて建物を建てようとすると、設計費用が割高となるなど総じて建設費が高くなります。

よって、土地の形状は一般的に建物を建てやすい成形地に人気あります。

③建物の状態

三つ目は、建物の状態です。

建物・外装のメンテナンスをしっかりと行い、コンディションを良好に維持できていれば、高評価となることがあります。一方で、建物が廃屋のような状態であるなど、コンディションが悪い建物は低評価です。

また、内装についても水回りや配管関係、装備されている設備の稼働に問題がなく、快適に過ごせる状態であれば高評価となります。

④人気の住宅地、整備された街並みであるか

四つ目は、先述でも少し触れていますが、人気の住宅地や整備された街並みであるかです。

人気の住宅地とは、そこに居住することでステイタス性が上がること、また近隣に便利な商業施設や趣味を楽しめるレジャー施設など、総じて豊かで快適な生活が送れそうな立地となります。

最近では、再開発や土地区画整理事業などにより、新しく生まれ変わった街も人気が出てきています。東京郊外でいえば新線が開通したつくばエクスプレス沿線の柏の葉キャンパスや流山おおたかの森、武蔵野線の越谷レイクタウン、東急田園都市線の南町田グランベリーモールなど、です。

新しい街は、若い人が流入しやすく新たなコミュニケーションを作りやすい環境であることが多くなります。よって、人気の住宅街や整備された街並みであるかも評価のポイントとなります。

⑤近隣に嫌悪施設などがないか

五つ目は、近隣に嫌悪施設がないか、になります。嫌悪施設と言っても生活に欠かせない施設ばかりなのですが、できれば近くには住みたくないという心理が一般的には強くあります。

該当するのは、ごみ焼却場、送電線や鉄塔、お墓、葬祭場、工場などです。また、道路沿いや線路沿いも排気ガスや騒音があるため、嫌悪施設になることもあります。

例えば、幹線道路沿いの一戸建てであれば、カーポートへの駐車がしにくいことがあります。また、排気ガスなどで洗濯物が干せない、騒音で夜眠れないなど、住むことで懸念点となりそうなことがあれば嫌悪施設とみなされる可能性があります。

よって、このような嫌悪施設と無縁な立地は、評価が高くなります。

⑥.再建築ができる不動産であるか

六つ目は、再建築ができる不動産であるかです。

一戸建てを購入しても将来的に建て替えができない土地であれば、長く居住することはできません。また、再建築不可となれば資産性下落の原因となります。さらに、旗竿地で接道不足の土地であれば、隣地の売買や賃貸ができない限り再建築不可状態を解消できません。

よって、接道義務(幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接道)をしっかりと満たしているかを確認しましょう。接道義務を満たしていれば、近隣相場かそれ以上での取引が可能となります。

⑦境界杭はしっかりと残っているか

最後は、敷地境界に打たれている境界杭が残っているかです。

つまり、隣地との境界が決められており、正しい土地の広さで取引ができるかになります。正しい土地の広さで登記されていれば、評価上は問題ありませんが、土地の広さが不明瞭だと、そもそも土地の評価は正確なものではなくなります。

よってこのようなケースでは、確定測量および登記で境界を明確にする必要があります。売却前に100万円程度費用が掛かることがあるので、予め自己資金の用意が必要です。

自分の一戸建ての売却価格を割り出す方法

一戸建ての売却価格を割り出す方法には、自分で調べる方法と不動産会社の査定を受ける方法があります。各々について、その特徴などを解説していきます。

  • ①自分で調べる・・・手軽だが概算となる
  • ②査定を受ける・・・正確だが不動産会社とのやりとりが必要

①自分で調べる・・・手軽だが概算となる

まずは、自らで売却価格を割り出す方法です。この方法は手軽に調べられる良さはあるものの、大まかな概算になってしまうのが難点です

以下に、自らで調べる方法とその注意点について紹介します。

自分で売却価格を調べる場合の主な方法3つ

以下は、自分で売却価格を調べる代表的な方法3つとなります。各々の特徴などについて解説していきます。

  • A.レインズマーケットインフォメーションを利用する
  • B.土地総合情報システムを利用する
  • C.一括査定サイトのツールを利用する
A.レインズマーケットインフォメーションを利用する

レインズマーケットインフォメーションとは、不動産業に従事する企業や個人事業者が閲覧できる、レインズの情報をもとに作成されているデータベースです。一戸建て、マンション、土地、事業用不動産などジャンル別に過去の取引事例を閲覧できます。

今回売却を考えている不動産に合わせて、物件の種別や住所などを簡単に入力すれば、過去の取引事例の一覧が表示されます。

B.土地総合情報システムを利用する

土地総合情報システムとは、国土交通省監修のもと運営されているサイトです。このサイトは、直近で不動産の取引をした人を無作為で抽出し、アンケートを送付しています。そのアンケートの返信があった人の取引の情報を掲載しています。

土地総合情報システムは、マンションと一戸建ての情報が選べ、住所地を入力していくことで該当の立地周辺の取引事例を確認できます。

C.一括査定サイトのツールを利用する

一括査定サイトのツールとは、一部サイト内にて公開しているおおよその相場感がわかる情報ツールになります。相場を知りたい立地の住所などを入力していくことで、過去の取引事例を元にしたおおよその相場観を確認できます。

また、これらツールでは現在中古として販売されている不動産も確認できるので、今後の販売や売り出し価格の付け方などについて参考にもなります。

自分で売却価格を調べる場合の注意点

先述にて紹介したサイトは、全て無料で使えるものであるため手軽に調査できるのが魅力です。しかし、自分で売却価格を調べるこれら方法には注意点があります。以下に、3つ紹介していきます。

  • A.住所をピンポイントで特定できない
  • B.掲載されている情報が少なく算出が難しい場合もある
  • C.知識がないとそもそも算出が難しい場合もある
A.住所をピンポイントで特定できない

まずは、住所をピンポイントで特定できないことです。

レインズマーケットインフォメーションと土地総合情報システムは、取引事例が掲載されているものの、詳細な住所は伏せられています。よって、ピンポイントでの調査は難しく特定することはできません。調査して算出した金額は、大まかな金額となってしまうことが注意点です。

また、一括査定サイトのツール(※一部サイト内にて公開)も特定の住所についての相場ではないので、あくまで参考程度の数値となることに注意します。

B.掲載されている情報が少なく算出が難しい場合もある

次に、掲載されている情報が少なく、算出が難しい場合があります

こちらは、主に土地総合情報システムが該当します。このサイトは、取引をした人のアンケートの返信を元に作成しているため、全ての取引をカバーしているわけではありません。アンケートを送っても返信しない人もいます。

全ての情報を網羅していないものとなるので、情報自体が少ないことやケースによっては情報に偏りがある可能性が高くなります。よって、これらの事情から算出がしづらいときがあります。

C.知識がないとそもそも算出が難しい場合もある

最後は、そもそも知識がないと算出自体が難しい場合があります

例えば、一般的に不動産の相場は、坪単価と言われる「価格÷坪数」で算出される数字をもとに、相場の善し悪し、高い安いなどを判断しています。つまり、知識がないと単に掲載されている金額だけで高い安いなどを判断してしまい、個別の事情を考慮することができないのです。。

よって、自らで相場観を調査しても、正しい結果を得られない可能性があります。

②査定を受ける・・・正確だが不動産会社とのやりとりが必要

続いて、不動産会社の査定を受ける方法です。

不動産会社の査定は、不動産のプロが周辺の取引事例などを元に算出していくので、正確性が高いのが魅力となります。一方で、査定を受けるには不動産会社毎に依頼の連絡を取る必要があるため、やり取りが少々面倒です。

査定の方法2つ

不動産会社の査定には、2通りの方法があります。各々の査定方法について、紹介していきます。

  • A.机上査定
  • B.実査定
A.机上査定

机上査定は、物件自体の確認はなく、あくまで周辺の取引事例を参考に算出する査定方法です。「取引事例比較法」と言われます。

机上での査定となるので、査定額は参考的な数値とはなりますが、物件自体の居住性や建物自体のコンディションなどに問題なければ、一般的には相場に即した金額となっています。

また、その物件に駅近、整形地、南面角地など付加価値的な要素が望める立地などであれば、+αの査定額アップの可能性があります。なお、不動産会社に媒介契約を依頼するときには、実査定が必要です。

B.実査定

実査定とは、実際の建物を不動産会社の担当者が確認し、査定する方法です。実査定は、予め算出した机上査定を元に算出するのが一般的で、いわば机上査定で算出した金額の確認的な意味合いが強くなります。

実査定で見るのは、主に間取り図や物件概要だけではわからない部分です。日当たりや建物の状態、室内の内装や設備の状況などになります。また、周辺建物との隣接状況や周辺に嫌悪施設がないかなども査定ポイントです。

全ての確認が終わるとその項目ごとに点数化していき、査定額が確定します。なお、売り出し価格は、実査定にて算出した金額をベースに決めていきます。

査定を依頼する際の注意点

査定を依頼する際の注意点は、査定は1社だけでなく複数社にて行うことです。できれば3社程度に依頼するのがおすすめとなります。

複数社に依頼する理由は、1社のみの査定となると査定金額に偏りがあった場合に、相場より逸脱した金額であると結果的に損する可能性があるからです。よって、3社程度に依頼し、査定額の平均値を取ることでおおよその売れそうな金額をイメージできます。

正確性は高いが、有料になる場合もあることに留意

不動産会社が行う査定は、無料であることが一般的です。一方で、不動産鑑定士に不動産の鑑定を依頼すると有料となります

不動産鑑定とは、一般的に売買以外にて客観的な価値を評価してもらうときに行う方法です。例えば、相続などで財産を分けるとき、相続税を申告するときなどになります。

よって、通常の売買であれば不動産鑑定を依頼することはまずありませんが、より正確性を求めるなら不動産鑑定による鑑定を受けるのもよいでしょう。ただし、鑑定料が概ね1件につき20万円程度~掛かるのが注意点になります。

気軽に査定を取ってもらいたい場合は一括査定がおすすめ

査定を気軽に受けたいと思った場合は、一括査定がおすすめとなります。一括査定サイトの利用は完全無料、一回の入力で複数社より査定を受けられるメリットがあります。

まずは、参考程度に今の家の価値を知りたいなら一括査定サイトを受け、その後売却に動くのであれば不動産会社に査定依頼をしていくのがスムーズな流れになります。

一戸建てを相場より少しでも高く売るためのポイント

ここまで、一戸建ての築年数による売却相場やその調査方法について解説してきました。最後は、やはり相場より少しでも高く売る方法を知りたいところです。

ここでは、一戸建てを少しでも高く売るためのポイントについて解説していきます。

  • ①査定は複数社に依頼する
  • ②室内などは綺麗な状態にしておく
  • ③不動産繁忙期を狙って売却する
  • ④周辺に競合となる物件の販売が少ないときに売却する

①査定は複数社に依頼する

一つ目は、査定は複数社に依頼することです。

先述でも触れていますが、査定を複数社に依頼することで売れる金額をイメージしやすくなり、相場観を掴みやすくなります。よって、市場価格を調べ、高値のラインや確実に売れそうなラインなどを見極めることができれば、少しでも高く売れる可能性が上がります。

②室内などは綺麗な状態にしておく

二つ目は、内見があるとき室内などは綺麗な状態にしておくことです。

内見は、購入するか否かを決める大事な場面となります。内見者の印象が良くない限り、商談が前に進むことはありません。よって、印象をよくするには、部屋内の整理整頓、ゴミなどが落ちていないように室内を綺麗に掃除、庭があれば適度に剪定するなど見栄えを整えることが重要となってきます。

また、室内の電気を全て点灯することで部屋の印象がガラッと変わることがあるので、ぜひ実践してみましょう。

③不動産繁忙期を狙って売却する

三つ目は、不動産繁忙期を狙って売却することです。

一般的に不動産繁忙期とは、春先の3月~4月、秋口の10月~11月になります。特に、春先の時期は人の移動が多く、不動産が活発に動く時期となります。よって、このような繁忙期を狙うことで不動産の需要が多くなり、買主間で「購入競争」が起きて高値になる可能性があります。

④周辺に競合となる物件の販売が少ないときに売却する

四つ目は、周辺に競合となる物件の販売が少ないときに売却することです。

競争相手が少なければ検討者をよその物件に取られる可能性が少なくなるため、物件間での競争がなくなり価格を下げる必要性が低減します。よって、周辺に売却物件が少ない状況にて売却活動できるのが理想となります。

まとめ

売却相場と築年数には、相関関係があります。つまり、築年数が浅ければ中古物件の中でも比較的人気が高いので相場は高めに、一方で築年数が経過すればするほど売却相場は下がっていきます。

また、家の価値を調べるには、はじめにレインズマーケットインフォメーションなど無料で閲覧できる情報サイトをチェックし、その次に一括査定サイトの利用、そして最後に不動産会社の査定を受ける、というように順序だてて進めていくのがおすすめです。

徐々にステップアップしていく方法のほうが、相場観や売れる金額のイメージはしやすくなるでしょう。

「一軒家 売却相場/戸建売却 相場」に関してよくある質問

木造の一戸建ては、築年数が経過すると売却相場が右肩下がりとなる理由とは何ですか?

まずは、減価償却により法的に建物自体の価値が下がっていくからです。また、中古住宅の需要としては、築浅物件ほど人気が根強いからになります。築年数が経過した物件は、外壁や内装に傷みがあることが多く、現状のままでは快適な居住性が確保できないことが多くあります。そこでリフォームやリノベーションを施すことになるのですが、これら工事は手間が掛かるなど面倒なことがあります。よって、物件としては買主に敬遠されてしまうケースが多くなります。

築年数を経過すると、木造一戸建てでは新築時よりどの程度下落しますか?

下記に、築年数毎の下落幅を紹介します。
・築5年  ▲30%
・築10年  ▲55%
・築15年  ▲75%
・築20年  ▲80%
・築25年  ▲90%
・築30年  ▲90%

木造一戸建てでは、築10年を超えると価値は新築時より半分に、築20年を超えると90%の下落となり、価値は新築時の1/10程度になってしまいます。なお、建物の構造、外装や内装などのコンディションなどの要素により、下落幅を緩和できることもあります。

一戸建ての価値は、どのようなポイントで評価されるのでしょうか?

以下に紹介する項目が、一戸建ての評価ポイントになります。
・立地
・土地の形状
・建物の状態
・人気の住宅地、整備された街並みであるか
・近隣に嫌悪施設などがないか
・再建築ができる不動産であるか
・境界杭はしっかりと残っているか

このなかで最も重要な項目は立地です。立地はその不動産の価値を決めるベースになるものとなり、立地が良ければ一戸建て自体の評価も高くなります。

自分で一戸建ての価値を算出するには、どのような方法がありますか?

自分で一戸建ての価値を算出するには、自分で調べる方法と不動産会社に依頼する方法があります。
自分で調べる方法は、下記3つです。
・レインズマーケットインフォメーションを利用する
・土地総合情報システムを利用する
・一括査定サイトのツールを利用する
不動産会社への依頼とは、主に街の不動産屋さんなどになります。また、どの不動産会社に依頼して良いのかわからない場合には、一括査定サイトを利用し査定を受けつつ、売却できる不動産会社を知るのも良いでしょう。

一戸建てを相場より少しでも高く売却できる方法はありますか?

一戸建てを相場より少しでも高く売却できる方法は、下記4つになります。
・査定は複数社に依頼する
・室内などは綺麗な状態にしておく
・不動産繁忙期を狙って売却する
・周辺に競合となる物件の販売が少ないときに売却する

最終更新日:
不動産売却の専門家が、あなたの疑問に回答します!プロだけがお答えする信頼性の高い掲示板です。不動産お悩み相談所。質問はこちら。