家を売って住み替える方法とは?高く売るコツや注意点を解説

家を売って住み替える

家を売って住み替えようとしたとき、やるべきことが多くてなにをすればよいか迷ってしまう人は少なくありません。

知識がないまま行動を起こしても、後悔の残る住み替えになる可能性が大きいでしょう。

家の売却と住み替えを成功させるためには、事前の準備が大切です。全体の流れを把握して、売買契約や引っ越しをいつおこなうか、タイミングをしっかり検討しましょう。

また、今住んでいる家をなるべく高く売ることも重要です。家が高く売れれば、新居のグレードを上げたり、住み替え後の生活資金に充てるといったことが可能になります。

家を高く売るためには、複数の不動産会社を比較するのが確実かつ簡単な対策です。一括査定を使えば手軽に優良業者を比較できるので、ぜひ活用してみましょう。

目次

家を売って住み替えるときは「売り先行」か「買い先行」か最初に決めよう

住み替えに伴う家の売却では、先に今の家を売る「売り先行」か、新居の購入を優先する「買い先行」か、最初に決める必要があります。

単純な問題のようにも思えますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらを選ぶべきかで計画の立て方も変わります。住み替えで後悔しないためにも、適切な方法を選ぶことが大切です。

双方にどのような違いがあるのか解説していくので、自分の状況に照らし合わせてどちらにするか決めましょう。

売り先行のメリット・デメリット

売り先行の流れを大まかにまとめると、次のようになります。

  1. 今住んでいる家を査定して売り出す
  2. 今住んでいる家の売買契約の締結
  3. 新居(もしくは仮住まいの物件)探し
  4. 新居の売買契約(もしくは賃貸借契約)の締結
  5. 引っ越し、家の引き渡し、売却代金の受け取り

ポイントは新居を見つける前に今の家を売ることです。売却代金がいくらになるか把握したうえで新しい家を探せるので、資金計画の見通しが良くなります。

一方、今住んでいる家の引き渡しと、新居への引っ越しを同時におこなうため、やるべきことが短期間に集中してしまいます。

これらが具体的にどのようなメリット・デメリットとなるのか、詳しく見ていきましょう。

メリット1.売却益を住み替え費用に充てられる

売り先行の最大のメリットは、今の家を売って得た利益を、新居の購入や引っ越しに充てられることです。つまり、手元の資金が少なくても新居を購入できるという利点があります。

家を買うのであれば、どのような状況であれ手元の資金は多いほうが有利です。例えば、現金一括で買うなら売却代金からそのまま支払えます。

また、ローンを組む場合も頭金にすることで借入上限額を上げたり、返済負担を軽減したりすることが可能です。

金銭的にゆとりをもって住み替えられるので、資金面での悩みが少なく済むでしょう。

メリット2.時間をかけて売却活動をおこなえる

売り先行の2つ目のメリットは、家の売却に時間をかけられることです。売却に期限がないので、じっくり腰を据えて売却活動に取り組めます。

先に新居を買ってしまうと、今の家を早く売ろうと焦ってしまい、相場より安く売ってしまうケースが多々あります。また、「引っ越しまでに売らなければ」と考え、ストレスを抱えてしまうかもしれません。

売り先行ならこれらの不安がなく、いつ、だれに売るのかを自分でコントロールできます。買主を選別することもできますし、価格交渉も有利に進められるでしょう。

売り先行なら、価格に妥協したくない人も納得のいく売却が可能です。

デメリット1.売却から引っ越しまでが慌ただしくなる

売り先行におけるデメリットの1つは、売却してから引っ越しまでに時間の猶予がないことです。家が売れれば引き渡し日も決まるので、それまでに引っ越しを済ます必要があります。

物件の引き渡し日は売主・買主双方の同意で決めますが、基本的には売買契約の締結から1~3ヶ月後であるパターンが一般的です。引き渡し日の約束を守れない場合、契約違反として違約金を請求される恐れがあります。

引き渡しまでに新居を探し、引っ越しの手配まで進める必要があるため、時間的な余裕はなくなります。売却活動と並行して新居を探していても、短期間にやるべきことが集中して慌ただしくなるでしょう。

対策としては、仮住まいとして賃貸物件に引っ越し、売却手続きが落ち着いてから新居を探すという方法があります。ただし、引っ越しが2度手間になり、費用も余分にかかってしまう点には注意が必要です。

また、買主に相談し、引き渡し期間にゆとりを持たせられないか話し合ってみるのもよいでしょう。同意を得られれば、引き渡し日を半年以上先にすることも可能です。

デメリット2.査定額と売却額のズレで資金計画が崩れるかもしれない

売り先行2つ目のデメリットは、査定額と売却額にズレが生じるかもしれない点です。不動産会社の査定はあくまで「これくらいなら売れるであろう」という予測であることに注意が必要となります。

実際の売却価格は買主との価格交渉を経て決まるため、査定額から10~20%ほど下がることも珍しくありません。そのため、査定額を鵜呑みにして資金計画を立てると、計画に狂いがでる恐れがあります。

査定してもらって時点で資金計画を立てる場合、売却額は少し低めに見積もり、価格にズレがあっても対応できるようにしておきましょう。

買い先行のメリット・デメリット

買い先行の大まかな流れは、次のようになります。

  1. 新居探し
  2. 購入・引っ越し
  3. 前の家を査定・売出し
  4. 売買契約の締結
  5. 家の引き渡し、売却代金の受け取り

先に住み替えをおこなうことで新居探しや引っ越しに時間をかけられるので、納得のいく住み替えができるでしょう。

一方、売却益を取得できるのが後の方になるため、自己資金が少ないと支払いが苦しくなるかもしれません。

それぞれがどのようなメリット・デメリットとなるのか、具体的に解説していきます。

メリット1.余裕を持って新居を探せる

買い先行の1つ目のメリットは、時間をかけて新居を探せる点です。今の家を売るのは後回しにできるので、納得のいく新居が見つかるまで住み続けることができます。

家探しで理想通りの物件を見つけるのには時間がかかるので、現状の生活環境を維持したまま新居探しができるのは大きなアドバンテージです。

買い先行なら妥協のない新居選びができるので、住み替え後に後悔するような事態を避けられるでしょう。

メリット2.引っ越し時期をコントロールしやすい

2つ目のメリットは、引っ越し時期のコントロールがしやすい点です。買い先行で先に新居を見つけておけば、いつでも好きなときに引っ越しできます。

仕事やプライベートが落ち着くまで引っ越しを延期することもできますし、休日に自分で少しずつ荷物を移動して、引越し費用を節約してもよいでしょう。

売り先行のような慌ただしさはなく、マイペースに住み替えを進めることが可能です。

デメリット1.資金計画を立てにくい

買い先行における1つ目のデメリットは、資金計画が立てにくい点です。今の家が最終的にいくらで売れるかわからないので、先々の予定を立てにくくなります。

住宅ローンを組むとしても、手元の資金や年収に余裕がないと審査に落ちる可能性があります。理想の新居を見つけても、自己資金の少なさによって諦めざるを得ないかもしれません。

また、引っ越しや新居の家具・家電購入にも費用がかかるため、それらの支払いが苦しくなることも考えられます。住み替えが原因で経済的に破綻しないよう、注意が必要です。

家の売却価格が安くても対応できるよう自己資金を十分に貯めて、ローンの借入額も最低限に抑えておきましょう。

デメリット2.家が売れない恐れがある

2つ目のデメリットは、売り出した家がいつまで経っても売れないリスクがあることです。家の売却期間はおおむね3ヶ月程度とされますが、半年、1年間と売れないケースも少なくありません。

家の売却は、経済動向や近隣の不動産供給数など外的要因の影響を受けるため、物件自体に問題がなくても売れない場合があり得ます。

家が売れないと空き家状態で残り続けることになり、維持費や税金の出費が発生してしまいます。さらに、万が一火災や倒壊事故があると、所有者責任を問われるかもしれません。

家が中々売れない場合は、短期間で物件を買い取ってもらえる「買取業者」に相談するのもよいでしょう。相場価格より安くなる可能性はありますが、早ければ数日で現金化が可能です。

売り先行・買い先行を決めるときの判断ポイント

売り先行と買い先行、それぞれのメリット・デメリットを紹介しましたが、「結局どちらを選べばいいかわからない」という人も多いでしょう。

細かい状況にもよりますが、簡潔に判断ポイントをあげると次のようになります。

  • 「資金に余裕がない」「ローンの返済中」という人は売り先行
  • 「資金に余裕がある」「新居にこだわりたい」という人は買い先行

どちらを選ぶべきか迷ったときは、これらの判断ポイントを基準にしてみるとよいでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

売り先行は「資金に余裕がない」「ローンの返済中」という人におすすめ

売り先行は住み替え前に売却益を得られるというメリットがあるため、自己資金が少ない人におすすめの方法です。

また、住宅ローンを返済中の家を売る場合も、売却価格で残債を返せるかどうかが重要となるので、売り先行で住み替えを進めましょう。

なお、売り先行をスムーズに進めるためには、なるべく高値でスピーディーに家を売ることが大切です。一括査定を使って複数の不動産会社を比較し、売却条件の良い優良業者を探してみましょう。

買い先行は「資金に余裕がある」「新居にこだわりたい」という人におすすめ

買い先行はマイペースに住み替えを進められる点が大きなメリットなので、新居選びを徹底的にこだわりたい人にはおすすめです。

金銭面のやりくりは大変ですが、理想の住み替えを実現しやすい方法でもあるので、資金の問題がなければぜひ検討してみましょう。

なお、買い先行もある程度の資金計画を立てたほうが後々楽なので、査定は受けておくべきです。無料査定は今すぐ売らない場合も受けられるので、気軽に申し込んでみましょう。

スムーズに住み替えるには「高く家を売ること」が重要

売り先行・買い先行のどちらも、スムーズな住み替えをおこなうためには今の家を高く売ることが大切です。

家がどれだけ高く売れるかで新居の購入予算が決まりますし、余剰資金があれば家具・家電をグレードアップしたり、新居を自分好みにリフォームするといったこともできます。

ここでは、家を高く売るコツとして次の3つを紹介します。

  • 一括査定を利用する
  • 清掃やホームステージングで内見対策をする
  • 少し高めの価格で売り出す

いずれも簡単にできる方法なので、ぜひ参考にしてみましょう。

家を高く売るコツ1.一括査定を利用する

家を高く売るための最大のコツは、優秀かつ物件と相性の良い不動産会社を見つけることです。

不動産会社は各社で培ってきたノウハウが異なるため、得意な地域や物件タイプも違いがあります。同じ物件を取り扱っても、不動産会社によって価格が数百万円変わるというケースが珍しくないのです。

そのため、1社の査定だけで依頼先を決めるのではなく、複数社の査定を見比べることが重要となります。そこで活用したいのが「一括査定サイト」です。

一括査定サイトを使えばまとめて複数社に査定を申し込めるため、手間なく不動産会社を比較できます。また、サイトの運営側で提携する不動産会社を厳選しているので、優良業者が揃っているのも大きなメリットです。

家を高く売るコツ2.清掃やホームステージングで内見対策をする

家の売却では、基本的に買主による「内見」がおこなわれます。物件を直接見て物件を確認する大事なステップであり、内見時の印象が成約を左右するといっても過言ではありません。

内見で買主の印象をよくするためには、まず清掃を徹底することが大切です。不用品は処分し、玄関や水回りなど目に付きやすいところはきれいにしておきましょう。

また、内見時の印象をアップさせる方法として、ホームステージングというサービスもあります。室内をモデルルームのようにコーディネートし、物件の魅力を引き出すというものです。

清掃やホームステージングで内見対策をおこなえば、高めの価格設定をしても成約する確率を上げられます。築古物件など、一般的には売却がむずかしいような家はとくに検討してみましょう。

家を高く売るコツ3.少し高めの価格で売り出す

家の売買では価格交渉をおこなうのが一般的で、買主から値下げを請求されるケースは多々あります。そのため、価格交渉に備えて少し高めに売り出しておきましょう。

相場価格や売却希望価格より高値に売り出しておくことで価格交渉に対応しやすくなります。「値下げした」という過程を挟むことで買主の印象が良くなり、成約しやすくなるのです。

ただし、あまりにも相場と離れすぎていると購入申し込みがこない場合もあるので、上乗せするのは10~20%程度に抑えておきましょう。

なお、価格相場は一括査定を利用すれば把握できます。各社の査定額を平均すれば、売却が可能な価格を具体的に調べることが可能です。

家を売って住み替えるときの注意点

家を売って住み替えるときは、様々な事前準備や手続きが必要です。とくに重要な注意点として、次にあげるものは覚えておきましょう

  • ダブルローンは経済的な負担が重い
  • 家の売却には「ローンの完済と抵当権の抹消」が必要
  • 住み替え・売却それぞれの費用を事前確認することが大事
  • 家が売れた翌年は確定申告を忘れずにおこなう

各注意点をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

ダブルローンは経済的な負担が重い

買い先行の場合、今の家に残っている住宅ローンと、新居の購入に使う住宅ローンを二重で組む「ダブルローン」状態になることがあります。

2つのローンを同時に返済することになるため、単純計算で負担は2倍となります。「すぐに家が売れれば問題ない」と無茶な返済プランを立てると、想定以上に時間がかかって経済的に破綻するかもしれません。

自己資金や月々の収入を考慮し、ゆとりのある返済プランになるよう事前にしっかりシミュレーションしておきましょう。

家の売却には「ローンの完済と抵当権の抹消」が必要

住宅ローンの残っている家を売る場合、売却に合わせてすべて返済し、抵当権を抹消しなければいけません。

抵当権の抹消ができない物件は滅多に買主がつかず、売却はほぼ不可能です。また、ローンを完済せず、金融機関に黙って家を売った場合、規約違反となり一括請求や差し押さえに発展する恐れがあります。

「いつ売却代金が支払われるのか」「住宅ローンをどのタイミングで清算するか」など事前に打ち合わせることが多いので、家の売却・住み替えをする際はまず金融機関に相談しましょう。

ローンを完済できないときの対処法

売却益や自己資金を充てても住宅ローンを返せない場合、対処法としては「住み替えローン」を使うとよいでしょう。

住み替えローンは、新居の購入費用に加えて今の家に残っている住宅ローンの返済分も借りられるローンです。現状だとローンを完済できない人も、住み替えることが可能です。

ただし、住み替えローンは一般的な住宅ローンより金利が高いため、今までより返済負担が増えてしまいます。また、審査基準も厳しくなるため、経済状況によっては利用できない場合もあります。

自分の経済状況を冷静に分析し、ダブルローンの返済がむずかしいようであれば無理に住み替えをしないほうがよいでしょう。

住み替え・売却それぞれの費用を事前確認することが大事

住み替えも家の売却も、それぞれに様々な費用がかかります。支払いのタイミングも異なるため、いつ、どれくらいのお金が必要なのか、しっかり確認しておきましょう。

大切なのはキャッシュフロー(お金の流れ)で、売却益がいつ入ってくるのか、支出があるときにどれくらいの資金が手元にあるのか、把握することが肝心です。

「必要なときに手元のお金が足りない」という事態にならないよう、全体の資金計画を立てていきましょう。

売却にかかる費用

一連の支出をまとめて考えるのはむずかしいため、「家の売却」と「住み替え」に分けてみましょう。

まずは、家の売却にかかる費用を見ていきます。

費用項目 支払いタイミングの例
必要書類の取得費(住民票など) それぞれの取得時
仲介手数料 物件の引き渡し時
※成約時に半額ほど支払う場合もある
印紙税
(売買契約書などに貼付する印紙代)
物件の引き渡し時
登記費用
(所有権移転登記など)
譲渡所得税 翌年の確定申告
住民税 翌年分に加算

基本的には物件の引き渡し時に支払うものが多く、売却代金から差し引かれる場合もあります。

ただし、譲渡所得税や住民税は納めるまでに期間が空くため、手元に資金を残しておくよう注意しましょう。

住み替えにかかる費用

次に、住み替えにかかる費用を見ていきます。

費用項目 支払いタイミングの例
必要書類の取得費(住民票など) それぞれの取得時
新居の購入費 物件の引き渡し時
※先に手付金として数百万円支払う場合もある
仲介手数料 物件の引き渡し時
印紙税
(売買契約書などに貼付する印紙代)
登記費用
(所有権移転登記など)
固定資産税の清算費
引っ越し費 引っ越し時
不動産取得税 不動産取得の3ヶ月~半年
※自治体から納税通知書が送付される

住宅ローンを組む場合、融資は物件引き渡し日におこなわれるのが一般的です。融資後、購入代金の振込と物件引き渡し(鍵や権利証の譲渡)を同時におこないます。

融資までにまとまった費用が発生する場合、自己資金でまかなうか、融資決定まで短期契約で借り入れる「つなぎ融資」を利用します。

家が売れた翌年は確定申告を忘れずにおこなう

家を売却したときは、翌年2月中旬~3月中旬に確定申告をおこないます。申告漏れは延滞税などのペナルティがあるので、忘れないよう注意しましょう。

確定申告では、家の売却で得た利益に対して譲渡所得税と住民税が課されます。住民税は他の所得と合わせて課税されますが、譲渡所得税は申告時に納税が必要です。

家の売却から住み替えまでの流れ

ここからは、家を売って住み替えるまでの手順を、時系列に沿って詳しく見ていきましょう。

売却方法は次のように、売り先行を基準に解説していきます。

  1. 今住んでいる家を査定して売り出す
  2. 今住んでいる家の売買契約の締結
  3. 新居探し、購入
  4. 引っ越し・物件引き渡し

それぞれのステップで重要なポイントや注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.今住んでいる家を査定して売り出す

まずは、今住んでいる家の査定をおこないます。査定額は資金計画を立てる際の目安にもなるので、なるべく多くのデータが必要です。

先にも紹介した一括査定を使って、複数社の査定を集めましょう。それぞれの査定額を平均すれば相場価格を把握できますし、不自然に高値もしくは安値を提示する悪質業者を見抜けます。

査定を通して信頼できる不動産会社を見つけたら、家の売却を依頼します。仲介の場合、不動産会社と「媒介契約」を締結しますが、3種類の契約方式があるので覚えておきましょう。

媒介契約 メリット デメリット
一般媒介契約 ・同時に複数の不動産会社へ依頼できる
・自分で買主を見つけても良い
・不動産会社にレインズへの登録や状況報告の義務なし
専任媒介契約 ・不動産会社は7日以内にレインズへ登録する義務がある
・2週間に一度以上、必ず状況報告がある
・自分で買主を見つけても良い
・1社にしか仲介を依頼できない
専属専任媒介契約 ・不動産会社は5日以内にレインズへ登録する義務がある
・1週間に一度以上、必ず状況報告がある
・1社にしか仲介を依頼できない
・自分で買主を見つけるのは不可

基本的には、「一般媒介」より「専任媒介」や「専属専任媒介」のほうがしっかり売却活動をおこなってもらえます。

依頼を受けた不動産会社は、インターネットやチラシ、看板などで広告を出し、買主を募集します。掲載されている画像や文章をチェックし、不満点があれば売主側から指摘することも可能です。

なお、買取なら業者と直接売買契約を結ぶため、売却活動が不要となりすぐ現金化できます。ただし、相場より20~50%ほど安くなるため、価格よりスピードを優先したいときに使うのがおすすめです。

2.今住んでいる家の売買契約を締結する

売却活動を通して購入希望者が見つかれば、売買契約を結びます。契約書の読み合わせをおこない、署名・捺印をすることで売買契約は成立します。

契約が成立すると、原則として契約内容の変更ができないので、疑問点などは読み合わせ時までにしっかり解消しておきましょう。

成約時に手付金として売買価格の10%程度を受け取るのが一般的です。また、仲介手数料を半分だけ支払う場合もあります。

3.新居探し・購入

売り先行の場合、売却活動と並行して新居探しも進めておきましょう。いくつかの物件に目星を付けておけば、家が売れてからスムーズに購入申し込みを出せます。

家が売れる前にどうしても欲しい物件が見つかった場合、買い先行に切り替えるのも選択肢の1つです。また、購入予約ができないか売主に相談してみる方法もあります。

購入する物件を決めたら、今度は自分が買主として売買契約を結びます。家を売るときと同じ様に、契約内容をしっかり確認したうえで契約書の署名・捺印をおこないましょう。

4.引っ越し・物件引き渡し

最後は引っ越しをおこない、空き家の状態で引き渡せるようにしておきます。新居に入れる日が遅れる場合は、仮住まい(賃貸物件やマンスリーマンションなど)を用意しなければいけません。

引っ越し業者の予約は、引っ越し日のおおむね1~3ヶ月前には依頼します。とくに繁忙期となる3月ごろは、予約を取りにくくなるので早めに連絡しましょう。

物件の引き渡しは、売主・買主や不動産会社の担当者などが金融機関に集まっておこなうのが一般的です。買主の代金決済を確認したあと、鍵や権利証を渡せば完了となります。

【住み替えの理由別】後悔しないためのポイント

ひとくちに「家を売って住み替える」といっても、その理由は人によって様々です。家族構成の変化に合わせて検討している人もいれば、老後の準備として考えている人もいるでしょう。

住み替えの理由によっては、家の売却や新居の購入にこだわらず、ほかの選択肢を検討すべき場合もあります。

ここからは、家の売却や住み替えで後悔しないよう、住み替えの理由別にほかの選択肢を紹介していきます。重要なのは自分にとってなにが一番大切なのか考えることなので、ほかの選択肢も参考までに押さえておきましょう。

「出産・子供の進学」なら新居は賃貸物件も検討

出産や子供の進学など、子供に関連して住み替えを考えている場合、新居は賃貸物件も視野に入れるとよいでしょう。

子供の年齢や成長によって「家に求められる条件」は変わりますが、賃貸物件にしておけば状況に合わせて柔軟に住み替えることが可能です。

その時々で必要な条件を満たす家に移動すれば、常に生活の質を保つことができます。「どうしても持ち家が欲しい」というわけでなければ、気軽に引っ越せる賃貸物件も検討してみましょう。

「転勤など一時的な転居」なら家を貸し出すのも選択肢の1つ

転勤などやむを得ない理由で一時的に遠方へ引っ越す場合、家を売らずに貸し出すのも選択肢の1つです。入居者がいれば安定した副収入となります。

賃貸借契約を結ぶときは、将来的に自分が戻ってこられるように期間を定めておくようにしましょう。期限の定めがないと、入居者に退去してもらえないケースがありえます。

また、住宅ローンが残っている場合、不動産投資用のローンに切り替える必要があります。無断で貸し出すと規約違反となるので、まずは金融機関へ相談しましょう。

「老後の準備」ならリースバックもおすすめ

老後資金の捻出や、相続に備えた生前整理の場合、住み替えせずにリースバックを利用する方法もあります。

リースバックとは、今住んでいる家を売却したあと賃貸借契約を結び、家賃を支払ってそのまま住み続ける方法です。

住み替えをしないため新居の購入費や引っ越し費用も発生せず、売却益でまとまった現金が手に入ります。所有者としての管理責任がなくなるため、固定資産税や維持費の負担も不要です。

ただし、リースバックで「定期借家契約」を結んでいると、数年で退去を強制される恐れがあります。

安定して住み続けたいのであれば、「普通借家契約」のリースバックを利用しましょう。普通借家契約にも期間はありますが、借主が希望すれば従前の条件で更新が可能です。

まとめ

家の売却と住み替えを同時におこなうには、やるべきことやお金の流れを時系列に沿って把握し、入念に準備することが大切です。

とくに、新居の購入費用として家の売却代金をあてにする場合、なるべく高く売ることが重要となるので、一括査定を使うなどして相性のよい不動産会社を見つけましょう。

今の家を最大限の高値で売却できれば、後悔のない住み替えが可能です。より良い生活環境を手に入れるために、できる範囲で高く売る工夫をしてみましょう。

家の売却と住み替えについてよくある質問

家を売って住み替える場合、なにから始めればよいですか?

まずは「売り先行」と「買い先行」のどちらで進めるか決めましょう。売り先行は家の売却を優先する方法、買い先行は新居の購入を優先する方法で、それぞれメリット・デメリットがあります。

売り先行のメリット・デメリットはなんですか?

メリットは、売却益を住み替え費用に充てられることや、時間をかけて売却活動をおこなえることがあげられます。一方、売却から引っ越しまでが慌ただしくなることや、査定額と売却額のズレで資金計画が崩れるかもしれない点は、デメリットといえるでしょう。

買い先行のメリット・デメリットはなんですか?

メリットは、余裕を持って新居を探せることや、引っ越し時期をコントロールしやすいことです。デメリットは、資金計画を立てにくいことや、家が売れない恐れがあることです。

住宅ローンが残っていても住み替えは可能ですか?

家の売却益や自己資金で残債を返済できるなら、問題なく住み替えは可能です。もしくは、新居の購入費用と残債の返済資金を同時に借りる「住み替えローン」を利用する方法もあります。

最終更新日:
不動産売却の専門家が、あなたの疑問に回答します!プロだけがお答えする信頼性の高い掲示板です。不動産お悩み相談所。質問はこちら。