土地売却時の注意点とは?重要ポイントを流れに沿って解説します

土地売却 注意点

土地売却では、幾つかの注意点があります。その注意点を予め知っていることで、スムーズな売却が可能となります

土地売却は、基本不動産会社任せであるように思えますが、そうではありません。その土地が一体どのような土地であるのかなどの現況把握、土地の広さが正確であるのかを、自らで把握することが必要です。

この記事では、土地売却の注意点を売却前・売却するとき(売却時)・売却後に分けて解説していきます。

土地売却の注意点を理解し、実際の売却活動に役立てていきましょう。

目次

土地売却前に注意すべきこと5つ

はじめに、土地売却前に注意すべきポイントになります。代表的な5つの注意点を挙げ、解説していきます。

  • ①現況の把握をする
  • ②土地の広さが正確に登記されているかを確認する
  • ③再建築が可能な土地かを確認しておく
  • ④土地に住宅ローンが残っていないかを確認する
  • ⑤土地売却前にかかる初期費用を確認・準備する

①現況の把握をする

一つ目は、現況の土地について把握していきます。予め把握しておきたいことは、主に下記3つになります。

  • A.所有者は誰かを確認する
  • B.地中埋設物がないかを確認する
  • C.地歴の確認をしておく

A.所有者は誰かを確認する

まずは、土地の所有者が誰かを確認します

土地を売却するには、その土地の所有者が売却に同意する必要があります。所有者が本人のみであれば、本人のみの意思となりますが、相続などで複数が相続人となっているケースでは、所有者全員に売却の同意を貰います。

なお、所有者が不明の場合には、登記簿謄本を確認すると現在の土地の所有者が確認できます。但し、記載されている所有者が既に亡くなっており、相続登記をしていない状態であると所有者探しに難航するケースもあります。

B.地中埋設物がないかを確認する

次に、地中埋設物がないかを確認することです。

地中埋設物とは、土地に岩石や石、従前建物建設時に出た建築廃材(コンクリート片や木材の端切れなど)などになります。これらは、新たな建物建設時に障害になることがあり、地中埋設物を取り除く工事が必要です。

これにより、工期の長期化や費用負担増が起こり得ます。また、買主は土地を購入したらすぐに建物が建築できると考えており、地中埋設物があることで、契約不適合責任を追及される可能性があります

契約不適合責任では、引き渡した不動産が契約内容に適合していないと各種の責任を負うことになります。

地中埋設物を例にすると、

  • 地中埋設物を除去する「修補」
  • 資産価値の減少分を請求する「代金減額請求」
  • 工事の費用負担分や精神的に負った損害分を請求する「損害賠償」
  • 購入した目的を果たせない(入居が不可能)場合の「契約解除」

といったことを買主から請求されるかもしれません。

契約不適合責任とは

契約不適合責任とは、2018年の民法改正時にこれまでの瑕疵担保責任に代わるものとして、施行された法律です。瑕疵担保責任では売主の責任は隠れた瑕疵、つまり壁のなかや床下など売買契約までに売主が善意無過失状態で気づかなかった不具合のみが対象でした。

しかし、契約不適合責任では、隠れた瑕疵や故意・善意無過失を問わず、契約と適合していない場合に異議を言えるようになりました。この制度改正により、買主保護の考え方が強まり売主の責任が増した形になっています。

なお、買主は引き渡しから2年間契約不適合責任を追及でき、状況により修補・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除ができる権利を有しています。

C.地歴の確認をしておく

最後に、地歴の確認をしておきます

その土地が、これまでどのような変遷を経て、今に至るのかを調査します。地歴の確認では、昔の住宅地図や航空写真などを活用しています。

例えば、古い時代から住宅地として使われた土地であれば、土地は問題ないように思えます。一方で、その土地が以前は田んぼや畑で使われていたとしたら、その後埋め立てが行われているため地盤が弱い可能性があります。

また、以前近隣に大きな工場があった場合には、地下水を介して土壌汚染の可能性が考えられます。よって、地歴を確認することで地盤調査や土壌汚染の調査を行うきっかけとなります。

なお、地歴ではないのですが、その土地のハザードマップも確認しておいた方が良いでしょう。ハザードマップとは、自治体が作成する「災害の危険性が高いエリアマップ」です。

具体的には、次のようなものがあります。

  • 河川近くの「洪水ハザードマップ」
  • 海近くの「高潮ハザードマップ」
  • 崖地近くの「土砂災害警戒マップ」

また、地震については活断層が近くにあるか、土地自体が台地上か低地であるかなどの地形等も把握しておきましょう。

②土地の広さが正確に登記されているかを確認する

二つ目は、土地の広さが正確に登記されているかを確認します

土地売買において価格は「土地の広さ×単価」で決定していきます。土地の広さが正確でないと売買時に一方が「得」、一方が「損」という状態となり、引き渡し後にトラブルになります。

よって、土地取引には、正確な土地の広さが必要です。

売却前に測量が必要になる

測量は、売却前に行います。よって、測量に掛かる費用は自己資金で負担しなければなりません。また、測量は確定測量のみであれば測量士、境界確定や登記が必要な場合は、土地家屋調査士になります。

測量を行う主なケースは、土地の広さが不明なとき、隣地境界が決まっていないとき、正確な土地の広さが登記されていないとき、都心部など地価が高いエリアで土地取引する場合です。

隣地と土地境界が決まっていない場合には、境界確定が必要

なお、隣地と土地境界が決まっていない場合には、境界確定をおこないます。境界確定とは、隣地所有者との話し合いの上、土地の境界を決めていく手続きです。

古い年代の住宅地の場合、境界を示した資料の紛失や土地に境界杭の設置がないことで、土地境界自体がどこであるのかが長年曖昧になっているケースが多々あります。

このようなときに境界確定をおこなえば、正確な土地の広さを登記して引き渡し後のトラブルを防ぐことが可能です。

③再建築が可能な土地かを確認しておく

三つ目は、再建築が可能な土地かを確認しておくことです。

建物は、どんな土地でも建てられるわけではありません。建物を新たに建てるには、接道義務が必要です。

接道義務を満たしていないと、売却する土地で再建築ができなくなってしまいます。

建物を建てるのは、接道義務が必要

接道義務とは、その土地が幅員4mの公道若しくは私道に2m以上接道することになります。よって、接道する道路が4m未満の場合、新たに建物を建築するには幅員4mを確保できるように、敷地側にセットバックする必要があります。

また、接道が2m未満の場合には、接道2m以上となるように隣地の買収などを行い、接道を確保していきます。なお、セットバックや隣地の買収などをできない土地の場合には、接道義務を果たしていないので、今の建物を壊してしまうと新たに建物を建築できません。

ちなみに街中には、河川に蓋を被せ暗渠となっている単なる通路、農道や堤防道路など、一見道路に見えても建築基準法上では道路ではないケースもあります。土地を売却する場合には、接道義務を果たせる建築基準法上の道路であるのかも確認しておきましょう。

再建築不可であれば、土地価格は大幅に下がる

再建築不可であれば、土地活用が一気に難しくなるので、あまり需要がありません。よって、土地価格は現況のままだと大幅に下がります。再建築不可を解消できる隣地の買収やセットバックができれば、相場並みの売却は可能となります。

よって、土地の所有に家計上問題がなければ、急いで売却することなく隣地が買収できるまで所有し続けてもよいでしょう。

④土地に住宅ローンが残っていないかを確認する

四つ目は、土地に住宅ローンが残っていないかです。

仮に何かしらの原因でローンが残っていれば、売却し引き渡しする前までに完済する必要があります。完済が必須な理由は、抵当権を抹消しなければならないからです。

抵当権とは何か?

抵当権とは、住宅ローン実行時に附帯される権利です。住宅ローンの滞納が起きた場合に、金融機関は「期限の利益の喪失」により分割での支払いを停止し一括での返済を求めます。当然に債務者本人は一括返済ができる訳もなく、保証会社が代位弁済します。

その後、保証会社が競売に向けて動き出す一連の流れが抵当権の実行となります。万が一、抵当権が附帯されたまま引き渡しを行うと、元の所有者がローン滞納を行うことで競売となってしまいます。

つまり、買主としてはデメリットでしかないので、通常抵当権は抹消した状態で土地を引き渡すことが重要なのです。

⑤土地売却前にかかる初期費用を確認・準備する

五つ目は、土地売却前には多額の初期費用が掛かることです。

例えば、解体費用は建物の構造や規模感にもよりますが、おおよそ100万円~200万円掛かります。また、地歴の調査では10万円~20万円、地中埋設物の調査にも10万円程度です。さらに、地歴調査の後に地盤改良工事や地中埋設物の除去工事が発生した場合には、追加で費用が掛かります。

よって、売却前には多額の初期費用が掛かり、これらを一時的に自己資金で賄う必要があります。預貯金から出すのが一番ですが、不足するようであれば借り入れをおこなうのも選択肢の1つとなります。

ただし、ローンを組む場合は無理のない範囲で借りるのが鉄則です。売却して現金が入るまで1年以上かかるケースもあるので、まずはしっかりと収支をシミュレーションしましょう。

初期費用の負担が難しい場合には、初期費用の負担がない不動産買取もおすすめです。仲介で売るより価格は下がりますが、売主の費用負担なく短期間で現金化できます。

土地売却するときに注意すべきこと3つ

続いて、土地を売却するときに注意すべきポイントになります。下記に、代表的な注意事項を3つ解説します。

  • ①仲介手数料が掛かる
  • ②大幅な値引き要求される可能性がある
  • ③売却が進展しない可能性がある

①仲介手数料が掛かる

まずは、仲介手数料が掛かることです。

仲介手数料とは、売却を依頼した不動産会社に支払う金銭で、土地取引が成功した場合に支払う成功報酬となります。仲介手数料は一般的に下記にて算出できます。

【成約価格400万円超の場合の速算式】
仲介手数料=(成約価格×3%+6万円)×1.1(消費税)

例えば、成約価格3000万円の場合の仲介手数料はは次のように計算します。

(3000万円×3%+6万円)×1.1=1,056,000円

なお、上記速算式で算出した金額は、宅建業法で定められた最大値となります。殆どの不動産会社が最大値に設定していますが、稀に3%の部分を2%や1.5%などに割引している不動産会社もあります。

②大幅な値引き要求される可能性がある

続いて、大幅な値引き要求される可能性があることです。

不動産売却時の販売価格は、値引きありきで少々高めにつけているケースは少なくありません。よって、買主もそのことを熟知しているケースが多く、大幅な値引き要求されることがあります。

このような値引き要求があった場合には、不動産会社と相談し対応を決めていきます。買主に対し0回答か若しくは100%受けるだけではなく折衷案を提示するなど、相場や周辺の販売状況、売主の売却へのスピード感など、各々を勘案し決めていくことが必要です。

つまり、常に状況を把握し冷静に対処することを心掛け、大幅な値引き要求を安易に受けないように注意します。

③売却が進展しない可能性がある

最後に、不動産仲介での売却となると立地条件や土地の形状次第では、売却が進展しない可能性があります

このような事態に陥ってしまったときには、そのまま放置せずに対処法を検討しておきます。以下は、土地売却が進展しない場合の主な対処法です。

土地売却が進展しない場合の対処方法

以下に、土地売却が進展しない場合の代表的な方法を3つ紹介します。

  • A.不動産会社を変える
  • B.売却価格を見直す
  • C.買取を検討する
A.不動産会社を変える

まずは、不動産会社を変えることです。

不動産仲介において、売却が進展するかは物件自体の魅力も大事になりますが、不動産会社の実力も重要となります。

不動産会社の実力とは、周辺の相場観を掴んでいること、土地の売却ノウハウや経験が豊富、買主との交渉能力に長けているなどです。このように、売却がスムーズ且つ成功するには、不動産会社の力量次第となります。

よって、集客が乏しい、見学者が多いのに成約にならない、売却活動に積極的でないなど、状況を変えたい場合には不動産会社の変更がおすすめです。

B.売却価格を見直す

続いて、売却価格の見直しです。

売却価格は、当初はチャレンジ価格と称し、査定額よりも高値で出すことが多くあります。しかし、売却が進まなければ査定額(相場並みの価格)に下げることが必然となり、更に売却が進まなければ売却価格の見直しとなります。

このとき売却が進まない理由を究明し、売れる金額に下げることがおすすめです。なお、価格以外に売却が進まない要因としては、周辺に競合となる土地物件がたくさんあること、土地の形状が悪い若しくは狭小地など物件として需要が少ないことになります。

つまり、不動産としての競争が激しいため売れないのか、土地自体の流通性が低いことで売れないかのどちらかの要因になるでしょう。

C.買取を検討する

最後に、買取の検討となります

買取とは、買取専門の不動産会社が買主となり売買を進める方法です。買取は、どうしても売却が難しい場合の最終手段と考えておきましょう。

買取では、複数の買取専門の不動産会社に査定を出し、一番高値で査定を出したところと売買契約を締結するのが一般的です。買取のメリットは、買取業者が決まれば必ず売れる、売却活動をする必要がない、現金化が早い、などになります。

一方でデメリットは、相場より60%~70%程度での売却価格になることです。買取金額が安くなる理由は、買取業者は買取った土地に収益不動産の建設などを行い売却するため、事業性を確保するためのコスト分を差し引くためです。

また、売れない土地を買うので、買取業者にはリスクがあります。よって、そのリスク軽減のため、安価での買取となります。

土地売却後に注意すべきこと

ここまで、売却前、売却するときの注意点を紹介しました。ここでは、売却後に注意すべき点について解説します。

売却後に注意すべきポイントは、売却益が出た場合に限ります。つまり、購入当時の価格より現在の売値が上回った場合です。

土地売買で売却益が出る要因は、主に地価が上がったことになります。現在、関東や関西など人口が多い地域では、軒並み地価が高騰に転じています。購入した年代が古ければ古いほど、地価高騰の影響により売却益が出やすい状況となっています。

売却益が出た場合に所得税と住民税が掛かる

売却益が出た場合には、所得税と住民税が掛かります。なお、その税率は所有期間により異なります

所有期間5年以下の短期譲渡所得では、所得税30.63%、住民税9%となり、あわせて税率は39.63%です。また、5年超の長期譲渡所得になると税率は軽減され、所得税15.315%、住民税5%となり、あわせて20.315%となります。

次に、所有期間が10年超となるとさらに税率は軽減され、課税譲渡所得6000万円以下の部分は14.21%(所得税10.21%、住民税4%)、6000万円超の部分は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となります。

よって、売却益が出ると所有期間に応じて税金が掛かるのが注意点となります。

古家付きの土地の場合の注意点

土地売却では更地の場合と、古家がある土地の場合があります。ここでは、古家があるパターンで土地売却するときの注意点を4つ解説します。

  • ①古家付きだと流通性が低い
  • ②土地の状態が確認しづらい
  • ③契約不適合責任を追及されやすい
  • ④特定空き家に指定されると固定資産税の減免措置がなくなる

①古家付きだと流通性が低い

一つ目は、古家付きだと不動産の流通性が低いことです。

古家付きの土地は、購入後に更地にする為の解体工事があります。解体工事は工事業者の手配や多額の費用負担などがあり、面倒です。よって、不動産として買主に敬遠される傾向があり、流通性は低いものになります。

②土地の状態が確認しづらい

二つ目は、土地の状態を確認しづらいということです。

古屋があることで、更地に比べると土地自体の状態を把握しづらく、管理が行き届いていなければ雑草などが生い茂り、余計に確認が困難となります。また、古家があることで建物を新たに建てるイメージがしづらく、買主の検討が進みづらいこともあります。

③契約不適合責任を追及されやすい

三つ目は、契約不適合責任を追及されやすいことです。

古屋自体は建物として価値や住むことはできない状態であるので、契約不適合責任はありません。問題は土地です。古屋があることで、土地の状態を売主も把握しにくくなります。

例えば、地中埋設物の調査は、古家があるところの調査は不可能です。このような個所から引き渡し後に、大きな岩や建築廃材など新たな建物建築に支障をきたすようなものが掘り出されると、契約不適合責任を追及される可能性があります。

つまり、売主は土地の全容を把握できないまま、売買を行います。よって、上記のように引き渡し後に契約不適合責任を追及される可能性が高まります。

④特定空き家に指定されると固定資産税の減免措置がなくなる

古屋付きの土地は、特定空き家に指定されると固定資産税の減免措置がなくなることがあります。これにより、固定資産税は元の税額となり減免措置解除後は、約6倍に税額が跳ね上がるので要注意です。

相続した土地を売却する際の注意点

土地を売却するシチュエーションとしては、相続した土地の売却もあります。ここでは、相続した土地を売却するときの注意点を解説します。

  • ①売却には相続人全員の同意が必要
  • ②相続税の支払いに充てるには相続開始から10か月以内の売却が必須

①売却には相続人全員の同意が必要

まず、売却には相続人全員の同意が必要となります。相続人が一人の場合は、本人のみの意思で売買は自由にできますが、複数人いる場合に誰か一人でも反対すると売却はできません。

また、売却するには土地の所有者である必要があるため、売却前に必ず相続登記を済ませておきます。

②相続税の支払いに充てるには相続開始から10か月以内の納付が必須

次に、相続税の支払いに土地の売却代金を充てる場合には、相続開始から10か月以内の納付となります。よって、売却が難航するケースでは相場より安価に設定し、売り急ぐ必要があります。

土地売却の流れを紹介

ここまでの土地売却時の注意点を踏まえて、土地売却の流れを紹介していきます。大まかに分けると11ステップあるので、詳細を一つずつ解説していきます。

  1. 一括査定サイトを利用し周辺相場を把握する
  2. 購入当時の資料を集める
  3. 机上査定を受ける
  4. 不動産会社を選定し、実査定を受ける
  5. 媒介契約を結ぶ
  6. 売却準備を行う
  7. 売却活動開始する
  8. 買主と商談・交渉・申込
  9. 売買契約を交わす
  10. 引き渡しに向けた準備を行う
  11. 引渡しを行い、仲介手数料を支払う

①一括査定サイトを利用し周辺相場を把握する

まずは、一括査定サイトを利用し周辺の相場観を掴んでいきます。一括査定サイトには、おおよその地域を入力することで相場観が分かるツールがあります。誰でも簡単に使えるので、相場観を掴む初歩として利用してみるのが良いでしょう。

また他にも、レインズマーケットインフォメーション、国土交通省監修の土地総合情報システム、公示地価でも調査は可能です。全て無料で使えるツールとなるので、複数活用してみましょう。

②購入当時の資料を集める

次に、購入当時の資料を集めます。購入金額などがわかる売買契約書、土地測量図や境界確定書など土地に関する資料になります。また、古家付きとなるので念のため建物に関する資料もあると良いでしょう。

なお、購入した年代が比較的新しければこれら資料は残っていることが多いのですが、古い建物の場合には既に紛失している可能性が高くなります。なお、確定測量図が登記されていれば、法務局での取得は可能です。

③机上査定を受ける

机上査定は、一括査定サイトを利用します

一括査定サイトでは、住所や建物名などを入力することで、複数社から査定を取得できます。このときの査定は、周辺の売却事例を元に算出する「売却事例比較法」を用いています。

よって、机上査定を受けることで、当該物件の相場観を掴むことができます。また、実際に売却依頼ができる不動産会社もわかり、一石二鳥です。

④不動産会社を選定し、実査定を受ける

机上査定を受けたなかから不動産会社を選定し、実査定を受けます。実査定は、不動産会社の担当者が実際に建物や住戸内を確認し、専有部分の状態や日当たりや眺望など、机上ではわからない部分を確認し査定額を算出します。

なお、このときの査定は机上査定の金額をベースに行われます。よって、よほど物件の状態が悪いことや周辺環境が悪いなどのマイナス要素がなければ、机上査定通りの金額になることが殆どです。

つまり、机上査定額で算出した金額の確認的な意味合いが実査定となります。

⑤媒介契約を結ぶ

実査定の金額や売却完了までのストーリー、売却時に受けられるサービスなどに納得できたら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約がありますが、一般的に不動産会社が好むのは専属専任媒介契約です。

専属専任媒介契約は、物件が売却できれば必ず不動産会社に仲介手数料が入ります。また、買主も紹介できれば仲介手数料の二重取りも可能となるので、不動産会社としては最も手数料が稼げる契約形態となります。

さらに、不動産会社は手数料収入を見込めるので広告などへ積極的に先行投資でき、集客力が上がります。集客が上がることで早期売却且つ高値売却を追求できる可能性もあることから、媒介契約は専属専任媒介契約が一旦おすすめとなります。

なお、土地売却の経験値がある人は、売却についての流れやコツなどのノウハウがあるので一般媒介契約でも問題ありません。

⑥売却準備を行う

媒介契約を結べば、次は売却準備です。HPやフリーペーパーなどへの掲載準備やレインズへの登録となります。ここまでは、不動産会社が行います。

売主が行うことは、土地の調査や更地にするのであれば解体工事、土地の広さが未登記であれば測量になります。また、既に更地であれば雑草の除去など、綺麗な状態にしておき買主の印象を少しでも良くする努力をします。

⑦売却活動開始する

売却準備が終わり、広告などの掲載が始まったら売却活動開始です。

買主からの問い合わせや、見学アポイントの取得を不動産会社が行います。また、見学当日には不動産会社が土地の状態や具体的な引渡し時期などを案内します。

⑧買主と商談・交渉・申込

買主が土地に興味を持てば、具体的な商談となります。なお、買主より価格交渉が入れば、予め売主と決めておいた内容にて担当者が交渉を行い、商談を纏めていきます。最終的に買主が納得すれば、申し込みです。

⑨売買契約を交わす

申し込みの次は、売買契約です。売買契約前には、予め決めておいた手付金を売主に振り込みます。また、売主は調査した範囲内にて売買契約前に土地の状況など詳細を買主に伝えます。

⑩引き渡しに向けた準備を行う

売買契約が完了すれば、引き渡しに向けた準備を行います。具体的には、固定資産税の精算です。売主は、役所に固定資産税の評価証明書を取得し、その年分の引渡し日以降の予め負担している固定資産税分を買主と精算します。

⑪引渡しを行い、仲介手数料を支払う

最後に、土地の引渡しです。手付金以外の最終金の振り込みを確認できたら、所有権の移転登記を行います。また、仲介手数料を不動産会社に支払い、全ての手続きは完了です。

まとめ

土地売却では、売却前、売却しているとき、売却後に各々注意点があります。特に注意すべき点は、売却前には多額の初期費用が掛かることや、売却後に課税譲渡所得がある場合には税金が掛かることです。

つまり、売却した資金がそのまま手元に残るわけではない、ということになります。

また、契約不適合にも十分注意が必要です。多額の費用負担はありますが、地歴確認や地中埋設物の調査など、土地の状態をしっかりと確認したうえで売買を行うようにしましょう。

「土地売却注意点」に関してよくある質問

土地売却を始める前にはどのような注意点があるのか?

以下に、土地売却を始める前の注意点を紹介します。
①現況の把握をする
②土地の広さが正確に登記されているかを確認する
③再建築が可能な土地かを確認しておく
④土地に住宅ローンは残っていないかを確認する
⑤土地売却前には多額の初期費用が掛かる

土地の現況の調査には、地歴や地中埋設物の調査があります。また、土地売却で価格は「土地の広さ×単価」であるため、正確な土地の広さが必要です。さらに、土地売却でこれら調査や解体工事するには多額の初期費用の負担があります。
よって、土地を売却するには手間や費用負担などがあることを予め周知しておきます。

土地を売却するときには、どのような注意点があるのか?

以下に、土地を売却するときの注意点について紹介します。
①仲介手数料が掛かる
②大幅な値引き要求される可能性がある
③売却が進展しない可能性がある

売却するときに注意すべき点は、売却が成功すれば仲介手数料が掛かることです。また、販売状況により買主より大幅な値引き要求があることや、売却ができないときもあります。土地売却では、不動産会社の担当者とよく相談し、周辺の販売状況や市況、問い合わせの数などを勘案し、最適な方法を冷静に見極めていく必要があります。

土地売却が進展しない場合には、どのような対処法があるのか?

土地売却が進展しないときには、以下の対処法があります。
・不動産会社を変える
・売却価格を見直す
・買取を検討する

このなかで買取は、不動産会社を変えたり売却価格を見直しても進展がないときの最終手段です。買取は売却価格が相場より60%~70%と安価になるデメリットがありますが、買取業者が買主となるので売却活動なしに売れること、現金化が早いなどのメリットがあります。

土地売却後には、どのような注意点があるのか?

土地売却後に注意すべき点は、税金です。これは売却益が出た場合に限ります。
購入当時の金額より売却金額が上回った場合には、所有期間により所得税と住民税が掛かります。税率等は本編にて紹介しています。

古屋付きの土地を売却するときの注意点とは何か?

以下に、古家付きの土地を売却するときの注意点を紹介します。
・古家付きだと流通性が低い
・土地の状態が確認しづらい
・契約不適合責任を追及されやすい
・特定空き家に指定されると固定資産税の減免措置はなくなる
このなかで最も注意すべき点は、流通性が低いことです。古家付きの土地は購入後に解体工事などで手間が掛かるため、人気がなく売却しにくい傾向があります。他、契約不適合も追及されやすいので、売却には注意が必要です。

最終更新日:
不動産売却の専門家が、あなたの疑問に回答します!プロだけがお答えする信頼性の高い掲示板です。不動産お悩み相談所。質問はこちら。