自宅はいくらで売れる?マンションや戸建ての価格査定のポイントとは?

マンション売却

2020年の東京オリンピックやアベノミクスによる超低金利政策など、不動産をめぐる経済情勢はここ数年で有利な方向に動いている印象があります。そんな中、自宅などの不動産を所有している人の中には「今売ったら、高く売れるのでは」と思って、価格査定を検討している人もいることでしょう。

そこで今回は、マンションや戸建ての価格査定において、査定に影響するポイントや高く売るための方法などについて解説したいと思います。

価格査定でチェックされる3つのポイント

査定ポイント
不動産会社に価格査定を依頼した場合、さまざまな点をチェックして査定しますが、その中でも価格に直接影響するポイントについて解説していきたいと思います。

1.築年数

不動産の価格を査定する上で、最も基本となる要素が「築年数」です。不動産会社は、物件の細かな情報がわからなくても、築年数だけわかれば、その建物の現在の状態を予想することができます。

日本の場合、ほとんどの物件は新築時をピークとして、古くなるにつれて徐々に価格が下降していくため、できる限り新しい方がより高い査定となる可能性があります。

築年数の目安は法定耐用年数

築年数が古くなると査定価格が下降する理由は、単に物件自体が劣化して古くなったからという理由だけではなく、それと同じくらい影響を与えるのが、買主側の「住宅ローン事情」です。というのも、買主が不動産を購入する場合、多くのケースで「住宅ローン」を利用するのですが、築年数が古くなってくると、35年ローンなどの長期間の融資が受けにくくなるのです。

鉄筋コンクリート(RC)造であれば47年、鉄骨造34年、木造22年という法定耐用年数が定められており、法定耐用年数を完全に経過した物件や、ローン返済中に経過する物件については、買主が銀行からの融資を受けにくくなります。

「買主が融資を受けにくい物件=売れにくい物件」ということになり、結果として不動産価格を下げて購入しやすくする必要があるため、査定額が低くなる傾向にあるのです。

2.構造

先ほどの法定耐用年数の部分でも触れましたが、築年数と同様に重要なのが、建物の「構造」です。例えば、鉄筋コンクリート47年と木造22年では、法定耐用年数が2倍以上も違います。よって、同じ築年数20年の物件でも、鉄筋コンクリートであればまだ27年も余裕がありますが、木造となるとあと2年で法定耐用年数が経過してしまうため、非常に売れにくくなるのです。

このように、築年数と構造は常にセットで考えることがとても重要であるといえるでしょう。

構造ごとの価格について

価格相場を構造ごとに比較すると、同じ条件の物件であれば、鉄筋コンクリートが最も高額になりやすく、木造が最も低くなりやすいという傾向があります。

特に最近では次の理由から、鉄筋コンクリートを好む人が増えているため、価格査定においても、鉄筋コンクリート造は有利です。

耐震基準を気にする人の増加

東日本大震災や熊本地震などの影響で、地震に対するリスクを重く考える人が増えています。そのため、構造上最も耐震性能が高いと考えられる、鉄筋コンクリート造の建物については、比較的売れやすい傾向があります。

一方で、新耐震基準となる前の1981年以前に作られた木造物件については、非常に評価が低くなり、ものによっては土地値以下の査定額しか出ないこともあるようです。今後も地震リスクについては高まっていく可能性が考えられますので、この点についてはよく理解しておきましょう

3.間取り

不動産の個性でもあり、査定額を大きく左右するのが「間取り」です。部屋探しをしたことがある人であれば、不動産会社で間取り図面を見たことがあるかと思いますが、間取りによって需要が大きく異なってくるため、査定をする物件の間取りにどのような特徴があるのか、事前によく把握しておくことが大切です。

こんな間取りは査定額が下がる

間取りには人によって好みがあるため、一概には言えませんが、次のような間取りについては査定額が下がる傾向があります。

ワンルーム物件の場合:バスとトイレが一緒

ワンルーム物件の場合、査定価格に大きく影響するのが、バスとトイレの配置です。

最近の物件であれば、多くの場合でバスとトイレはセパレートになっているのが一般的ですが、中古物件の中にはバスとトイレが一緒になっている、「3点式ユニットバス」を採用しているケースがあります。特に、床面積が20㎥以下のワンルームの場合は、スペースの問題で、ほとんどのケースでバスとトイレが一緒の間取りになっているでしょう。ただ、ワンルーム物件の主要ユーザーである若い世代の人の多くは、3点式ユニットバスを見たことがないケースも多く、間取りとして非常に人気が低いと言わざるを得ません。

そのため、査定価格についても、バスとトイレがセパレートの間取りに比べ、低くなると覚えておきましょう。

ファミリー物件の場合:リビングが狭い

ファミリー物件で価格査定に大きく影響するのが、家の中心でもあるリビングの広さです。リビングが狭いと、子育て世代の購入者も敬遠しがちになるため、価格査定に影響があります。

間取り図面上では、10帖以上あれば広くは見えますが、実際に家具などを配置すると10帖でもギリギリです。ご自宅のリビングが10帖以下の場合は、査定価格が相場よりも低くなる可能性を考慮しましょう。

間取り自体よりも構造がポイント

賃貸物件を探す場合については、現状の間取りそのものがとても重要になりますが、売買の場合は間取りそのものよりも、間取りに対する構造の方が重要になるケースもあります。というのも、中古物件の買主は、購入後のリフォームも折込済みで物件を探しているケースが多いのです。そのため、例え間取りが気に入らなくても、その他の要素が希望に合致していれば、購入に踏み切る可能性があるため、査定価格についてもそこまで悪い影響はありません。

ただし、間取りについてはどの物件も買主が自由にリフォームできるわけではありません。これには、次の2つの問題に注意が必要です。

主要構造部分の確認

例えば、リビングが狭い物件の場合、隣の寝室の壁を取り払って、リビングと一体化させるケースがよくあります。ただし、この際寝室の壁部分が、建物の構造上主要な部分である場合については、取り払ってリビングと一体化させるリフォームはできません。

このように、構造上の問題で間取りのリフォームに制限がかかる物件については、価格査定においてマイナス要素となるでしょう。

管理規約上の問題

マンションの場合、大規模なリフォームをする場合については管理組合の許可が必要になります。また、管理規約上で間取りの変更などが禁止されている場合については、リフォームができません。

管理規約については、物件購入時に管理会社から渡されているはずですので、一度確認してみるとよいでしょう。

査定価格がアップするポイントとは?

査定価格
不動産の価格査定において、戸建てやマンションに影響を与えるポイントについて解説してきました。では、価格査定においてどのような要素が査定額のアップに繋がるのでしょうか

日当たり良好物件は査定も有利

建物自体の日当たり具合については、住環境に大きな影響を与えることから、査定額にも影響を与えます。一般的には「南向きがよい」とされていますが、必ずしもそれだけとは言い切れません。確かに南向きは日当たりがよくなる傾向にありますが、大切なことはベランダや窓の方角ではなく、実際の日当たり具合です。例え南向きの物件だったとしても、目の前にビルやマンションが建っていてまったく日が入らないようであれば、南向きだとしてもプラスにはなりません。

実際の日当たり具合については、価格査定する不動産会社に伝わりにくいため、できれば写真などを撮影して不動産会社の担当者に見せたほうがよいでしょう。

主要設備の交換時期

物件は築年数に応じて劣化していくため、価格査定においても非常に重要であるとお話しましたが、築年数が古くても査定額をアップさせられる要素があります。それは主要設備の交換時期です。

居住用物件の場合、給湯器やエアコン、システムキッチンといった主要設備については、おおむね10年程度で故障などの不具合が発生しはじめる傾向があります。そのため、築10年以上経過している物件を売却する場合については、これらの主要設備の交換時期が価格査定を左右するポイントになってくるのです。

もしも、これらの設備をすでに交換している場合については、こちらから言わないと査定価格に反映されないため、不動産会社の担当に交換時期について必ず伝えましょう。

物件の近くにあるとよい3つの施設とは?

ここまでは、価格査定に影響を与える物件自体の要素について解説してきましたが、物件以外の周辺環境も価格査定に影響を与えます。では、物件の近くにあることで査定額がアップしやすい施設とは、具体的にどんな施設なのでしょうか。

1.駅

東京都の物件に特にいえるのが、駅までの距離です。電車が主要な交通手段となっている都内においては、駅までの距離は査定価格を大きく左右する要素になります。

ワンルーム物件で駅まで遠くて10分、ファミリー物件で駅まで遠くて15分程度が目安であり、それ以上離れる場合については、価格査定においてマイナス要因となるでしょう。実際、買主が住宅ローンを組む場合についても、駅から遠い物件については、担保価値が出にくいため、ローン審査が通りにくくなる傾向もあります。

2.コンビニ

今やコンビニは生活になくてはならない存在となりつつあります。そのため、コンビニが近いとよい、というよりは、近くにコンビニがないとマイナス要因と捉えたほうがよいでしょう。

最近では、人手不足により都内でも東京都下については、バイトが確保できず閉店を余儀なくされるケースも多いようですので、最新の情報を確認しておきましょう。

3.スーパー

食料品や生活用品などを購入できるスーパーが近くにあると、生活がしやすくなるため、査定価格にもプラスに影響します。特にファミリー物件の場合は、重要な要素になるといえるでしょう。

マイナス要因となる周辺環境について

周辺環境については、先ほどのように価格査定に対してプラスになるケースもあれば、マイナスになるケースもあります。ここでは、周辺にあるとマイナス要因になり得る要素について解説します。

幹線道路沿い

物件自体が幹線道路に面している場合については、車の騒音や排気ガスの影響を受けるため、査定価格がマイナスになる可能性があります。そのほかにも、線路沿いや踏切沿いの物件についても同様のことがいえるでしょう。

風俗街

近隣に風俗街や暴力団関係の建物がある地域については、銀行の担保評価も出にくくなるため、価格査定でもマイナスに影響します。

床上浸水しやすい地域

最近は、一時間に100ミリ以上もの猛烈な集中豪雨が発生することもあるため、大雨による床上浸水などの水害を懸念する人が増え始めています。このため、川沿い、海沿いなどの床上浸水のリスクが高い地域については、価格査定においてマイナスに影響する傾向があるのです。床上浸水のリスクについては、物件の所在地を管轄する自治体が公表している「ハザードマップ」で確認できます。過去に浸水したことがある地域については、この点について十分留意しましょう。

査定価格アップに繋がるポイントとは?

査定価格アップ
さて、ここまでは、どのような要素が価格査定に影響するのかについて解説してきました。ここからは、より高く物件を売却するために、今からできる対策について解説していきます。

目に見える部分はできる限りきれいにする

本格的に価格査定を不動産会社に依頼すると、机上で行う簡易査定ではなく、物件現地まで視察にくる現地査定が行われます。

査定をする際に最も重要なことは「第一印象」です。パッと見た感じで「古い」「汚い」といった印象を持たれてしまうと、価格査定において不利であることは間違いありません。かと言って、建物の外壁タイルや塗装を始めると、かなりの費用がかかってしまい、費用対効果の面で却って損をする可能性もあるため、基本的には建物の外装ではなく、内装部分でできることをするとよいでしょう。

水回りをできる限り清潔にする

室内において最も劣化具合が目立ちやすい場所は、「水回り」です。これは戸建てとマンションどちらにもいえることで、具体的にはキッチン、バスルーム、トイレの3カ所の状態が、現地での価格査定をする上でとても影響してきます

水回りについては、日頃からこまめに掃除をしていないと、垢やカビ、汚れなどが目立ちやすいため、物件の保存状態を把握する上での重要な「指標」とされるのです。この3カ所が綺麗であれば、築年数以上の評価をしてもらえる可能性もあるでしょう。特に鏡の鱗汚れについては、非常に印象が悪いため、ダイヤモンドパッドなどを使って、事前に汚れを落としておくことが重要です。

価格査定をしてもらう前に、キッチン、バスルーム、トイレの3カ所は念入りに掃除をして清潔な状態にしておきましょう

不動産会社の方針も価格査定に影響する

不動産会社が売買募集に先立って行う価格査定については、不動産鑑定士が行う鑑定評価とは違い、価格算出の根拠については多くのケースで明確ではありません。

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価格査定をする際に、不動産会社が絶対にする質問とは?

不動産の価格査定をする際に、不動産会社が必ずといってよいほどする質問があります。

「現在、住宅ローンの残債はいくらくらいですか?」

不動産の価格査定を依頼しているのに、不動産会社の担当者は、なぜ、現在のローン残債について聞いてくるのでしょうか。一般的に、自宅の売却を検討している人の多くは、不動産のプロではなくどちらかといえば初心者であるため、査定額について高いか安いかの判断がつかず、すぐに募集価格を決められないというケースがあります。

そこで不動産会社が目安としているのが、ローン残債です。築年数にもよりますが、ローン残債が売却する際の最低限の基準として捉え、できる限りローン残債よりも高い金額での売却が可能かどうかを査定します

売却するためには、ローン残債を一括返済しなければならないため、売却価格がローン残債を下回ってしまうと、不足する分を現金で準備しなければなりません。そのため、不動産会社としては、できる限りローン残債を基準にして査定をしたがるのです。

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まとめ

今回は、戸建てやマンションを売却する際の「価格査定」のポイントについて解説してきました。

自分自身で相場を調査し、その上で今回ご紹介した価格査定に影響するポイントを1つずつ検証していくことで、自分でもある程度の想定価格は算出できるはずです。

細かい項目等で分からないことがあれば、不動産会社に相談してみましょう。きっと有益なアドバイスをもらえるはずです。

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