
「マンションと戸建ては不動産査定の基準が違う」と誤解されている人もいますが、どちらの場合でも査定基準は同じです。
確かにマンションの場合と戸建ての場合では価格相場は異なりますが、査定において評価されている部分は変わりません。
具体的には、立地の良い物件や新築に近い物件であるほど、マンションでも戸建てでも高く査定される傾向にあります。
またマンションも戸建ても、査定額を上げるには、高額査定してくれる不動産業者へ相談することが大切です。
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マンションと戸建ては価格相場が異なる
マンションと戸建てでは、物件の性質が異なる以上、価格査定における傾向も当然異なります。
例として、国土交通省が発表している「不動産価格指数」でも、2012年頃からマンションの価格は上昇している一方で、戸建ての価格はほとんど変化がない状態が続いています。
まずはマンションと戸建ての価格査定における違いを見ていきましょう。
マンションの価格相場は近年上昇している
マンションの価格相場は2012年頃から右肩上がりに上昇しており、2021年には約1.6倍にまで上昇しています。
この原因として、2011年に発生した東日本大震災を受けて、マンションの耐震性能が評価されたことにあります。
マンションの多くは地震に強い「鉄筋コンクリート造」で建築されているため、買主からの需要が集まったことで、震災以前に比べて高値で売却できるようになりました。
つまりマンションの価格査定を申し込むなら、いまが絶好のチャンスといえるでしょう。
マンションは流動性が高いので早く売れやすい
マンションは戸建てより流動性が高く、売却に時間がかかりにくいです。
具体的には以下の点が評価されて、マンションは戸建てより売れやすい傾向にあります。
- 共用部分を管理会社が清掃してくれる
- 24時間いつでもゴミ出しができる
- オートロックによって防犯性が高い
室外にあるエントランスや廊下などは管理会社が清掃してくれるので、庭や玄関を自身で清掃しなければならない戸建てよりも負担が少ないです。
多くのマンションはゴミ捨て場が設置されており、24時間いつでもゴミを出せるため、決められた曜日にしかゴミを出せない戸建てに比べて、生活の利便性が高いです。
エントランスがオートロックになっているマンションも多く、すべての窓を戸締りしないと外出できない戸建てに比べて、防犯性が高いことも人気の一因となっています。
戸建ての価格相場はほぼ変化なし
2012年頃からマンションの価格相場が上昇している一方、戸建ての売却価格はほとんど変化がなく横ばいの状態が続いています。
2011年に発生した東日本大震災以降、鉄筋コンクリート造のマンションは耐震性能が評価されましたが、木造住宅の多い戸建てはそうした評価を得られなかったためです。
とはいえ、東日本大震災以降も極端に価格相場が下がったわけではなく、震災以前とほぼ変わらない価格で売却できるので問題ありません。
戸建ては老朽化が早いので価格が下がりやすい
「一戸建ては築年数が22年を超えると建物自体の価値が0円になる」といわれています。
すべての建物には、建物が価値を持ち続けられる寿命ともいえる「耐用年数」が国税庁によって定められています。
耐用年数は建物の構造によって異なり、それぞれ下記のとおりです。
建物の構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨プレハブ造 | 19〜27年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
戸建ての多くは木造住宅なので、鉄筋コンクリート造のマンションに比べて老朽化しやすく、建物自体の資産価値が下がりやすいです。
そのため、築年数が木造住宅の耐用年数である22年を超えると、戸建ての建物自体には資産価値がないと判断されてしまう傾向にあります。
ただし状態さえ良好であれば、築年数が22年を超える木造住宅でも建物自体に資産価値があると見なされるケースもあるため、最終的には戸建ての現状から判断されます。
マンションも戸建ても好立地なら高く売れる
マンションと戸建ての違いはあくまで建物の造りや性質であり、どちらの場合でも立地に関しては同様に評価されます。
そのため、マンションの場合も戸建ての場合も、立地がよいほど高く売れる傾向にあります。
具体的には、首都圏などの地域は価格相場が高く、その中でも駅やバス停、コンビニやスーパーに近い物件は高く査定されます。
この項目では、価格査定において高く評価されるケース・低く評価されるケースをそれぞれ見ていきましょう。
首都圏にある物件は価格相場が高い
近年では、東京などの首都圏へ人口が集まる一方、それ以外の地域では人口が減り過疎化が進んでいます。
人口が多いほど土地の需要も高いため都市圏ほど地価が高く、人口の少ない地域の地価は低い傾向にあります。
不動産流通機構によれば、関東の首都圏にある物件の平均価格は以下のとおりです。
立地 | 平均価格 |
---|---|
東京都 | 4,719万円 |
神奈川県 | 3,495万円 |
埼玉県 | 2,548万円 |
千葉県 | 2,450万円 |
一方で、近畿圏にある物件の平均価格は以下のとおりです。
立地 | 平均価格 |
---|---|
京都府 | 2,636万円 |
兵庫県 | 2,470万円 |
大阪府 | 2,384万円 |
奈良県 | 1,652万円 |
ここからわかるように、首都圏にある物件は価格相場が高いため、高額査定されやすい傾向にあります。
物件の近くにあると価格が上がる施設
おおよその地価は物件のある地域によって決まりますが、その中でも地価の高い物件と地価の安い物件があります。
例えば、次のような施設が物件周辺にある場合、査定額が上がる傾向にあります。
- 駅やバス停
- コンビニやスーパー
- 病院
具体的には、交通アクセスや買い物などの生活に欠かせない施設が近くにある場合、物件の地価も高くなります。
それぞれどういったケースなのか、1つずつ見ていきましょう。
1.駅やバス停
土地の査定で重視されるのが、駅やバス停までの距離です。
とくに電車やバスが主な交通手段となっている首都圏において、駅やバス停までの距離は査定価格を大きく左右する要素になります。
具体的には、ワンルーム物件の場合は駅まで10分以内、ファミリー物件の場合は駅まで15分以内であれば、高く査定されやすいです。
買主が住宅ローンを組む際も、駅やバス停から遠い物件は担保価値が出にくいため、ローン審査が通りにくい傾向にあります。
2.コンビニやスーパー
食料品や生活用品などを購入するため、コンビニやスーパーでの買い物は欠かせません。
とくにコンビニは次のような買い物以外のサービスも提供しており、現代人の生活において必要不可欠な存在といってよいでしょう。
- 銀行ATMからの口座引き出し
- 宅配便の受付
- 公共料金の収納代行
- 住民票の写しの発行など
コンビニやスーパーが徒歩圏内にあると、すぐに買い物ができて便利なので、土地の査定価格にもプラスに影響します。
3.病院
病院に近い物件も「いざという時に安心できる」として、地価が上がります。
「病院の近くは救急車の音がうるさいのでは?」という人もいますが、救急車は病院に近づくとサイレンを止めるため、騒音を感じることは少ないです。
むしろ消防署の近くにある物件の方が、出発する救急車の音がうるさいため地価が安くなる傾向にあります。
実際の不動産売買においても、大学病院などが移転する場所は、需要が増大して地価も上昇しています。
物件の近くにあると価格が下がる環境
物件の近くにあると価格が上がる施設が存在する以上、反対に物件周辺にあると価格が下がる要素も存在します。
例として、次のような環境が物件周辺にある場合、査定額が下がります。
- 騒音のうるさい「幹線道路」
- 治安の悪い「風俗街」
- 床上浸水しやすい「川や海」
それぞれのケースについて、1つずつ見ていきましょう。
1.騒音のうるさい「幹線道路」
物件自体が幹線道路に面している場合、査定価格が下がります。
なぜなら、幹線道路の近くは車の騒音や排気ガスの影響を受けるため、住み心地が悪いとして買主からの需要が低いためです。
同じく騒音によって、線路沿いや踏切沿いの物件も査定価格が下がる傾向にあります。
2.治安の悪い「風俗街」
近隣に風俗街がある場合、治安の悪さが査定価格へ悪影響を及ぼします。
深夜まで騒音がうるさいといった実被害はもちろん、地域自体のイメージが悪化してしまうため、査定額も安くなってしまうのです。
とくに暴力団関係の施設がある地域は、銀行の担保評価も出にくいため評価が低いです。
3.床上浸水しやすい「川や海」
川沿いや海沿いなどの床上浸水のリスクが高い地域も、価格査定において安くなる傾向があります。
近年では、1時間あたりの雨量が100ミリを超える「ゲリラ豪雨」も少なくないため、河川の氾濫などによる水害が問題視されています。
物件が床上浸水にあってしまうと、家具や家電が壊れてしまうだけでなく、木材が腐敗するなど、家自体の資産価値も大幅に低下してしまいます。
そのため、物件がある地域の床上浸水のリスクについて、自治体が公表している「ハザードマップ」で確認しておくとよいでしょう。
マンションも戸建ても建物の査定基準は同じ
不動産会社に価格査定を依頼した場合、物件の立地だけでなく、建物自体の評価もおこなわれます。
このときマンションの場合も戸建ての場合も、建物自体の評価は以下の3つを基準に判断されます。
- 築年数
- 建物の構造
- 間取り
それぞれ具体的にどのような部分を査定されるのか、1つずつ見ていきましょう。
1.築年数
不動産の価格を査定する上で、もっとも基本となる要素が「築年数」です。
建物が古くなるほど、経年劣化などによってさまざまな不具合が生じるため、費用をかけて修理する必要が出てきます。
そのため、ほとんどの物件は新築時の価格がもっとも高く、建物が古くなるにつれて徐々に価格が安くなっていきます。
とくに築年数が法定耐用年数を上回る物件は、銀行からも価値がないと判断されてしまい、買主が住宅ローンの融資を受けにくいため売却がむずかしいです。
2.建物の構造
耐用年数の部分でも触れましたが、築年数と同様に重要なのが建物の「構造」です。
例えば、耐用年数が47年の鉄筋コンクリート造と22年の木造住宅では、法定耐用年数が2倍以上も違います。
同じ築年数20年の物件でも、鉄筋コンクリート造であれば法定耐用年数まで27年も余裕がある一方、木造住宅は法定耐用年数が2年しか残っていないため、売れにくい傾向にあります。
構造ごとに価格相場を比較すると、同じ築年数の物件であれば、鉄筋コンクリートがもっとも査定額が高く、その反対に木造住宅の査定額はもっとも安いです。
とくに1981年以前に作られた木造物件については、現在の耐震基準を満たしていないため評価が低くなり、場合によってはまったく価値がないケースもあります。
3.間取り
不動産の個性でもあり、査定額を大きく左右するのが「間取り」です。
間取りによって生活スタイルが大きく異なってくるため、売りたい物件の間取りにどのような特徴があるのか、事前によく把握しておくことが大切です。
例えば、以下のような間取りは査定額が下がる傾向にあります。
- バスとトイレが一緒のワンルーム物件
- リビングが狭いファミリー物件
最近の物件はバスとトイレは分かれているのが一般的なので、バスとトイレが一体化しているユニットバスの物件は人気が低く査定額も安くなります。
リビングが狭いファミリー物件は子育て世代に購入を避けられてしまい、とくにリビングが10帖以下の場合は査定価格が相場よりも低くなりやすいです。
高額査定を目指すためにできる対策
いまから建物の立地を変えるといったことはできませんが、ほんの少し工夫するだけで査定額を上げることは可能です。
マンションや戸建てを高額査定してもらうためには、以下のような対策があります。
- リフォームを施して物件をきれいにする
- 一括査定で査定額の高い不動産業者を探す
それぞれの対策について、1つずつ見ていきましょう。
リフォームを施して物件をきれいにする
不動産業者へ本格的な査定を申し込むと、机上でおこなう簡易査定ではなく、物件へ視察に訪れる現地査定がおこわれますが、そこで重視されるのが「物件の見た目」です。
見た目で「古い」「汚い」といった印象を持たれてしまうと、査定額も安くなってしまうため、リフォームを施して物件をきれいに整備しておくとよいでしょう。
とくに不動産業者の価格査定で重視されるキッチン・バスルーム・トイレの3カ所へリフォームを施しておくと効果的です。
とはいえ、物件のリフォームを施す場合は相当の費用がかかるため、かえって損をしてしまう恐れもあります。
そのため、物件の査定額とリフォーム費用の費用対効果を比較して、本当にリフォームを施すべきか慎重に検討しましょう。
一括査定で査定額の高い不動産業者を探す
先述したとおり、物件にリフォームを施せば査定額は高くなりますが、リフォーム費用がかかるため、むしろ損をしてしまうリスクもあります。
費用をかけずに査定額を上げたいのであれば、高額査定してくれる不動産業者へ査定を申し込む必要があります。
とはいえ、1社ずつ不動産業者へ査定を申し込んで、査定額の高い不動産業者を探すのでは、非常に時間も手間もかかってしまいます。
査定額の高い不動産業者を探す場合、全国1,600以上の不動産業者へ一気に査定を申し込める「一括査定サイト」を利用するとよいでしょう。
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まとめ
マンションでも戸建てでも「価格査定」で評価される基準は同じです。
どちらの場合でも、基本的に好立地で築年数の新しい物件ほど、高額査定されやすい傾向にあります。
また自分でリフォームを施したり、高額査定してくれる不動産業者へ依頼することで査定額を上げることも可能です。
まずは一括査定を利用して、複数の不動産業者の査定額を一気に比較して、もっとも高い査定額をつけてくれた不動産業者へ相談してみるとよいでしょう。
マンションや戸建ての価格査定に関するよくある質問
マンションの場合も戸建ての場合も、価格査定における評価基準は同じです。立地や築年数、建物の構造や間取りを基に査定されます。
東日本大震災の影響により、2012年頃からマンションの価格相場は上昇しています。一方で戸建ての価格相場はほとんど変化がありません。
首都圏にある物件は価格相場が高くなります。また物件の近くに駅やバス停、コンビニやスーパー、病院がある場合も査定額が高いです。
騒音のうるさい「幹線道路」をはじめ、治安の悪い「風俗街」や、床上浸水しやすい「川や海」が物件の近くにある場合、査定額が安くなります。
リフォームを施して物件をきれいにしたり、一括査定を利用して査定額の高い不動産業者を探すとよいでしょう。
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