不動産投資ローンの審査は厳しい?審査基準と申し込みのポイントを解説

不動産投資ローン

よほどの資産家でない限り、不動産投資を始める際にはローンを申し込むことになるでしょう。不動産投資ローンの審査基準は他のローン商品に比べて細かく、厳しい傾向にあります。

では、不動産投資ローンの概要と審査基準、融資の可能性を上げるためのポイントについて解説します。

住宅ローンよりも厳しい!不動産投資ローンの審査

不動産投資
不動産を買うためのローンと言えば、一般的なのは住宅ローンです。住宅ローンは、住宅を取得するための費用をその住宅自体を担保にして借り入れるものです。借入金の使用目的は、申込者や家族が住むための住宅を取得することです。不動産投資ローンも住宅ローンと同じく不動産購入のためのローンですが、大きく異なるポイントのひとつは、借入金の使用目的です。

不動産投資ローンは、収益を生み出すための物件を取得することを目的としています。販売する商品を仕入れるために支払う仕入れ費用のようなもので、事業性を持ちます。事業資金として借り入れるからには、事業として成り立つ見込みがあると思わせる事業計画と、現実的な返済プランが要求されます。住宅ローン審査は、信用情報に問題がなく収入が安定している人であれば、特別に高所得者でなくても審査を通過することができます。マイホーム購入は多くの人が一生に一度はする買い物ですから、あまりに審査基準を厳しくしてしまえば国民全体の住宅取得率に問題が生じてしまいます。

しかし不動産投資のためのローンは、申込者の信用情報や収入だけでなく、「対象の物件が今後収益を生み続けられるかどうか」「いざという時にローン残高を補てんできる価値がある物件か」などの点も、審査する上で重要なポイントになります。つまり、住宅ローンの審査基準だけでなく物件に対する厳しい審査基準もクリアしなくては、融資を受けることができません。

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不動産投資ローンの4つの審査基準

では、不動産投資ローンを申し込む際に重視される審査基準を4つご紹介します。

申込者の属性と信用情報

属性は、不動産投資ローンに限らず各種ローンやクレジットカードなどの審査でも必ず確認される審査基準です。申込者の職業や雇用形態、年収や勤務先の情報、年齢や他社からの借り入れ件数などのことを指します。職業は、一般的なものであれば特に問題にはならないでしょう。警察官や行政機関の職員などの公務員、医師や弁護士など専門性や社会的立場の高い業種は非常に有利になります。

雇用形態は、属性の中でも特に重視される情報です。今後も安定してその職業に従事するか(収入が途切れないか)という点での重要なものさしになるので、パート・アルバイトよりも契約社員、契約社員よりも正社員の方が審査においては有利になります。この点で、雇用されていない自営業者や個人事業主は年収が高いとしても安定性に欠けると判断されるため、審査では非常に不利になります。

年収は、借り入れを希望する金額と比較するための重要な審査基準になります。金融機関ごとに基準や考え方は異なりますが、不動産投資ローンでは年収1,000万円以上の人へは年収の10倍から15倍程度、年収700万円までの人なら年収の5~6倍までと、年収によって融資額の上限を定めていることが多いです。

勤務先も重要な審査基準です。先ほども述べましたが、公務員などであれば信頼性も高く非常に有利です。一般職でも、名の知れている大企業や中堅企業と言われるような勤務先であれば有利になります。中小企業などの場合は、本人の役職や勤続年数、年収などと合わせて考慮されることになるでしょう。

不動産投資ローンを組むにあたっては、申込者の年齢も重要です。返済期間中、不動産投資という事業を継続して収益をあげられるかの重要な判断材料となるためです。返済期間が長ければ長いほど、年齢が若い方が有利になるでしょう。

不動産投資ローンの審査を通過するためには、他社からの借り入れ件数は少ない方が有利です。借り入れ先が多い上に1社あたりの限度額が少額だと、今の段階ですでに資金繰りに困っているため色々な所から借りている、と受け止められる場合があります。計画性が非常に重要な不動産投資において、普段から複数の借り入れをしている人が高額な不動産投資ローンをきちんと返済し続けられるかどうかは、疑問を持たれるかもしれません。さらに返済するべき対象が多ければ、それだけ不動産投資ローンの返済が滞る確率も高くなります。他社からの借り入れ件数は、多くても2件程度に留めておきたいところです。少額の借り入れが複数あるなら、ローン審査に先立って可能な限り完済しておくことができるかもしれません。上記のような属性の総合的な評価に加えて、信用情報機関への個人情報照会も行われます。万が一クレジットなどの滞納歴があると、審査通過は難しくなるでしょう。

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収益物件としての担保価値は十分か

不動産投資ローンは、アパートやマンションなどの収益物件のためのものです。収益物件である以上、どれほど利益をあげる力を持っているかが問われます。金融機関が不動産の価値を測る基準には、公示地価や路線価、固定資産税評価額などがあります。これらの総合的な価値が高ければ高いほど、担保価値は高いとみなされるでしょう。また、当然ですが中古物件よりは新築物件の方が担保価値は高いとみなされます。

耐用年数も大切です。木造物件よりは、木造物件の1.5~2倍の耐用年数を持つ重量鉄骨造やRC造の物件の方が担保価値は上がるでしょう。担保価値の確認の際には、物件の実質利回りも重視されます。実質利回りとは、年間の家賃収入から管理費や税金などの諸経費を差し引いた額を、投資額で割った数値のことです。利回りにも色々な種類がありますが、不動産投資ローンの審査において重視されるのは実質利回りになります。実質利回りが高いほど収益をあげる力も高いので、担保価値も高いと評価されやすくなります。注意したいのは、物件の販売価格が高ければおのずと担保価値も高くなる、とは限らないことです。投資対象として検討している不動産があるなら、必ず自分で担保価値を調査してみる必要があります

資産価値はどれほどあるか

不動産投資が投資である以上、採算が合わなくなって失敗に終わるリスクはすべての人にあります。そうなると金融機関としては、万が一ローンの返済が滞った場合に担保として回収する不動産にどれほどの価値があるのかということが重要になってきます。物件の資産価値が高ければ、未回収のローン残高に対して補てんできる割合も高くなります。担保価値と同様、重要な審査基準です。一般的に資産価値が高く、年数の経過による資産価値の下落も緩やかとされている不動産の条件を4つご紹介します。

1.交通の便が良い立地にある

住む場所を決める際に、交通の便が良いことを重視する人は少なくありません。実際、駅から徒歩3分圏内の不動産は資産価値が非常に高く、なかなか下落しない傾向にあります。急行の停車駅や、新幹線やバスなど他の交通手段も利用できる大きな駅であれば、価値はさらに高まるでしょう。通勤や通学、日常の買い物やお出かけなど、性別や年齢層を問わずすべての人にとって交通手段の確保は必要です。交通の便が良いことがマイナス要素になることはあまり考えられませんので、自然と物件の資産価値を高める要素になります。

2.生活が便利

普段の生活に密着した施設が近くにあることもポイントです。例えば、スーパーやドラッグストア、飲食店などが近ければ生活便利な立地と言えるでしょう。学齢期の子どもを持つ人にとっては、学校や公園、病院などが近くにあると嬉しいと思うかもしれません。郵便局や銀行などの金融機関があることも、資産価値を高めるでしょう。

3.建物の質が良い

交通の便が良くて生活に便利な立地でも、建物の質が低いと資産価値はいまいちになってしまいます。木造や軽量鉄骨造の建物は、どうしても耐震性や耐火性、遮音性や気密性に限界があります。この点をカバーできるのは重量鉄骨造やRC造などの建物でしょう。また、築年数が新しいほど資産価値は高くなります。補足ですが、構造が何にせよ、昭和56年6月以前に着工されている旧耐震基準の物件は避けるべきです。新耐震基準の建物と比べ旧耐震基準の建物が被る被害が大きいことは震災の度に証明されており、資産価値を大きくマイナスにする要因となります。

4.災害のリスクが低い

物件の所在地にどのような災害リスクがあるのかは、投資初心者だと見落としてしまいがちな点です。先にご紹介した3つの条件すべてを満たしていても、災害のリスクが高い地域だと台無しになってしまうこともありますから、非常に重要なポイントです。

例えば地盤が固い地域であれば、地震や地すべりの被害を抑制できます。地盤については、行政が公表しているマップなどで簡単に確認できます。海や川が近く、津波や増水によって被害を受ける可能性があるなら、堤防などしっかりとした水害対策がなされているかどうかも確認しましょう。物件が「土砂災害警戒区域」に指定されていないかどうかも確認します。警戒区域であれば何らかの対策がなされているはずですが、それでも資産価値がある程度落ちることは抑止できないかもしれません。できれば避けた方が無難でしょう。

上記4つの条件のどれか、できることならすべてを満たしている物件を選びたいものです。そうすれば、空き室が増えて家賃収入が減少したり、物件が損傷して修繕費がかさむリスクが低くなるため、資産価値が落ちにくい優良物件と見なしてもらえるでしょう。

不動産投資のために購入する物件に、自らも住むという人は少ないでしょう。そのため不動産投資の物件は住宅ローンの場合と異なり、万が一経済的に困窮した場合にも返済の優先度が低くされがちです。このような意味でも、不動産としての資産価値が審査に大きく響くことになります。金融機関が融資額の判断の際に参考にするとともに、資産価値にも影響する別の要素には、「積算価格」もあります積算価格は、不動産を土地と建物に分けてそれぞれの現在価格を割り出し、足したものです。積算価格は資産価値を決める上でのひとつの要素にはなりますが、先に取り上げたように資産価値に影響する要素はたくさんあります。積算価格だけにとらわれず、広い視点から資産価値を図ることが大切です。

不動産経営者としての信頼性

冒頭で、不動産投資ローンは事業性のローンであるという点を説明しました。ということは個人か法人かにかかわらず、不動産投資ローンを借り入れて投資を行う人は全員が「不動産経営者」になるということです。経営者には一般的な常識はもちろんのこと、人としての品格が求められます。住宅ローンでも多少は考慮される点ですが、不動産投資ローンの審査では申込者の人柄も重要な審査基準になります。どんなに属性が良くても、事業計画が完璧でも、融資担当者に対して高圧的だったり非協力的であるなら、経営者として信頼に足る人物とはみなされず審査否決の一因になるかもしれません。

申込者が顧客という立場であることに変わりはありませんが、不動産投資ローンの審査に通るためには融資担当者の協力が重要です。最低限の礼儀をわきまえ、人として気持ちの良い接し方をするよう心がけましょう。万が一返済が難しくなったらどうするのかについて、具体的で現実的な対応策を持っていることも大切です。申し込みをする側としては「いつ、いくら融資してもらえるのか」という点に注意が集中しているでしょう。しかし金融機関としては「きちんと返済できるのか、返済が滞ったらどうするつもりなのか」という点が最も重要です。大金を貸す側として当然の心配事ですから、思うように返済ができそうにない時には自分の給与や貯蓄から支払うなどの意思を見せ、返済義務に対する誠意があることを表しましょう

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不動産投資ローンの審査はどれくらいかかる?

ローン審査
ここまで解説してきた通り、不動産投資ローンの審査は厳しく、たくさんの要素を加味して行われるものです。そのため、審査期間は一般の住宅ローンよりも長くなります早くても1週間、長ければ数カ月かかる場合もあります。まれに2.3日で審査が下りたという話がありますが、たいていはすでにローン取引のある金融機関での申し込みをした場合や、不動産投資の実績を積んでいるため信用のあるベテラン投資家の場合です。初めての申し込みなら、1カ月以上はかかるものと覚悟しておきましょう。なかなか結果が出ないとやきもきするかもしれませんが、結果が出るまでに時間がかかっているということは必ずしも悪い予兆ではありません。どんなローンでも、否決の場合は結果が出るのも早いものです。時間がかかっているということは、金融機関も融資に前向きなので色々と調査をしているということかもしれません。

不動産投資ローンの申し込み先を選ぶ際のポイント

銀行
不動産投資ローンを扱う金融機関は実に多くあります。どこに申込みをしようかと迷うかもしれません。申し込みは、たくさんの書類を用意したり金融機関に足を運んだりと、かなりの時間と労力がかかります。時間を無駄にしないためにも、自分の状況に適した金融機関に的を絞っておくのは賢明なことです。申し込み先を選ぶ上での大切なポイントを2つご紹介します。

金利が低く、自分の属性でも融資見込みがある金融機関

基本的に住宅ローンの金利は固定金利ですが、不動産投資ローンはほとんどが変動金利になっています。固定金利は返済完了まで金利が一定なのに対して、変動金利は5年に1度金利が変わります。まれに金利が下がる場合もありますが、上がる場合もあります。ですから、元々の金利が低いに越したことはないのです。

最初の不動産投資では、ローンに通るか通らないかが非常に不安になることでしょう。早く投資を始めたいがために焦ってしまい「貸してくれるならどこでもいい!」と考えることのないようにしましょう。不動産投資ローンを扱う金融機関ごとに金利は大きく違います。高い金利で借りてしまったことが後々の投資活動を圧迫した事例もありますから、金利は必ず考慮するべきです。また、出来る限り金利が低いことに加えて、自分の属性でも融資してもらえそうな金融機関を絞り込む必要があります。ここで、不動産投資ローンを扱う金融機関の種類別の特色をまとめてみます

金融機関種別 年収目安 金利 審査難易度
メガバンク(都市銀行) 1000万~ 1%前後 非常に高い
地方銀行 700万~ 1.5%~3%台 高い
信用金庫・信用組合 500万~ 2%~3%台 普通~やや高い
日本政策金融公庫 400万~ 1.5%~2%台 やや低い~普通
ノンバンク 400万~ 3.5%~7%台 低い

 

審査が厳しい金融機関ほど、金利も低くなりがちなことが分かります。では、それぞれの特色をさらに詳しく見ていきましょう

1.メガバンク(都市銀行)

メガバンクとは、全国展開しており預金残高と取引件数において群を抜いている「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」「三井住友銀行」の3行のことを言います。上記の3行は一般に日本3大メガバンクと呼ばれていますが、「りそな銀行」もメガバンクに入る、という意見もあります。3行の中でも最も規模が大きいのは三菱UFJ銀行ですが、不動産投資ローンにはそれほど力を入れていないとされています。みずほ銀行も同様です。メガバンクの中で最もローン商品の扱いに積極的とされている三井住友銀行は、不動産投資ローンにも前向きとの声があります。メガバンク最大のメリットは金利の低さですが、その分審査は非常に厳しくなります。仮審査の結果が出るまでにも、1カ月以上はかかることを覚悟しておかなければなりません。最低ラインとして、年収1,000万円以上の方が検討できる金融機関でしょう。

2.地方銀行

「横浜銀行」や「静岡銀行」など、各地方や都道府県の地名が入った銀行です。銀行ごとに個性があり、不動産投資ローン以前にローン商品の扱いに対して非常に消極的なところもあれば、若年層や投資初心者にも積極的に融資しようという姿勢のところもあります。地方銀行で不動産投資ローンを申し込むには、本店所在地の都道府県に物件があり、申込者の住所もあることが条件になる可能性が高いです。銀行によっては、近隣県まで範囲を広げている場合もあります。メガバンクよりは年収などの基準が低くなる分、金利は若干上がります。一般的な目線で見れば、地方銀行もそれなりに審査が厳しいと言えるでしょう。

3.信用金庫・信用組合

地域の地名が入っていることの多い金融機関です。地方銀行よりもさらに絞った地域を営業区域にしています。多くの場合、物件の所在地や申込者の住所がその支店の管轄地域に含まれていることが条件になりますが、地方銀行と比べて柔軟な審査が期待できます。もちろんその分、金利は若干上がります。基本的に地域密着型の営業をしている金融機関のため、それほど属性が良くない人でも臨機応変な審査をしてくれるのが信用金庫や信用組合のメリットです。ただし、不動産投資ローンに関する知識や実績が乏しい担当者にあたってしまうと、思うように審査が進まないという一面もあるようです。

4.日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は銀行とは異なり、日本政府が管理する政府系金融機関です。不動産投資ローンに関しては、起業面での弱者とも言える若者や女性、シニア層などへの融資の基準を引き下げており、なおかつ1~2%台の固定金利で融資を実施しています。ただし政府系金融機関のため、融資限度額や融資期間などに細かい制限があり、融通の利かない一面もあります。一方で、申込者の属性や物件の良し悪しだけにとらわれず、事業としての可能性に目を留めてくれる面もあります。初めての不動産投資で銀行の審査に通る自身がない若い方や女性、高齢者の方にとっては有力な候補になることでしょう。

5.ノンバンク

顧客の預金を預かることなく、貸付を専門に行っている金融機関のことです。これまでに紹介した各金融機関とは審査基準や考え方がまったく異なり、各社が独自の審査を行います。そのため審査は非常に柔軟で、属性の悪い人でも通りやすいという特徴があります。ただし審査基準が緩いため、他の金融機関であれば収益性や資産価値に疑問が残るため否決にするような物件に対しても融資を出してしまうことがあります。申込者にとっても、採算の合わない物件の融資を受けてしまうことになるため、思わぬ落とし穴になるでしょう。貸付のみで利益を出さなければならないのがノンバンクですから、他の金融機関に比べて金利はかなり高くなります。不動産投資ローンを扱う金融機関の中では、最も高金利になることでしょう。

上記の金融機関の中で、今の自分の属性で射程範囲に入る金融機関が複数あるなら、まずは最も金利の低いところに申し込んでみましょう。同時にそれぞれの金融機関の審査基準の違いを考慮して、自分に最もふさわしいと思えるところを見極めることも重要です。例えば年収や勤続年数、自己資金の点で申し分なく、不動産の条件も優良な人が最初からノンバンクに申し込んでしまっては勿体無いことになりますし、郊外の築古物件で初めて不動産投資をしようとしている年収300万円台の人がメガバンクへ申し込んでも、おそらく無駄骨に終わってしまうでしょう。

出来る限り金利の低い金融機関を選ぶことの重要性は、返済面で有利になるということだけではありません。不動産投資では、最初の1棟目の経営が軌道に乗ってきたら2棟目、3棟目と事業拡大していこう、というプランを立てている人が多いことでしょう。2棟目3棟目の融資も好条件で受けるためには、1棟目の資金をどこから融資してもらうかが重要になってくるのです。1棟目でノンバンクなど金利の高い金融機関から借り入れていると「金利の高いところでしか借りられなかった人」というレッテルを貼られてしまい、「念のためうちでは否決にしておこう」ということになる場合があります。1棟目の不動産投資が順調に回っており、返済も数年にわたって遅延なく続けている場合には、投資活動と返済に関する実績があるとしてプラス評価になることもあります。しかし1棟目の返済期間が長期間残っていると、「今後も高金利でローン返済を続けなければならない人」と見られてしまい、返済が滞るリスクが高いとみなされ否決になる可能性があります。

ではノンバンクは使うべきでないのかというと、必ずしもそうではありません。場合によっては、属性や不動産の条件によって初回の不動産融資がノンバンクになってしまうこともあるでしょう。しかし、ノンバンクからの借入金で不動産投資実績と返済実績を地道に積んでいくことで、2棟目は信用金庫から、3棟目は地方銀行からとステップアップしていった投資家は少なくありません。第一希望の金融機関から融資が下りなかったとしても落胆せず、2棟目3棟目はもっと格上の金融機関から融資を引き出そう、という目標を持って不動産投資をスタートさせることができます。

これまでに取引している金融機関

定期預金や給与振り込み、投資信託などで普段利用している金融機関があるなら、申込対象として優先的に検討してみることができます。何らかの取引をある程度の期間続けているなら、それが申込者への信用に結び付く場合があるためです。特に、まとまった預金を預けている金融機関は狙い目です。

まとめ

この記事では、不動産投資ローンの概要と審査基準、融資の可能性を上げるためのポイントについて解説してきました。

不動産投資ローンをすんなり受けるためにも、自分の適性に合った金融機関を選ぶようにしましょう。

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