アパート経営に必要な初期費用は?自己資金やローンも解説

アパート経営 初期費用

アパート経営を始めたいものの不動産投資の経験がなく、初期費用がどの程度かかるのかイメージできない人も多いと思います。

アパート経営には、物件の取得費以外にもさまざまな費用がかかります。また、維持費も1年目から発生するため、正確に費用を把握しておかなければ早々に破綻するかもしれません。

逆にいえば、どのくらいの支出があるのか事前にわかっていれば、初めてでもアパート経営を成功させられる可能性があります。

この記事では、アパート経営にかかる各種費用の内訳やシミュレーション、具体的に用意すべき自己資金の金額について解説します。

なお、個々の予算や投資目的に沿ったアドバイスが欲しい場合は、不動産投資会社に相談するのがおすすめです。物件選びから資金計画、物件取得後の管理業務まで、アパート経営をトータルサポートしてくれます。

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アパート経営に必要な初期費用

アパート経営に必要な費用は、大きく「アパート建築にかかわる諸費用」と「アパート建築にかかわらない諸費用」に分けられます。

両方を考慮してシミュレーションしなければ、想定外の出費に悩まされる恐れがあります。スタート時点でつまずかないよう、細かい費用までしっかりと把握しておきましょう。

それぞれの内訳と、具体的な費用相場について解説します。

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アパート建築にかかわる諸費用

アパート経営を始めるなら、最初に物件を取得しなければいけません。中古物件や建売物件なら物件価格がそのまま取得費用なので、ここでは「自分でアパートを新築する場合の費用」を解説します。

建築費(工事費)は、地域や構造、その時々の資材相場などで変動します。下記は、2022年のデータから算出した、構造別の建築費の目安です。

構造 坪単価
木造 約58万円
鉄骨鉄筋コンクリート造 約86万円
鉄筋コンクリート造 約91万円
鉄骨造 約89万円
コンクリートブロック造 約79万円

参照:政府統計の総合窓口(e-Stat)「2022年度 建築着工統計調査(国土交通省) 建築物着工統計 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額」
※床面積の合計を坪単価に換算し、工事予定額から除算(数値は居住専用住宅の全国平均を参照)。

その他、主な費用は以下の通りです。

費用発生のタイミング 費用 相場
計画~着工まで 土地取得費用 物件による
測量費用 30万円程度~
地盤調査費用 1箇所あたり30万円程度~
地盤改良費用
※調査で必要と判断された場合
坪単価3万円程度~
解体費用
※既存建物を取り壊す場合
・木造:坪単価3万円程度~
・鉄骨造:坪単価4万円程度~
・鉄筋コンクリート造:坪単価5万円程度~
設計料 ・建築業者に一括依頼:建築費の1~3%程度
・設計業者に別途依頼:建築費の7~8%程度
印紙税 後述
工事中 ライフラインの引き込み費用 ・水道:30万円程度~
・電気:1万円程度~
・ガス:10万円程度~
地鎮祭・上棟式費用
※実施の有無は建築業者による
・地鎮祭:5万円程度~
・上棟式:10万円程度
竣工後 竣工式費用
※実施はオーナー判断
参列人数×1万円程度

あくまでおおまかな目安なので、詳しくは建築業者・ハウスメーカーに相談しましょう。

アパート建築以外の諸費用

アパート建築以外の諸費用としては、以下の項目が挙げられます。

  • 印紙税
  • 不動産取得税
  • 登記費用
  • アパートローンの手数料
  • 火災保険・地震保険料

建築費以外にも数十万~数百万円の費用が発生するため、しっかり把握しておきましょう。それぞれ詳しく解説します。

なお、中古物件・建売物件を購入する場合、上記に加えて仲介手数料が発生します(不動産会社の直接販売を除く)。仲介手数料は上限があり、以下の計算式で計算します。
・物件価格が200万円以下:(物件価格×5%)+消費税
・物件価格が200万円超400万円以下:(物件価格×4%+2万円)+消費税
・物件価格が400万円超:(物件価格×3%+6万円)+消費税

印紙税

印紙税とは、一定の文書に対して課される税金です。アパートを建てるときの建築工事請負契約書や、中古物件・建売物件を購入するときの売買契約書などに課税されます。

税率は契約書に記載された額面で決まり、建築工事請負契約書の場合は以下の通りです(2023年現在、一律で軽減税率が適用)。

契約金額 本則税率 軽減税率
100万円超~200万円以下 400円 200円
200万円超~300万円以下 1,000円 500円
300万円超~500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超~1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超~5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超~1億円以下 6万円 3万円
1億円超~5億円以下 10万円 6万円
5億円超~10億円以下 20万円 16万円
10億円超~50億円以下 40万円 32万円
50億円超~ 60万円 48万円

参照:国税庁「建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置」

不動産取得税

不動産取得税とは、文字通り不動産を取得したときに課される税金です。取得した不動産が所在する都道府県に納めます。

納税額の計算式は以下の通りです。

不動産取得税=固定資産税評価額×税率
※土地は固定資産税評価額を1/2に軽減(2023年現在)

税率は原則4%ですが、土地とアパート(住宅)は軽減税率3%が適用されます。

また、新築住宅や住宅用地にはさらに軽減措置があり、物件によっては非課税になる場合もあります。

新築住宅の軽減特例
1戸の面積が40㎡以上240㎡以下であれば、評価額から1,200万円を控除。
※アパートの場合1戸ごとに控除されるため、10戸あれば1億2,000万円が控除される。
住宅用地の軽減特例
住宅用地として土地を取得した場合、以下のいずれか高い方の金額を税額から控除。
・150万円×税率
・1㎡あたりの価格×住宅の床面積の2倍(1戸あたり200㎡上限)×税率

参照:総務省「不動産取得税」

なお、不動産取得税の納税通知書は、取得から半年~1年以上経ってから送付されてきます。時間が経って忘れてしまわないよう注意し、資金を手元に残しておきましょう。

登記費用

登記費用とは、登記申請(法務局に不動産の権利などを登録する手続き)にかかる費用です。手数料である登録免許税と、専門家へ委託するときの報酬にわけられます。

登録免許税は申請内容によって異なり、アパート経営に関係するものとしては以下が挙げられます。

申請内容 税額
所有権移転
(売買の場合)
土地 固定資産税評価額の2%
(2023年現在、軽減税率により1.5%)
建物 固定資産税評価額の2%
所有権移転
(相続の場合)
土地 固定資産税評価額の0.4%
建物
表題登記
(新築建物など、新たに生じた不動産を登録する手続き)
無料
所有権の保存
(新たに生じた不動産の最初の所有権登録)
固定資産税評価額の0.4%
抵当権の設定 借入額の0.4%

参照:国税庁:「登録免許税の税額表」

専門家への委託報酬は、申請内容や委託先の金額設定によります。一般的な相場は以下の通りです。

依頼先 依頼できる登記
土地家屋調査士 ・表題登記:10万円程度~
司法書士 ・所有権移転登記:3万円程度~
・所有権保存登記:3万円程度~
・抵当権設定登記:2万円程度~

アパートローンの手数料

アパートローンを使う場合、借入金とは別に事務手数料がかかります。金額は金融機関によりますが、1件につき8万~12万円前後が相場です。

また、事務手数料とは別に、保証料(ローン保証会社の加入費用)が必要になる場合もあります。こちらは借入金額の2%程度をまとめて支払うケースか、金利に0.2%程度を上乗せするケースが一般的です。

火災保険・地震保険料

アパートオーナーの火災保険・地震保険料は、万が一の事態への備えとして重要です。加入は任意ですが、「加入するのが当たり前」くらいの気持ちでいましょう。

保険料は契約内容にもよりますが、5年契約で40~45万円程度、火災保険のみだと20万~25万円程度が相場です。

保険は継続して加入することになるので、アパート経営開始後も維持費用に組み込んでおきましょう。

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アパート経営の初期費用シミュレーション

ここまで解説した通り、アパート経営にかかる初期費用は、建築費にその他の諸費用を加えたものです。諸費用の一般的な目安は「建築費の5%程度」といわれますが、実際にはどのくらいかかるのでしょうか?

先の項目で紹介した費用相場をもとに、アパート経営の初期費用をシミュレーションします。

なお、前提条件は以下のように想定します。

  • 新築を想定、土地は元々保有しているものを利用
  • 解体や竣工式はなし
  • 構造:木造2階建て
  • 戸数:10戸
  • 床面積:60坪
  • 建築費:60万円/坪
  • アパートローン借入額:3,600万円

上記を相場に照らし合わせると、以下のような結果になります。

費用項目 計算 金額
建築費(工事費) 60万円×60坪 3,600万円
測量費用 30万円 30万円
地盤調査費用 30万円 30万円
設計料(一括依頼) 3,600万円×1% 36万円
印紙税 1万円 1万円
ライフラインの引き込み 合計41万円 41万円
地鎮祭・上棟式費用 合計15万円 15万円
不動産取得税 ■建物…軽減特例により課税なし
■土地…元々保有しているため課税なし
0円
登記費用 ■登録免許税
・所有権保存登記の登録免許税
┗(3,600万円×70%※)×0.4%=10万800円
※固定資産税評価額は時価の70%が目安
・抵当権設定登記
┗3,600万円×0.4%=14万4,000円

■委託報酬
・土地家屋調査士(表題登記)
┗10万円
・司法書士(所有権保存登記、抵当権設定)
┗5万円

39万4,800円
アパートローン手数料 8万円 8万円
火災保険・地震保険料 40万円 40万円
合計 3,840万円4,800円

シミュレーションの結果、初期費用の総額は3,840万円4,800円となりました。建築費3,600万円に対して、その他の諸費用240万4,800円の割合を計算すると、6.68%となります。

(240万4,800円÷3,600万円)×100=6.68%

実際の割合は個々の状況で変わりますが、初期費用は少し多めに見積もっておいたほうが良いでしょう。

なお、上記シミュレーションに土地取得費用は含まれていないため、土地も購入するなら全体の費用はより高くなります。

初期費用だけじゃない!アパート経営に必要な【維持費用】

ここまではアパート経営を1から始めるときにかかる費用を紹介しました。しかし、経営開始後もアパートの維持費用がかかります。

アパート経営を続ける限り、維持費用の支払いは避けられません。どの程度の支出になるかシミュレーションを行い、家賃収入が赤字にならないか注意しましょう。

具体的な費用項目としては、以下に挙げるものが重要です。

  • 管理費
  • 修繕費
  • 原状回復費用
  • リフォーム費
  • 共用部の光熱費
  • 仲介手数料
  • 入居者募集の広告費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 住民税・所得税
  • 損害保険料
  • アパートローンの返済費用

アパート経営を破綻させないためにも、しっかり把握しておきましょう。

管理費

アパートの管理費は、管理会社にアパートの管理業務を委託する際の費用です。日常的な清掃やゴミ収集、設備の点検といった業務を委託するときに必要となります。

相場は物件の規模や立地、管理会社のサービス内容によって異なりますが、一般的には家賃収入の5~10%程度が目安とされています。例えば、月額家賃収入が100万円のアパートの場合、管理費は5万円から10万円が相場です。

オーナー自身が管理する「自主管理」や、一部の業務だけ委託する「一部委託」にすれば、管理費を節約できます。ただし、かなりの時間や手間が発生するため、他に本業を持っている人は管理会社に一任することをおすすめします。

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修繕費

修繕費は、建物や設備の老朽化に対応するために必要な費用で、長期的なメンテナンス計画に基づいて積み立てます。

国土交通省が作成した「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」によると、木造10戸(1K)の場合、修繕の時期と費用は以下のようなイメージになります。

築年数 修繕費用 修繕内容
5~10年目 1戸あたり約7万円(1棟約70万円) ・ベランダ、階段、廊下(塗装)
・室内設備(修理)
・排水管(高圧洗浄)
11~15年目 1戸あたり約52万円(1棟約520万円) ・屋根、外壁(塗装)
・ベランダ、階段、廊下(塗装)
・給湯器など(修理、交換)
・排水管(高圧洗浄)
16~20年目 1戸あたり約18万円(1棟約180万円) ・ベランダ、階段、廊下(塗装)
・室内設備(修理)
・給排水管(高圧洗浄、交換など)
・外構など(修繕)
21~25年目 1戸あたり約80万円(1棟約800万円) ・屋根、外壁(塗装、葺替)
・ベランダ・階段・廊下(塗装、防水)
・浴室設備など(修理、交換)
・排水管(高圧洗浄)
26~30年目 1戸あたり約18万円(1棟約180万円) ・ベランダ、階段、廊下(塗装)
・室内設備(修理)
・給排水管(高圧洗浄、交換など)
・外構など(修繕)
31年目以降 ・都度細かい修繕と、約12年間隔での大規模修繕

参照:国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」

上記を参考に時期と費用を逆算して、家賃収入から積み立てておきましょう。

原状回復費用

原状回復費用は入居者の入れ替わり時に発生する費用で、部屋を元の状態に戻すための費用です。内容はケース・バイ・ケースですが、部分的な傷の補修や汚れの除去など、最低限の工事を指します。

相場は退去時の部屋の状態によって異なりますが、一般的には1室あたり10万円程度が目安です。

損耗が大きい場合や築年数が古い場合、次で説明するリフォームが必要になり、より費用が高くなります。

リフォーム費

リフォームは、原状回復では追いつかない損耗・劣化や、築古による賃貸需要の低下を解消するために行います。原状回復は「次の人に貸すための最低限の修繕」を、リフォームは「物件として魅力を上げるための改善」と考えましょう。

リフォーム箇所ごとの費用相場は、以下の通りです。

  • 外壁(塗替え)…120万円程度~
  • 内装(壁紙や床材の張り替えなど)…1室あたり20万円程度~
  • キッチン(交換)…1室あたり10万円程度~
  • トイレ(交換)…1室あたり10万円程度~
  • 浴室(交換)…1室あたり50万円程度~

リフォーム費は内容によって大きく変わるため、上記より何倍も高額になる場合もあれば、安く抑えられる場合もあります。まずは業者に見積りを出してもらい、工事内容と費用の内訳を確認しましょう。

共用部の光熱費

廊下や階段、駐車場などの共用部分の光熱費は、オーナーの負担となります。

費用はアパートの規模や戸数にもよりますが、月額数千~数万円が目安で、それほど大きな費用負担ではありません。

電灯をLEDにしたり、アンペア数を必要最低限にしたりと、工夫次第で節約が可能です。

仲介手数料

ここでいう仲介手数料は、新たな入居者を募集する際、不動産会社に支払う手数料を指します。

賃貸契約における仲介手数料は、貸主と借主それぞれの負担分が「0.5ヶ月分以内+消費税(合計で1ヶ月分以内+消費税)」であることが原則です。ただし、負担するほうが承諾すれば、どちらか片方が家賃1ヶ月分を上限として全額負担する場合もあります。

第四貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(中略)の一月分の一・一倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。出典:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」

上記はあくまで上限であり、仲介業者によってはより安くなる場合もあります。

入居者募集の広告費

本来、入居者募集に必要な広告費は仲介手数料に含まれるため、別途支払う必要はありません。

しかし、オーナー側からの依頼で行った特別な広告の費用は、追加で支払う必要があります。

第九第二から第八までの規定によらない報酬の受領の禁止
①宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第二から第八までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によつて行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。出典:国土交通省:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額

上記を根拠に、家賃の1ヶ月程度を広告料として請求する不動産会社が少なくありません。しかし、上記はあくまで例外であり、大手新聞紙への広告出稿など「仲介手数料では賄いきれないような広告」にしか適用されません。

オーナー側の無知を利用し(あるいは業者自身が勘違いをして)、当たり前のように広告費を請求してくる仲介業者もいるので、注意が必要です。

ただし、広告費がまったくの無駄というわけでもありません。仲介業者としては広告費が付いた物件のほうを優先するため、成約率が高くなるというメリットもあります。

仲介業者との契約前には、広告費についてしっかり確認し、不要な支払いはしないよう気をつけましょう。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、土地や建物の保有に対して課せられる税金です(都市計画税は市街化区域内でのみ課税)。

自治体による物件の評価額(固定資産税評価額)に、税率を乗じて算出します。

税率は標準税率もしくは制限税率があり、課税主体となる自治体がその基準に則って設定します。

税種別 税率の基準 実際の税率の例(自治体で異なる)
固定資産税 標準税率1.4% ■東京都町田市の場合
・固定資産税…1.4%
・都市計画税…0.27%

■愛知県日進市の場合
・固定資産税…1.4%
・都市計画税…0.15%

都市計画税 制限税率0.3%

参照:東京都町田市「固定資産税・都市計画税の概要」
参照:愛知県日進市「家屋の課税について」

おおむね4~5月に納税通知書が送付され、年間4期の分割支払いとしている自治体が大半です。

住民税・所得税

住民税・所得税は、アパート経営で得た収入(不動産所得)に対する税金です。給与など他の所得と合わせて申告・納税します。

住民税は、課税所得の10%(市区町村民税6%、都民・道府県民税税4%)に、均等割を加算した金額が課税されます。均等割は一律で5,000円です(2023年時点)。

所得税は、「課税所得×税率-課税控除額」で計算し、税率は次のように決められています。

課税所得額 税率 控除額
1,000円~194万9,000円まで 5% 0円
195万円~329万9,000円まで 10% 97,500円
330万円~694万9,000円まで 20% 427,500円
695万円~899万9,000円まで 23% 636,000円
900万円~1,799万9,000円まで 33% 1,536,000円
1,800万円~3,999万9,000円まで 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

参照:国税庁「所得税の税率」

アパート経営で節税するためには、適切な経費計上を行うことが重要です。詳しくは、下記の関連記事で解説しています。

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また、アパート経営の収入については「確定申告」が必要であり、申告漏れは追徴課税のペナルティがあります。詳しくは、下記の記事をご覧ください。

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損害保険料

損害保険料は、先述した火災保険料・地震保険料が代表的です。契約によって1年契約、3年契約、5年契約などがあり、契約期間が短いほど1年あたりの保険料は高くなります。

また、上記の保険の特約や単独の保険商品として、以下のようなものがあります。

  • 施設賠償責任保険…建物が原因で人や物に損害を与えたときの補償
  • 家賃収入特約…火災などで家賃収入に損失があったときの補償
  • 家主費用特約…事故物件化によって損失が生じたときの補償

これらに加入しなくてもアパート経営は可能ですが、万が一のリスクに備えたい場合は検討してみましょう。

アパートローンの返済費用

アパートを購入する際に組んだローンの返済費用は、金利や借入額、借入期間によって異なります。

例えば、3,600万円を金利2%(固定金利型※1、元利均等方式※2)、借入期間20年でシミュレーションした場合、返済費用の月額は18万2,119円です。

※1 固定金利型…返済期間中に金利が変わらない金利方式。
※2 元利均等方式…毎月の返済額が固定になるよう、元金と利息の割合を調整する返済方法。

借入条件は人によって大きく異なるので、まずは金融機関に相談してみましょう。なお、アパートローンを使う場合に自己資金がいくら必要なのかは、次の項目で解説します。

以上が、アパート経営中に発生する経費です。収益を増やすためには、経費を減らす努力も重要なので、下記の関連記事もぜひ参考にしてください。

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アパート経営の初期費用に自己資金はいくら必要?

アパートローンを利用する場合、「頭金」と「アパート建築以外の諸費用」は自己資金で用意するのが一般的です。

具体的な金額は個々の状況によりますが、頭金とアパート建築以外の諸費用を合わせて「物件価格の10~20%」を目安としましょう。

フルローン(自己資金0円での投資)も可能ではありますが、アパート経営が赤字になりやすいうえ、そもそも審査に通る人は限られます。

自己資金については下記の関連記事でも解説しているので、よろしければ参考にしてください。

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アパートローンを組む際の注意点

アパートローンを組めば資産が少なくても高額物件を購入可能ですが、組み方には注意が必要です。

重要な注意点として、以下の4つが挙げられます。

  • 返済比率が適切かどうか確認する
  • 団信に加入するか否かよく検討する
  • 諸経費をローンに組み込めない場合がある
  • 手元資金は残せるか確認する

ローン返済が原因でアパート経営が破綻する可能性もあるので、無理のない内容で借り入れましょう。

返済比率が適切かどうか確認する

アパートローンを組む際にもっとも重要なのは、返済比率(家賃収入に対する返済額の割合)が適正な範囲内であることです。

返済比率が高すぎると、他の支出に影響を与える可能性があるため、適切な比率を維持する必要があります。

目安としては、年間家賃収入の50%以内に抑えることが望ましいとされています。年間家賃収入が100万円であれば、ローン返済額は50万円以下になるような借入にしましょう。

団信に加入するか否かよく検討する

団信(団体信用生命保険)とは、債務者が死亡や重度障害になったとき、残債が保険金で支払われる保険です。例えば、残債が3,000万円あるときに死亡した場合、保険金からその3,000万円が支払われます。

団信に加入しておくと、万が一のときに残債のないアパートを家族へ残せるため、生命保険の代わりになります。また、病気などで返済能力を失ったときのリスクヘッジにも効果的です。

ただし、保険料が金利に上乗せされるため、月々の返済費用が高くなります。途中解約もできないので、加入は慎重に検討しましょう。

団信については、下記の記事でも詳しく解説しています。

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諸経費をローンに組み込めない場合がある

建築費以外の諸経費については、アパートローンに組み込める場合と組み込めない場合があります。

組み込めない場合は現金で支払うことになりますが、手元の資金が減ってしまうため、運用中の資金繰りが難しくなります。

一方で、諸費用をローンに組み込むと返済負担も重くなるため、注意が必要です。

まずは金融機関に「諸経費のローン組み込み」が可能か確認し、そのうえで返済負担がどの程度になるかシミュレーションしてみましょう。無理に組み込まず、現金で支払っても余裕があるくらい自己資金を貯めるのも選択肢の1つです。

手元資金は残せるか確認する

前の項目でも少し触れましたが、手元の資金が減ってしまうと、運用中の資金繰りが難しくなります。

空室で家賃収入が減っても維持費はかかりますし、災害などで想定外の出費が発生する可能性もあります。アパート経営に不足の事態はつきものなので、どのような状況でも耐えられるよう、手元資金は常に一定以上確保しておきましょう。

目安としては、家賃収入の半年から1年分程度の貯蓄があると安心です。

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アパート経営の初期費用を抑える方法

余裕を持ってアパート経営を始めるには、なるべく初期費用を抑える工夫が必要です。特に、以下の3つは押さえておきましょう。

  • 金利の低い金融機関を選ぶ
  • 中古物件を購入する
  • 不動産会社から直接物件を購入する

それぞれ詳しく解説します。

金利の低い金融機関を選ぶ

アパートローンの金利は、わずかな差でも返済費用が大きく変わるため、注意が必要です。

例えば、金利2%と2.5%を以下の条件で比較してみます。

  • 借入額:3,000万円
  • ボーナス払い:なし
  • 返済期間:20年
  • 金利タイプ:固定金利型
  • 返済方法:元利均等方式

上記をシミュレーションをすると、結果は以下のようになります。

2% 2.5%
毎月返済額 15万1,765円 15万8,970円
年間返済額 182万1,180円 1,90万7,640円
総返済額
(内利息)
3,642万3,600円
(642万3,600円)
3,815万2,800円
(815万2,800円)

シミュレーション参考:知るぽると(金融広報中央委員会)「しっかりシミュレーション」

年間返済額は9万円弱、総返済額に至っては170万円以上もの差があります。自分の収入なども考慮して、可能な限り低金利で借り入れましょう。

なお、金融機関ごとの平均的な金利相場は、以下の通りです。

金融機関 金利の目安
都市銀行(メガバンク) 1~2.5%程度
地方銀行 2~3%程度
信用金庫・信用組合 2~3%程度
ノンバンク 3.0~4.5%程度
日本政策金融公庫 1.25~2%程度

中古物件を購入する

アパート経営を始めるにあたって最初に選ばなければいけないのが、新築と中古のどちらで始めるかです。

新築物件に比べて中古物件は価格が低く、初期投資を抑えられます。数百万円で購入できる物件もあるため、自己資金によっては現金一括での購入も可能です。

現金一括で購入すれば、値下げに応じてもらいやすくなるため、さらに安く購入できる可能性があります。また、アパートローンの返済費用がなくなるため、経営開始後の資金繰りも楽になります。

ただし、中古物件はローン審査で不利になる場合が多いため、ローン前提で投資したい人は注意が必要です。借入期間が短くなったり、融資そのものを拒否される恐れがあります。

ローン利用と現金一括の比較については、以下の記事で詳しく解説しています。

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不動産会社から直接物件を購入する

建売物件や中古物件を購入する場合、売主が不動産会社であれば、仲介手数料を節約できます。仲介手数料だけで数百万円かかる場合もあるため、節約できれば資金繰りは大幅に楽になります。

不動産情報を見る際、取引態様が「売主」であれば、不動産会社が直接販売している物件です。物件全体から見れば数は多くありませんが、不動産情報サイトでも探せば見つけられます。

ただし、アパート経営はあくまで家賃収入を得ることが目的なので、節約にこだわり過ぎて賃貸需要のない物件を買うのは避けなければいけません。仲介手数料の有無だけでなく、立地や管理状態などもしっかり確認しましょう。

まとめ

アパート経営の初期費用は、物件価格の5%以上が目安となります。頭金や予備資金も考慮すると、自己資金として物件価格の10~20%程度は必要です。

アパート経営には不測の事態が多いため、可能な限り余裕を持たせた資金計画が大切です。一方で、節約ばかりを意識するのも、健全な経営の妨げになります。

大切なのは、無駄な出費を省きつつ、適切な部分には十分にコストをかけることです。特に、新築する場合の建築費や経営開始後の修繕費は必要な分だけお金をかけましょう。

また、どのような資金計画を立てれば良いか不安な場合は、不動産投資会社に相談するのもおすすめです。適切な計画と戦略をアドバイスしてもらい、堅実なアパート経営を実現しましょう。

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アパート経営についてよくある質問

アパート経営の初期費用はいくら必要ですか?

物件取得費(建築費・物件購入費など)に、その他の諸費用を合わせた金額です。その他の諸費用は、5%程度が目安となります。

アパートの建築費用はどのくらいですか?

地域や物価にもよりますが、2022年度の統計から算出した相場は以下の通りです。
・木造…約58万円
・鉄骨鉄筋コンクリート造…約86万円
・鉄筋コンクリート造…約91万円
・鉄骨造…約89万円
・コンクリートブロック造…約79万円
参照:政府統計の総合窓口(e-Stat)「2022年度 建築着工統計調査(国土交通省) 建築物着工統計 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額」

初期費用のうち「その他の諸費用」にはなにが含まれますか?

以下の費用が含まれます。
・印紙税
・不動産取得税
・登記費用
・アパートローンの手数料
・火災保険・地震保険料

アパートローンを組む場合、自己資金はいくら必要ですか?

初期費用、頭金、予備資金を合わせて、物件価格の10~20%程度は用意しましょう。自己資金が多いほど、余裕を持ったアパート経営ができます。

アパート経営についての疑問・不安は、どこに相談すれば良いですか?

不動産投資会社に相談しましょう。物件選びから資金計画、購入後の維持管理まで、あらゆる面で適切なサポートをしてくれます。会社ごとにサービス内容の違いがあるため、なるべく多くの不動産投資会社を比較するのがおすすめです。→【プロが最適な投資をアドバイス!】不動産投資会社の一括比較はこちら

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