
石器・土器などの遺物や、貝塚・古墳などの遺跡が埋まっている土地は「埋蔵文化財包蔵地」といわれます。
埋蔵文化財包蔵地が見つかった場合、自治体の教育委員会に届け出をし、調査をおこなう必要があるので、土地を使えるようになるまで時間がかかってしまうのです。
場合によっては、調査費用を自分で負担する必要もあるため、金銭的な負担もかかります。
埋蔵文化財包蔵地を売却したいときは、訳あり物件の専門業者に買取してもらうことをおすすめします。
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埋蔵文化財包蔵地とは?定義について
まずは、埋蔵文化財包蔵地とはどんな土地のことなのかを解説します。
土地が埋蔵文化財包蔵地にある場合、売買に与える影響も確認しておきましょう。
埋蔵文化財包蔵地とは
「埋蔵文化財包蔵地」とは、地中に文化財が埋蔵されている可能性のある場所です。
文化財保護法の対象となる文化財とは「遺物」や「遺構」のことです。
種類 | 具体例 |
---|---|
遺跡 | 石器・土器 |
遺構 | 古代人の住居跡・柱穴・炊事場の跡 |
なお文化財保護法では、文部科学省の通達によって、次のようにかなり広い年代の遺跡が対象となっています。
種類 | 対象 |
---|---|
中世までに属する遺跡 | 原則として対象 |
近世に属する遺跡 | 地域において必要なもの |
近現代の遺跡 | 地域において特に重要なもの |
参照:文化庁「埋蔵文化財」
埋蔵文化財包蔵地の調査方法
埋蔵文化財包蔵地の売却を考えている場合、本当に埋蔵文化財包蔵地であるか調査しなければなりません。
なぜなら、埋蔵文化財包蔵地を発掘する際には、文化財保護法によって事前の届出義務があるからです。
建物を建築する場合、もれなく土地の発掘が必要になりますが、中古住宅を売る場合も、配管工事などをおこなう可能性があるため調査が必要です。
その後の教育委員会との協議によっては、発掘調査を指示されるケースもあります。
埋蔵文化財包蔵地の調査方法
「売却したい土地が埋蔵文化財包蔵地であるか?」は、市区町村の教育委員会が作成している遺跡地図・遺跡台帳で調査できます。
また遺跡地図は、市役所・町村役場のウェブサイトで公開している場合も多いです。
しかし、売りたい土地が自治体に埋蔵文化財包蔵地として指定されていない場合でも、安心てはいけません。
遺跡地図・遺跡台帳で指定されていない土地でも、以下のような場合は埋蔵文化財包蔵地と扱われるケースもあるからです。
- 「貝塚や遺跡がある」といった伝説がある
- 周辺住民に存在が知られている
埋蔵文化財包蔵地を売る場合のデメリット
売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地だと、2つのデメリットがあります。
- 売却価格が下がってしまう
- 買主が見つかりづらい
埋蔵文化財包蔵地で工事をおこなう際には、自治体の教育委員会と事前に協議して、発掘調査などをおこなわなければなりません。
そのため、埋蔵文化財包蔵地は買主からの需要が少なく、売却価格が下がる上、買主が見つからずに売れ残りやすいのです。
【デメリット1】売却価格が下がる
自治体との協議の結果、発掘調査が必要と指示された場合、買主が発掘調査の費用を負担しなければならないケースがあります。
また、埋蔵文化財包蔵地を開発する場合、埋蔵物保護のために以下のリスクが生じる恐れがあります。
- 地盤改良をおこなえない
- 通常の工事に比べて費用が割高になる
- 希望の建物が建てられない
埋蔵文化財包蔵地はこうしたリスクを抱えているため、その分だけ価格を下げないと購入しない買主が多いのです。
【デメリット2】買主が見つかりづらい
売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地である場合、売却価格を下げても買主が見つからない恐れもあります。
なぜなら、埋蔵文化財包蔵地を予定通りに開発できず、希望する建築物を建てられないリスクが大きいからです。
しかし、埋蔵物の有無は実際に発掘してみないとわかりません。
試掘のみで調査終了すれば、工事への影響も最小限で済みますが、本格的な調査が必要になると、工事の予定が大幅に狂ってしまいます。
また、発掘調査で古墳・貝塚・住居跡などが見つかった場合、埋蔵物を記録するため、工事着工が大幅に遅れるだけではなく、遺跡保存のために計画変更や工事中止を求められるケースもあります。
このように、希望どおりに工事できないリスクがあるので、埋蔵文化財包蔵地の購入を避けたいと考える買主が多いのです。
埋蔵文化財包蔵地の調査費用相場
埋蔵文化財包蔵地で埋蔵物を発掘調査するには、相当な調査費用が必要です。
素人である土地所有者が、自分で土地の数カ所を発掘する程度ではなく、土木工事を伴う本格的な発掘調査をおこなう必要があるからです。
この項目では、埋蔵文化財包蔵地の調査費用相場を見ていきましょう。
埋蔵文化財包蔵地の調査費用
埋蔵文化財包蔵地の発掘調査には、次のような費用がかかります。
・重機のレンタル料金
・測量費用
・発掘調査を運営するための事務費
・現場に設置するプレハブなどの施設費・撤去費用
・工事現場の警備費用
最終的にかかる工事費用は、埋蔵されている出土品・土地の面積などの条件によって変わり、土地の面積が大きいほど、費用も高くなる傾向にあります。
文化庁の資料によれば、平成29年度に実施された発掘調査にかかった調査費用の平均は約94万円です。
調査の種類 | 調査費用の平均 |
---|---|
個人住宅建築のための調査 | 約94万円 |
個人事業のための発掘調査 | 約263万円 |
調査費用は誰が負担する?
埋蔵物の発掘調査にかかる費用は、土地を開発する人が負担するのが原則です。
調査費用を行政が負担してくれるのは、自己居住用の専用住宅を建築する場合のみです。
したがって、以下のようなケースでは、調査費用を土地の購入者が負担しなければなりません。
- 不動産投資のために物件を購入する
- アパート・マンションといった収益物件を建築する
- 事務所兼用の住宅を建築する
事業利用のケースでは、開発面積も大きくなり、追加の工事費用による経済的損失が大きいため、事業者は埋蔵文化財包蔵地を嫌う傾向にあります。
人はたくさん住んでいるのに周辺に大きな店舗が全くないような区域は、埋蔵文化財包蔵地である可能性が高いでしょう。
埋蔵文化財包蔵地の売買で「契約不適合責任」を負うケース
土地に埋蔵物があることは、「瑕疵(かし)」となります。
瑕疵というのは、法律用語で「傷・欠陥」といった意味です。
つまり、土地に埋蔵物があることは「土壌汚染が見つかった」というケースと同様に考える必要があります。
売却した物件に不具合が見つかった場合、原則として売主側に「契約不適合責任」があります。

買主に対して事前の説明を怠った場合
瑕疵のある物件でも、法律で禁止されている場合を除いては、原則自由に売買できます。
しかし、欠陥のある物件を売却するときには、欠陥がある事実を売買契約締結前に買主へ説明しなければなりません。
もし「埋蔵文化財包蔵地と知っていれば、土地を買わなかった」と買主が感じた場合、売主の契約不適合責任が追及されます。
つまり、買主に事実を伝えずに埋蔵文化財包蔵地を売却すると、契約不適合責任を追及されて、売買契約解除や損害賠償請求が認められる恐れがあるため注意しましょう。

売買契約締結前に十分な調査をしなかった場合
売却した土地が埋蔵文化財包蔵地である事実を売主も知らなかった場合、買主への事前説明はできません。
しかし、埋蔵文化財包蔵地である事実を売主が知らなかった場合でも、十分な事前調査を怠ったことが問題となります。
例えば、売主が遺跡地図を確認せずに不動産を売買した場合、埋蔵文化財包蔵地である事実を知らなかったのは、明らかに売主の落ち度といえるからです。
埋蔵文化財が出土してしまった場合
埋蔵文化財包蔵地として周知されていない土地であっても、工事の過程で埋蔵物が発見されたときには、買主に大きな損害が発生し、売主に対して賠償を請求されるケースがあります。
埋蔵物が発見されたときには、埋蔵文化財包蔵地として指定されているか否かを問わず、警察に届ける必要があり、発見物が文化財と思われる場合は教育委員会へ提出することになっています。
教育委員会の判断によっては、工事中断・変更・中止といった措置を指示されることもあり、買主に多額の損失が生じる恐れもあるのです。
埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却する4つのコツ
埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルで買主に損害が発生すれば、売却額以上の損害賠償を請求される恐れがあります。
以下では、このようなトラブルを回避するためのコツについて解説します。
1.買主が見つかる前に事前調査をする
埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却するためには、できる限りの事前調査することが一番の対策です。
取引前に、遺跡地図・遺跡台帳を確認することはもちろん、埋蔵文化財包蔵地である可能性を少しでも感じたときには、市町村の教育委員会に確認しておくべきといえます。
また、埋蔵文化財包蔵地の区域となっていない土地でも、地域の古老・地主、地域史に詳しい人に聞き込み調査をしておけば安心です。
2.売買契約締結前に重要事項説明をおこなう
埋蔵文化財包蔵地として指定されている範囲にある土地を売却するときには、契約締結前に十分な重要事項説明をおこなうことが重要です。
とくに、事業者ではない個人に不動産を売却する際には、埋蔵文化財包蔵地で工事を進める手続きも説明しておいた方がよいでしょう。
買主が教育委員会との協議の手続きについて正しい知識を得ていれば、予測外のトラブルに巻き込まれるリスクも小さくなるからです。
3.トラブルが起きる前に弁護士に相談する
埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルは、判断の難しいケースが少なくありません。
例えば、上で解説した売主の契約不適合責任についても、売買契約前後の売主・買主の行動や損害の程度によって、結論は変わるものです。
したがって、不動産取引や法律について詳しい知識のない人が独自に判断することは適切とはいえません。
不動産取引時の契約書作成や土地の契約不適合責任について弁護士などの専門家へ相談しておくことも有効な対策といえます。
4.「訳あり物件専門の買取業者」に売却する
埋蔵文化財包蔵地に関する調査や説明は、一般の人には面倒で難しいケースが多いです。
また、一般の不動産業者には、埋蔵文化財包蔵地の取扱いに慣れていない業者もいます。
埋蔵文化財包蔵地にある物件を売却する場合、訳あり物件の取扱い経験が豊富な専門業者に依頼すれば、売主の負担を軽減できます。
専門業者であれば、調査・説明についての十分なノウハウを備えているので、売却後のトラブルを避けるために必要な措置を取ってくれることが期待できるからです。
また、十分で丁寧な説明をしてくれることは、買主の不安を軽減することにもつながります。
さらに、訳あり物件の専門業者は買取に応じてくれる業者が多いのも魅力のひとつです。
不動産業者の買取では「契約不適合責任」が適用されないため、売主にとっての最大のリスクを心配する必要もありません。

当社は埋蔵文化財包蔵地のご相談も大歓迎
当社クランピーリアルエステートは、訳あり物件の取扱いには特に自信があります。
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まとめ
埋蔵文化財包蔵地の物件だからといって、売却できないと諦める必要はありません。
埋蔵文化財包蔵地であっても、ケースによってはほとんど支障なく工事を進められますし、1日程度の試掘調査のみで終了することも珍しくありません。
埋蔵文化財包蔵地の取扱いに長けている専門業者であれば、必要な調査・調査規模・費用見積りなどの、不動産売買に伴うリスクを正確に見積りできます。
さらには、埋蔵文化財包蔵地の抱えるリスクをすべて請け負う形で「訳あり物件専門の買取業者」にそのまま買取してもらうことも可能です。
「埋蔵文化財包蔵地のせいで物件が売れない・・・」と言った場合、訳あり物件専門の買取業者である当社まで、お気軽にご相談ください。
埋蔵文化財包蔵地のよくある質問
発掘調査をおこなわなくても、法律上は埋蔵文化財包蔵地をそのまま売却できます。ただし通常の土地とは異なり、買主が見つからずに売れにくい傾向にあります。
埋蔵文化財包蔵地に建物を建てる場合、工事着工前に自治体へ届出をおこなう必要があります。まずは自治体へ届出をおこない「発掘調査をおこなうか?」などの指示を仰ぎましょう。
埋蔵文化財包蔵地の場所を知りたい場合は自治体へ問い合わせましょう。また、既に発見された埋蔵文化財包蔵地の場所は各都道府県の教育委員会やホームページなどで確認できます。
自治体の措置によっては買主の希望どおりの建物を建てられない恐れがあるので、埋蔵文化財包蔵地は通常の土地より売れにくい傾向にあります。
「訳あり物件専門の買取業者」に埋蔵文化財包蔵地を買取してもらいましょう。遺跡の調査を実施しなくても、そのまま売却可能です。
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