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【埋蔵文化財包蔵地の土地売却】調査費用、トラブルなく売却する4つのコツ

埋蔵文化財包蔵地

日本には、住宅地にも数多くの遺跡が点在しています。文化庁によれば、埋蔵文化財包蔵地は全国に約46万カ所もあるとのことなので、あなたが売却しようと思っている不動産も埋蔵文化財包蔵地として指定されている区域かもしれません。埋蔵文化財包蔵地で建築工事を行う際には、法律上の規制によって、買主の希望通りに工事が進められない場合があります。そのため売主もトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるのです。

この記事では、埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却するために知っておきたいポイントについてまとめてみました。

埋蔵文化財包蔵地とは?定義について

埋蔵文化財包蔵地
まずは、埋蔵文化財包蔵地とはどんな土地のことなのか、土地が埋蔵文化財包蔵地の区域内であるときに売買に与える影響について確認しておきましょう。

埋蔵文化財包蔵地とは

「埋蔵文化財包蔵地」とは、地中に文化財が埋蔵されている(可能性のある)場所のことを指す文化財保護法上の用語です。文化財保護法の対象となる文化財には、「遺物」、「遺構」があります。遺物の典型例としては石器や土器、遺構の典型例としては古代人の住居跡、柱穴・炊事場の跡を挙げることができます。なお、遺跡というと古墳や貝塚のような「大昔のもの」が対象になるイメージがありますが、文化財保護法の対象となる遺跡は、文部科学省の通達によって次のようにかなり広い年代の遺跡が対象となっています。

・おおむね中世までに属する遺跡は、原則として対象とする
・近世に属する遺跡については、地域において必要なものを対象にできる
・近現代の遺跡については、地域において特に重要なものを対象にできる

参照:文部科学省 埋蔵文化財の保護と発掘調査の円滑化等について

埋蔵文化財包蔵地の調査方法

土地の売却を考えているときには、対象地が埋蔵文化財包蔵地として「周知」されている区域の範囲内であるかどうかを調査する必要があります。埋蔵文化財包蔵地であると周知されている土地を発掘する際には、文化財保護法によって、「事前の届出義務」があり、その後の教育委員会との協議によっては「発掘調査を指示される」ことがあるからです。なお、「土地の発掘」には、建物の建築工事といった大規模な土木工事だけでなく、私設管の埋設工事なども含まれます。したがって、浄化槽の設置、配管工事などを行う可能性がある場合には「中古住宅を売る」場合でも無関係ではありません。
参照:総務省 文化財保護法(93条)

売却を考えている土地が周知の埋蔵文化財包蔵地であるかどうかは、「市町村の教育委員会が作成している遺跡地図・遺跡台帳」で調査できます遺跡地図は、市役所、町村役場のウェブサイトで公開している場合も多いです。
参照:さいたま市ウェブサイト 埋蔵文化財に関する手続き

ところで、売却予定の土地が自治体の地図で埋蔵文化財包蔵地として指定されていない場合でも、安心しきってはいけません。遺跡地図・遺跡台帳で指定されていない区域でも、「貝塚や遺跡がある」といった伝説がある、周辺住民に口言い伝えられている(周辺住民の中では一般的に知られている)場合には、遺跡地図・遺跡台帳で指定されていない区域でも「埋蔵文化財包蔵地として周知されている」と評価されることもあるからです。

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地だったときに生じる2つの影響

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地であることは、「売却価格が下がってしまう」、「買手が見つかりづらい」といった不動産売買にとって悪い影響を与えることがあります。埋蔵文化財包蔵地で工事を行う際には、市町村(教育委員会)と事前に協議を行い、発掘調査や発見された埋蔵物を保存するために必要な措置を講じなければならない場合があるからです。

売却価格が下がる

市町村との協議の結果、発掘調査が必要であると指示された場合には、土地の利用者である買主が発掘調査の費用を負担しなければならない場合があります。また、埋蔵文化財包蔵地を開発するときには、埋蔵物の保護のために地盤改良を行えない場合もあり、通常の工事に比べて費用が割高になる、希望の建物が建てられないということもあるでしょう。「追加の費用負担のリスク」があれば、その分だけ価格を下げて欲しいと希望する買い手が多くなることが予想されます。

買主が見つかりづらい

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地であるときには、売却価格を下げても「買主がみつかりづらい」可能性もあります。埋蔵文化財包蔵地での開発は、「予定通りに行えない」、「希望の建築物が建てられなくなる」リスクがとても大きいからです。埋蔵物の有無は、「実際に発掘してみないとわからない」ので結果の予測が簡単ではありません。試掘(予備調査としての試し掘り)のみで調査が終了した場合には、工事の計画への影響も最小限に抑えることができますが、他方で「本格的な調査がさらに必要」と判断されれば、工事の予定が大幅に狂ってしまうことも少なくありません。

また、発掘調査で古墳・貝塚・住居跡などが見つかった場合には、埋蔵物を記録する作業のために工事着工が大幅に遅れてしまうだけではなく、遺跡保存のために、「計画の変更」、「工事の中止」を求められるケースもあります。以上のように、「希望どおりの工事ができないリスクがある」ので、埋蔵文化財包蔵地の購入は避けたいと考える人が多いです。

埋蔵文化財包蔵地の調査費用の相場

発掘調査
埋蔵物の発掘調査には、相当な費用がかかります。素人である土地所有者が、「自分で土地の数カ所を発掘してみた」という程度では足りず、土木工事を伴う発掘調査などを行う必要があるからです。

埋蔵文化財包蔵地の調査費用

埋蔵文化財包蔵地の発掘調査には、次に掲げるような様々な費用がかかります

・作業員の人件費
・重機のレンタル料金
・測量費用
・発掘調査を運営するための事務費
・現場に設置するプレハブなどの施設費・撤去費用
・工事現場の警備費用

最終的にかかる工事費用は、遺跡に埋蔵されている可能性のある出土品の種別、対象となる土地の面積などの条件によって変わってきます。当然、土地の面積が大きいほど、費用も高くなると考えておくべきでしょう。文化庁が公表している資料によれば、平成29年度に実施された発掘調査にかかった費用の平均は、個人住宅建築のための調査の場合では約94万円、個人事業のための発掘調査の場合には、約263万円となっています。
参照:文化庁 埋蔵物文化財関係統計資料

調査費用は誰が負担する?

 
埋蔵物の発掘調査にかかる費用は、「その土地を開発(利用)する人」が負担するのが原則です。居住用住宅を建築するという場合に限っては、調査費用は原則として国が負担してくれます。したがって、調査費用の負担を心配しなくて良いという場合も少なくありません。ただし、調査費用を行政が負担してくれるのは、「自己居住用の専用住宅」を建築する場合のみです。

したがって、「不動産投資のために物件を購入する」、「アパート・マンションといった収益物件を建築する」、「事務所兼用の住宅を建築したい」というケースでは、調査費用を土地の購入者が負担しなければならなくなります。事業利用のケースでは、開発する面積も大きくなり、工事費用の追加負担は大きな経済的損失となりますので、事業者は埋蔵文化財包蔵地を嫌うのが一般的といえます。「人はたくさん住んでいるのに周辺に大きな店舗が全くない」という区域は、埋蔵文化財包蔵地である可能性が高いといえるでしょう。

埋蔵文化財包蔵地の売買で「瑕疵担保責任」を負う可能性があるケース

土地に埋蔵物があることは、「瑕疵(かし)」となります。瑕疵というのは、法律用語で「傷・欠陥」といった意味です。つまり、土地に埋蔵物があることは、「お宝発見」と喜ぶケースではなく、「土壌汚染が見つかった」という場合と同様に考える必要があります。

売主には買主に対する「瑕疵担保責任」があります(民法570条)瑕疵担保責任とは、わかりやすくいえば、「買主の知らなかった不動産の欠陥が原因で問題が生じたときに売主に生じる損害賠償義務」と理解しておけばよいでしょう。
参照:民法570条 売主の瑕疵担保責任

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埋蔵文化財包蔵地であることを「売主も知らなかった」場合には、説明すること自体不可能です。しかし、売主に「埋蔵文化財包蔵地であることを知っておくべきだった」という事情があるときには、「事前に十分な調査を怠った」ことが問題となります

たとえば、売主が遺跡地図を確認することもなく、不動産を売買した場合には、「埋蔵文化財包蔵地であることを知らなかった」のは、明らかに売主の落ち度といえます。遺跡地図に記載がない場合でも、地域に伝わる伝説や口伝(言い伝え)、近隣の土地で遺構や遺物が発見されているといった、「その土地が遺跡であるかもしれないと推測できる事情」があるときには、さらなる調査をする必要があると考えられています。

埋蔵文化財が出土してしまった場合

埋蔵文化財包蔵地として周知されていない土地であっても、工事の過程で埋蔵物が発見されたときには、開発者(買主)に大きな損害が発生し、売主に対して賠償請求がなされることがあります。埋蔵物が発見されたときには、埋蔵文化財包蔵地として指定されているか否かを問わず、警察に届ける必要があり、警察は発見物が文化財である可能性があるときには教育委員会に提出することになっています。教育委員会の判断によっては、工事の中断、変更、中止といった措置を指示されることもあり、開発者(買主)に多額の損失が生じるケースもあるのです。

埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却する4つのコツ

土地売却
埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルによって、工期遅れ、計画変更、計画中止などが起こり買主に多額の損害が発生すれば、売却額以上の損害賠償を請求されることがあります。以下では、このようなトラブルを回避するために押さえておきたい4つのポイントについてまとめてみました。

買手が見つかる前にできる限りの事前調査をする

埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却するためには、「できる限りの事前調査」を行うことが一番の基本です。取引前に、遺跡地図・遺跡台帳を確認することはもちろん、埋蔵文化財包蔵地である可能性が少しでもあると感じたときには、市町村の教育委員会に確認しておくべきといえます。また、埋蔵文化財包蔵地の区域となっていないときでも、地域の古老・地主、地域史に詳しい人に話を聴いてみるといった調査までしておけば安心です。

売買契約締結前の重要事項説明は特に丁寧に行う

埋蔵文化財包蔵地として指定されている範囲にある土地を売却するときには、契約締結前に十分かつ丁寧な重要事項説明を行うことが重要です。特に、事業者ではない個人に不動産を売却する際には、埋蔵文化財包蔵地で工事を進める際の手続きについても説明しておいた方がよいでしょう。買主が教育委員会との協議の手続きについて正しい知識を得ていれば、予測外のトラブルに巻き込まれるリスクも小さくなるといえるからです。

トラブルが起きる前に弁護士に相談してみる

埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルは、判断の難しいケースが少なくありません。たとえば、上で解説した売主の瑕疵担保責任についても、「〇〇の場合には必ずこうなる」というものではなく、売買契約前後の売主・買主の行動、実際に生じた損害の程度によって、裁判となった場合の結論は変わるものです。

したがって、不動産取引や法律について詳しい知識のない人が独自に判断することは適切とはいえない場合が多いといえます。弁護士などの専門家に不動産取引時の契約書作成や土地の瑕疵担保責任について予め相談しておくことも有効な対策といえます。

専門業者に依頼する

埋蔵文化財包蔵地に関する調査や説明は、一般の人には面倒で難しいケースが少なくありません。また、一般の不動産屋には、埋蔵文化財包蔵地の取扱いに慣れていない業者もいます。その意味では、売却予定の物件が埋蔵文化財包蔵地であるときには、訳あり物件の取扱い経験が豊富な専門業者に依頼することが、売主の負担を最も軽減できる方法といえます。

専門業者であれば、調査・説明についての十分なノウハウを備えているので、売却後のトラブル回避ために必要な措置を取ってくれることが期待できるからです。また、十分で丁寧な説明をしてくれることは、買主の不安を軽減することにもつながります。さらに、訳あり物件の専門業者は、「買取り」に応じてくれるところが多いのも魅力のひとつです。不動産業者の買取りでは「瑕疵担保責任」が適用されないのが一般的なので、売主にとっての最大のリスクを心配する必要もありません

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まとめ

埋蔵文化財包蔵地の物件は売れないとあきらめてしまう必要はありません。埋蔵文化財包蔵地であっても、深い基礎を打ち込む必要がない場合や簡易な盛土で対応できるケース(工事が埋蔵物のある深さまで及ばない場合)では、ほとんど支障なく工事を進められますし、1日程度の試掘調査のみで終了することも珍しくありません。

埋蔵文化財包蔵地の取扱いに長けている専門業者であれば、必要な調査の程度、発掘調査の規模・費用見積りなどの、不動産売買に伴うリスクを正確に見積ることができます埋蔵文化財包蔵地であることが原因で不動産がなかなか売れない、よい不動産会社が見つからない、埋蔵文化財包蔵地の売却に不安があるという方は、当社にお気軽にご相談ください

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