【埋蔵文化財包蔵地の土地売却】調査費用、トラブルなく売却する4つのコツ

埋蔵文化財包蔵地

石器・土器などの遺物や、貝塚・古墳などの遺跡が埋まっている埋蔵文化財包蔵地。

埋蔵文化財包蔵地は売却しようと思っても、

・売却する土地が埋蔵文化財包蔵地だと売却価格にどんな影響があるの?
・発掘調査が必要なときの費用はどれくらい?土地の売主と買主のどちらが負担するの?
・埋蔵文化財包蔵地の売却でどんなトラブルが起こるの?対策もいっしょに知りたい!

など、さまざまな悩みや疑問を抱えている方も多いでしょう。

この記事では「埋蔵文化財包蔵地の土地を手放したい人」のために、不動産専門家の観点から解説し、疑問やお悩みを解決します。

具体的には、

・埋蔵文化財包蔵地の定義や売却時の影響
・埋蔵文化財包蔵地の調査費用の相場
・埋蔵文化財包蔵地の売買で「契約不適合責任」を負う可能性があるケース
・埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却する4つのコツ

の順番に重要なポイントだけを紹介していきます。

この記事を読めば、埋蔵文化財包蔵地の土地を売却する際に起こりえるトラブルが事前にわかり、対策を立ててスムーズに売却できるようになります。

最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。

埋蔵文化財包蔵地とは?定義について

埋蔵文化財包蔵地
まずは、埋蔵文化財包蔵地とはどんな土地のことなのか、土地が埋蔵文化財包蔵地の区域内であるときに売買に与える影響について確認しておきましょう。

埋蔵文化財包蔵地とは

「埋蔵文化財包蔵地」とは、地中に文化財が埋蔵されている(可能性のある)場所のことを指す文化財保護法上の用語です。文化財保護法の対象となる文化財には「遺物」や「遺構」があります。遺物の典型例としては石器や土器、遺構の典型例としては古代人の住居跡、柱穴・炊事場の跡などが挙げられます。なお、遺跡というと古墳や貝塚のような「大昔のもの」が対象になるイメージがありますが、文化財保護法の対象となる遺跡は、文部科学省の通達によって次のようにかなり広い年代の遺跡が対象となっています。

・おおむね中世までに属する遺跡は、原則として対象とする
・近世に属する遺跡については、地域において必要なものを対象にできる
・近現代の遺跡については、地域において特に重要なものを対象にできる

参照:文化庁「埋蔵文化財」

埋蔵文化財包蔵地の調査方法

土地の売却を考えている場合、対象地が埋蔵文化財包蔵地として「周知」されている区域の範囲内であるか調査する必要があります。埋蔵文化財包蔵地であると周知されている土地を発掘する際には、文化財保護法によって「事前の届出義務」があり、その後の教育委員会との協議によっては「発掘調査を指示される」必要があるからです。なお「土地の発掘」には、建物の建築工事といった大規模な土木工事だけでなく、私設管の埋設工事なども含まれます。したがって、浄化槽の設置、配管工事などをおこなう可能性がある「中古住宅を売る」場合でも無関係ではありません。
参照:e-Govポータル「文化財保護法第93条」

売却したい土地が周知の埋蔵文化財包蔵地であるかどうかは、市区町村の教育委員会が作成している遺跡地図・遺跡台帳で調査できます遺跡地図は、市役所、町村役場のウェブサイトで公開している場合も多いです。

ところで、売却予定の土地が自治体の地図で埋蔵文化財包蔵地として指定されていない場合でも、安心しきってはいけません。遺跡地図・遺跡台帳で指定されていない区域でも、「貝塚や遺跡がある」といった伝説がある、周辺住民に言い伝えられている(周辺住民の中では一般的に知られている)場合には、遺跡地図・遺跡台帳で指定されていない区域でも「埋蔵文化財包蔵地として周知されている」と評価されることもあるからです。

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地だったときに生じる2つの影響

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地だと「売却価格が下がってしまい、買主も見つかりづらい恐れがあります。埋蔵文化財包蔵地で工事をおこなう際には、市町村(教育委員会)と事前に協議を行い、発掘調査や発見された埋蔵物を保存するために必要な措置を講じなければならない場合があるからです。

売却価格が下がる

市町村との協議の結果、発掘調査が必要であると指示された場合には、土地の利用者である買主が発掘調査の費用を負担しなければならない場合があります。また、埋蔵文化財包蔵地を開発するときには、埋蔵物の保護のために地盤改良をおこなえない場合もあり、通常の工事に比べて費用が割高になる、希望の建物が建てられないということもあるでしょう。追加の費用を負担するリスクがあれば、その分だけ価格を下げて欲しいと希望する買主が多いことも予想されます。

買主が見つかりづらい

売却予定の土地が埋蔵文化財包蔵地であるときには、売却価格を下げても買主がみつかりづらい可能性もあります。埋蔵文化財包蔵地での開発は予定通りにおこなえず、希望の建築物を建てられないリスクが大きいからです。埋蔵物の有無は「実際に発掘してみないとわからない」ので結果の予測が簡単ではありません。試掘(予備調査としての試し掘り)のみで調査が終了した場合には、工事の計画への影響も最小限に抑えられますが、本格的な調査がさらに必要と判断されれば、工事の予定が大幅に狂ってしまうことも少なくありません。

また、発掘調査で古墳・貝塚・住居跡などが見つかった場合、埋蔵物を記録する作業のために工事着工が大幅に遅れるだけではなく、遺跡保存のために「計画の変更」や「工事の中止」を求められるケースもあります。以上のように「希望どおりに工事できないリスクがある」ので、埋蔵文化財包蔵地の購入は避けたいと考える人が多いです。

埋蔵文化財包蔵地の調査費用の相場

発掘調査
埋蔵物の発掘調査には、相当な費用がかかります。素人である土地所有者が、自分で土地の数カ所を発掘する程度ではなく、土木工事を伴う発掘調査などをおこなう必要があるからです。

埋蔵文化財包蔵地の調査費用

埋蔵文化財包蔵地の発掘調査には、次に掲げるような様々な費用がかかります

・作業員の人件費
・重機のレンタル料金
・測量費用
・発掘調査を運営するための事務費
・現場に設置するプレハブなどの施設費・撤去費用
・工事現場の警備費用

最終的にかかる工事費用は、遺跡に埋蔵されている可能性のある出土品の種別、対象となる土地の面積などの条件によって変わります。当然、土地の面積が大きいほど、費用も高くなると考えるべきでしょう。文化庁が公表している資料によれば、平成29年度に実施された発掘調査にかかった費用の平均は、個人住宅建築のための調査は約94万円、個人事業のための発掘調査は、約263万円となっています。
参照:文化庁「埋蔵物文化財関係統計資料」

調査費用は誰が負担する?

 
埋蔵物の発掘調査にかかる費用は、「その土地を開発(利用)する人」が負担するのが原則です。居住用住宅を建築するという場合に限っては、調査費用は原則として国が負担してくれます。したがって、調査費用の負担を心配しなくて良いという場合も少なくありません。ただし、調査費用を行政が負担してくれるのは、「自己居住用の専用住宅」を建築する場合のみです。

したがって、「不動産投資のために物件を購入する」「アパート・マンションといった収益物件を建築する」、「事務所兼用の住宅を建築したい」というケースでは、調査費用を土地の購入者が負担しなければならなくなります。事業利用のケースでは、開発する面積も大きくなり、追加の工事費用は経済的損失となりますので、事業者は埋蔵文化財包蔵地を嫌うのが一般的といえます。「人はたくさん住んでいるのに周辺に大きな店舗が全くない」という区域は、埋蔵文化財包蔵地である可能性が高いでしょう。

埋蔵文化財包蔵地の売買で「契約不適合責任」を負う可能性があるケース

土地に埋蔵物があることは、「瑕疵(かし)」となります。瑕疵というのは、法律用語で「傷・欠陥」といった意味です。つまり、土地に埋蔵物があることは「土壌汚染が見つかった」というケースと同様に考える必要があります。

売却した物件に不具合が見つかった場合、原則として売主側に保障の責任があります。

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買主に対して事前の説明を怠った場合

欠陥のある物件でも、法で禁止されている場合を除いては、原則自由に売買できます。しかし、欠陥のある物件を売却するときには、欠陥があることを契約締結前に買主へ説明しなければなりません。「欠陥があると知っていれば不動産を買わなかった」という買主が多いからです。不動産売買をめぐるトラブルが訴訟に発展した場合、売主が重要事項説明を怠ったことで損害賠償請求が認められることがあります。

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売買契約締結前に十分な調査をしなかった場合

埋蔵文化財包蔵地であることを売主も知らなかった場合、説明すること自体が不可能です。しかし、埋蔵文化財包蔵地であることを売主が知らなかった場合、十分な事前調査を怠ったことが問題となります

例えば、売主が遺跡地図を確認せずに不動産を売買した場合、埋蔵文化財包蔵地であることを知らなかったのは、明らかに売主の落ち度といえます。遺跡地図に記載がない場合でも、地域に伝わる伝説や口伝(言い伝え)、近隣の土地で遺構や遺物が発見されているといった「その土地が遺跡であるかもしれないと推測できる事情」があるときには、調査する必要があると考えられています。

埋蔵文化財が出土してしまった場合

埋蔵文化財包蔵地として周知されていない土地であっても、工事の過程で埋蔵物が発見されたときには、買主に大きな損害が発生し、売主に対して賠償を請求されるケースがあります。埋蔵物が発見されたときには、埋蔵文化財包蔵地として指定されているか否かを問わず、警察に届ける必要があり、発見物が文化財と思われる場合は教育委員会へ提出することになっています。教育委員会の判断によっては、工事の中断、変更、中止といった措置を指示されることもあり、買主に多額の損失が生じるケースもあるのです。

埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却する4つのコツ

土地売却
埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルによって、工期遅れ、計画変更、計画中止などが起こり買主に損害が発生すれば、売却額以上の損害賠償を請求されることがあります。以下では、このようなトラブルを回避するためのコツについて解説します。

買主が見つかる前にできる限りの事前調査をする

埋蔵文化財包蔵地をトラブルなく売却するためには、できる限りの事前調査することが一番の対策です。取引前に、遺跡地図・遺跡台帳を確認することはもちろん、埋蔵文化財包蔵地である可能性を少しでも感じたときには、市町村の教育委員会に確認しておくべきといえます。また、埋蔵文化財包蔵地の区域となっていない土地でも、地域の古老・地主、地域史に詳しい人に聞き込み調査をしておけば安心です。

売買契約締結前の重要事項説明は特に丁寧に行う

埋蔵文化財包蔵地として指定されている範囲にある土地を売却するときには、契約締結前に十分な重要事項説明をおこなうことが重要です。特に、事業者ではない個人に不動産を売却する際には、埋蔵文化財包蔵地で工事を進める手続きも説明しておいた方がよいでしょう。買主が教育委員会との協議の手続きについて正しい知識を得ていれば、予測外のトラブルに巻き込まれるリスクも小さくなるからです。

トラブルが起きる前に弁護士に相談してみる

埋蔵文化財包蔵地をめぐるトラブルは、判断の難しいケースが少なくありません。例えば、上で解説した売主の契約不適合責任についても、売買契約前後の売主・買主の行動や損害の程度によって、結論は変わるものです。

したがって、不動産取引や法律について詳しい知識のない人が独自に判断することは適切とはいえません。不動産取引時の契約書作成や土地の契約不適合責任について弁護士などの専門家へ相談しておくことも有効な対策といえます。

専門業者に依頼する

埋蔵文化財包蔵地に関する調査や説明は、一般の人には面倒で難しいケースが多いです。また、一般の不動産業者には、埋蔵文化財包蔵地の取扱いに慣れていない業者もいます。埋蔵文化財包蔵地にある物件を売却する場合、訳あり物件の取扱い経験が豊富な専門業者に依頼すれば、売主の負担を軽減できます

専門業者であれば、調査・説明についての十分なノウハウを備えているので、売却後のトラブルを避けるために必要な措置を取ってくれることが期待できるからです。また、十分で丁寧な説明をしてくれることは、買主の不安を軽減することにもつながります。さらに、訳あり物件の専門業者は買取に応じてくれる業者が多いのも魅力のひとつです。不動産業者の買取では「契約不適合責任」が適用されないため、売主にとっての最大のリスクを心配する必要もありません

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当社は埋蔵文化財包蔵地のご相談も大歓迎です

当社は、訳あり物件の取扱いには特に自信があります。弁護士などの専門家とも提携関係にあるので、万が一の場合にも迅速に対応可能です。

また、価格についても、当社ならではのノウハウによって、他の仲介業者よりも高額な買取価格を提案できます売却を検討している物件が埋蔵文化財包蔵地の範囲内にあるときには、下記のリンクからお気軽にお問い合わせください

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まとめ

埋蔵文化財包蔵地の物件は売れないと諦める必要はありません。埋蔵文化財包蔵地であっても、深い基礎を打ち込む必要がない場合や簡易な盛土で対応できるケース(工事が埋蔵物のある深さまで及ばない場合)では、ほとんど支障なく工事を進められますし、1日程度の試掘調査のみで終了することも珍しくありません。

埋蔵文化財包蔵地の取扱いに長けている専門業者であれば、必要な調査の程度、発掘調査の規模・費用見積りなどの、不動産売買に伴うリスクを正確に見積りできます埋蔵文化財包蔵地であることが原因で不動産がなかなか売れない、よい不動産会社が見つからない、埋蔵文化財包蔵地の売却に不安があるという方は、当社にお気軽にご相談ください

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