古家付き土地を売却するメリット・デメリット【売却価格相場も解説】

古家付き土地 売却

築年数が古い家の売却では「古家付き土地」として売却する方法があります。

取引のメインは「土地」ですが、家は解体せずにそのまま売り出すため「古家付き土地」と呼ばれます。

この記事では、古家付き土地として売却するメリット・デメリットのほか、売却価格相場や費用についてくわしく説明します。

また、築古物件では解体して売り出したほうがよいケースについても説明しているので、売却活動を始める際に、参考にしてください。

目次

「古家付き土地」とは古い家を売却するための方法

「古家付き土地」とは、経済的な価値のない家(古家)が建ったままの土地です。

耐用年数が過ぎた家を売却する際には「古家付き土地」とするケースが多いです。

不動産広告では「土地/(面積)㎡(現況:古家あり)」のように記載し、その「家」ではなく「土地」がほしい人をターゲットにした売却方法です。

買主は購入後、家を取り壊して新築したり、駐車場や太陽光などの土地活用に使用します。

「古家付き土地」と「中古住宅」の違い

築古物件には「中古住宅」としての売却方法もあります。

「土地と建物」をセットで売却する点は古家付き土地と同じですが、購入後の一般的な利用方法が異なります。

「中古住宅」であれば家に経済的価値があり、買主はそのまま家に住むことを前提にしています。

それに対して「古家付き土地」では購入後、更地にして新築したり、駐車場・太陽光発電などの土地活用を前提にしています。

なお、建物を解体するかどうかは買主の自由です。

「古家付き土地」として売却しても、買主が解体せずに家をそのまま使い続けるケースもあれば「中古住宅」として売却しても、買主が解体して家を新築するケースもあります。

「古家付き土地」で売却したあと、建物部分の不具合について欠陥を指摘されないように念のため、建物部分については「契約不適合責任の免責」を契約条項に加えておきましょう。

この点については、後ほど詳しく説明します。

次から、古家付き土地として売却するメリット・デメリットについて説明していきます。

古家付き土地として売却するメリット

古家付き土地として売却するメリットは主に以下の4つです。

  1. 取り壊し費用がかからない
  2. 固定資産税を抑えたまま売却活動ができる
  3. 買主が住宅ローンを利用できる
  4. 3,000万円特別控除の適用される期間が更地よりも長い

1つずつ説明します。

取り壊し費用がかからない

「古家付き」で売却するので原則、取り壊し費用がかかりません。

「更地」にして売却する場合に比べて、費用面での負担が小さいです。

また、解体費用がかからない分、売却価格を下げても、手元に残る現金は「更地」よりも多くなる可能性があります。

ただし、買主の解体費用の負担を見越して、最初から値下げした価格で売り出すと、その価格から値下げ交渉される恐れがあるので注意してください。

古屋の解体費用相場

古家を解体して更地にする場合、取り壊し費用だけでなく整地費用もかかります。

実際にかかる解体費用は、見積もりを取るまで正確な金額を出せませんが、建物の構造によって相場があります。

1坪単位での相場は下表のとおりです。

構造 坪単価
木造 4万円〜5万円
鉄骨造 6万円〜7万円
鉄筋コンクリート造 7万年〜8万円

例えば、木造戸建の延床面積が35坪であれば、解体費用は約140万円〜175万円です。

「古家付き土地」として売却することで、これだけの費用を節約できます。

固定資産税を抑えたまま売却活動ができる

土地に住宅が建っていれば「住宅用地の特例」が適用されて、固定資産税と都市計画税が軽減されます。

適用される税額は下表のとおりです。

区分 内容 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 価格 × 1/6 価格 × 1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格 × 1/3 価格 × 2/3

固定資産税は毎年1月1日時点の登記簿にしたがって課税されます。

もしも、10月頃に更地にして、売却できずに年を超えると、建物がないので、土地に対する固定資産税は軽減措置の対象ではなくなります。

そのため、最大で6倍の固定資産税を納める必要があります。

古家付き土地であれば、家が建ったままなので、年をまたがって売却活動をおこなっても、固定資産税は上がりません。

参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)(東京都主税局)

買主が住宅ローンを利用できる

土地のみを購入する場合、買主は住宅ローンを利用できません。

一方で、古家付き土地であれば、住宅ローンを利用できます。

そのため、買主は更地を購入する場合よりも、ゆとりを持った資金計画が可能です。

買主にとって購入しやすい条件になるので、売主としては売却しやすいといえるでしょう。

3,000万円特別控除の適用される期間が更地よりも長い

古家がマイホームの場合、最高3,000万円の特別控除を受けられます。

ただし、適用を受けるためには以下の要件を満たしている必要があります。

  • 以前に住んでいた家屋や敷地などの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

したがって「古家付き土地」であれば、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば要件を満たします。

2022年5月31日に転居した場合、2025年12月31日までに売却すれば、3,000万円特別控除を受けられます。

それに対して、2022年5月31日に転居し、2022年6月30日に家を解体して更地にした場合、特例の適用を受けるには、2023年6月30日までに売却している必要があります。

このように、古家付き土地として売却する方が慌てずに売却活動できます。

大幅な値下げ交渉があった際にも、特例の適用される期間を気にすることなく、毅然とした対応が可能です。

参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例

古家付き土地として売却するデメリット

ここまで古家付き土地として売却するメリットを説明してきました。

次からは、デメリットについて説明します。

主なデメリットは以下の2つです。

  • 売却期間が長くなりやすい
  • 売却価格が安くなりやすい

このようなデメリットが生じる理由を説明していきます。

売却期間が長くなりやすい

「古家付き土地」の購入希望者は基本的に「土地」を購入したい人です。

いまある建物を取り壊して、自分の家を建てたり、駐車場経営するなどが目的です。

そして、建物の取り壊しは物件の引渡し後におこなわれるので、買主負担です。

買主が自分で解体業者を手配し、解体費用を支払う必要があります。

解体費用は住宅ローンの対象とならないため、自己資金でまかないます。

延床面積が35坪程度の一般的な木造戸建住宅の場合、解体費用は150万円程度です。

それだけの金額を簡単に出せる人は多くなく、買主が絞られるため、売却期間が長くなりやすいです。

「古家付き土地」として売り出してみて、問い合わせが少ない場合には、古家を解体して「更地」として売り出すことを検討してもよいでしょう。

売却価格が安くなりやすい

先ほど説明したように「古家付き土地」の解体費用は買主負担です。

そのため、購入希望者から解体費用分の値引きを交渉されるケースが多く、売却価格が下がります。

とはいえ、自分で解体していれば同じだけの支払いが発生していたことを考えれば、大きなデメリットとまではいえないでしょう。

以上のメリット・デメリットから、築古物件を売りたい場合には、まず「古家付き土地」として売り出してみて、状況をみながら解体するか決めるとよいでしょう。

古家付き土地の売却価格相場

続いて、古家付き土地の売却価格相場を説明します。

古家の状態によって大きく3つにわかれます。

  1. 建物が使える状態なら「土地代のみ」の価格
  2. 取り壊しが前提の状態なら「土地代 – 解体費用」で算出される価格
  3. 開発地となる状態なら「土地代 – 解体費用 – 道路相当」の価格

そして、古家の状態にかかわらず、できるだけ高く売却したいなら「不動産一括査定サイト」の利用をおすすめします。

建物が使える状態なら「土地代のみ」の価格

築古物件の多くは木造建築で、法定耐用年数は22年です。

建物の評価は耐用年数に基づくことが多く、築20年を超えると、ほとんどの物件で「ゼロ円」とみなされます。

しかし、修繕が適切なタイミングでされており、丁寧に使われてきた家であれば、耐用年数を過ぎていても居住には問題ない場合があります。

このような取り壊しが必須とまではいえない「古家付き土地」であれば、売却価格相場は「土地代のみ」の価格です。

取り壊しが前提の状態なら「土地代 – 解体費用」で算出される価格

古家の状態が悪く、引渡し後に買主が取り壊す必要がある場合には「土地代 – 解体費用」で算出される価格が売却相場です。

そのままの状態では住めない家なので、本来であれば売主が撤去しておくべき残置物ともいえるでしょう。

家の取り壊しを前提とした「古家付き土地」は、解体にかかる手間や費用を買主にやってもらう売却方法です。

自分で更地にする手間と費用が不要になる分、それだけの値引きが求められます。

家の解体費用はざっくりとどれくらいかかる?

それでは、家の解体費用はどれくらいかかるのでしょうか。

解体費用は原則、家の「構造」と「広さ」で決まります。

木造建築の場合、解体にかかる坪単価は4万円〜5万円です。

したがって、35坪程度の家を解体する場合にかかる費用は約150万円です。

ただし、実際の費用は「解体業者や産業廃棄物処理施設までの距離」「重機の搬入のしやすさ」「残った家財道具の有無」「隣接地との位置関係」などさまざまな条件によって異なります。

そのため、ここで紹介した坪単価はあくまで「目安」と考えてください。

できるだけ正確な解体費用を算出するには、専門の解体業者に見積もり依頼しましょう。

開発地となる状態なら「土地代 – 解体費用 – 道路相当」の価格

開発地となるくらい広い土地を「古家付き土地」として売却する場合、解体を前提とした古家付き土地よりも売却価格が安くなる傾向があります。

そもそも開発地となるような広い土地の購入者は基本的に不動産業者です。

そして、不動産業者は開発地の面積に応じて区画割して、一般的な大きさの販売用地をつくります。

このとき、すべての区画は接道義務を満たしている必要があるため、敷地内に新しい道路を作らなければならない場合があります。

その場合、道路部分には経済的価値がないため、土地の面積から道路に相当する土地面積を引いた金額が売却相場です。

「土地が広ければ、高額で売却できそう」と直感的に思ってしまうかもしれませんが、反対に安くなってしまうケースがあることを把握しておきましょう。

できるだけ高く売却したいなら不動産一括査定サイトの利用がおすすめ

以上が古家付き土地における状態別の売却相場です。

そして、売却活動を始める際には、相場に近い価格で売り出すことが、売却しやすくするポイントです。

しかし「できれば相場よりも高く売却したい」と思いませんか。

その場合には「不動産一括査定サイト」の利用をおすすめします。

複数の業者にまとめて査定依頼を出せるので、手間なく査定結果を集められます。

なお、結果は業者によってばらばらです。

妥当な価格帯を提示している不動産業者のなかから最高価格の不動産会社へ依頼すれば「できるだけ高く売却」を実現できる可能性が上がるでしょう。

あまりにも高額な査定価格を提示する不動産会社は、媒介契約を交わすことだけを目的にしている恐れもあるので注意してください。

古家付き土地の売却にかかる費用と税金

次に、古家付き土地を売却した場合にかかる費用と税金について説明します。

代表的な費用・税金は以下のとおりです。

  • 不動産業者への仲介手数料
  • 測量費用
  • 印紙税
  • 譲渡所得税

それぞれの概要と費用相場を次から説明します。

不動産業者への仲介手数料

古家付き土地の売却を不動産業者に依頼し、売却が成立すると仲介手数料の支払いが必要です。

仲介手数料は売却価格によって下表のように上限が定められています。

売却価格 仲介手数料上限額
200万円以下 代金の5%
200〜400万円以下 代金の4% + 2万円
400万円〜 代金の3% + 6万円

※上記上限額に別途消費税が必要

そして、不動産会社の多くが仲介手数料を上限額に設定しています。

そのため、例えば古家付き土地を1,000万円で売却できた場合、仲介手数料は「36万円+消費税」です。

測量費用

土地を売却する際には、境界が確定している必要があります。

境界が確定していなければ、どこまでが自分の土地で、どこからが隣接する人の土地かわからず、トラブルになりやすいからです。

手元に「境界確定測量図」があれば、境界確定できているので、改めての測量は不要です。

確定測量図がなければ、境界が確定しているとはいえないため、確定測量が必要になり、土地家屋調査士に依頼します。

30坪程度で、隣接地がすべて「民」である場合の相場は50万円程度です。

ただし、測量費用は「土地の広さ」「形状」「隣接地の所有者が個人や法人のような「民」か国や自治体のような「官」か」「隣接地所有者の数」などの条件によって異なります。

業者によっても異なるので、複数の業者へ見積もりを依頼することをおすすめします。

印紙税

印紙税は売買契約書にかかる税金です。

契約書に収入印紙を貼ることで納税します。

2024年3月31日までに作成された不動産の譲渡に関する契約書のうち、契約金額が10万円以上の契約書は軽減措置の対象です。

契約金額に応じた税額を下表に一部抜粋します。

契約金額 税額
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円

また、不動産売買の契約書は一般的に、原本を2部作成するので、売主と買主がそれぞれ契約金額に応じた印紙税を納めます。

例えば、売却代金が800万円であれば、印紙税は5,000円です。

参照:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置(国税庁)

譲渡所得税

譲渡所得税は古家付き土地の売却で、利益が出た場合に課税されます。

税額を計算するにはまず「課税譲渡所得」を算出します。

計算方法は下記のとおりです。

【課税譲渡所得金額 = 売却価格 – (取得費+譲渡費用) – 特別控除額】

取得費は、減価償却費相当額を控除したうえで、古家や土地の取得にかかった代金と仲介手数料などの合計です。

取得費が不明であったり、売却価格の5%未満の場合には、売却価格の5%相当額を取得費とできます。

譲渡費用は古家付き土地を売却するためにかかった費用で、仲介手数料や測量費などの合計です。

特別控除額は次で説明する「マイホームを売ったときの特例」や「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」が適用される場合に最大3,000万円控除できます。

課税譲渡所得金額を算出できたら、税率を掛けて税額を計算します。

課税譲渡所得が「長期譲渡所得」か「短期譲渡所得」かで税率は異なります。

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」です。

例えば、2022年に売却した場合、古家付き土地を2016年12月31日以前に取得していれば「長期譲渡所得」になります。

そして、税率は下表のとおりです。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

また、不動産を相続で取得した場合、亡くなった人の所有期間を引き継いで計算します。

そのため、古家付き土地の売却は基本的に「長期譲渡所得」です。

例えば、下記の条件で売却できたとします。

  • 売却価格が1,000万円
  • 取得費は不明
  • 譲渡費用が100万円

このとき、課税譲渡所得金額は「1,000万円 – 50万円(売却価格の5%) – 100万円 = 850万円」です。

所得税・住民税あわせて170万円を納める必要があります。

なお、確定申告の際には所得税とあわせて所得税額に2.1%を掛けた約2.68万円を納めます。

参照:土地や建物を売ったとき(国税庁)

マイホームの売却なら3,000万円特別控除を適用できる

マイホームを売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例が「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。

特例の適用を受けるには以下の条件を満たしている必要があります。

  • 自分が住んでいる家屋を売ること
  • 以前に住んでいた家屋を売る場合は、転居から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売った年、売った年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていないこと
  • 売主と買主が親子や夫婦など特別な関係でないこと

また、特例の適用を受けるには、必要書類を添付して確定申告が必要です。

参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)

相続で取得した家の売却でも3,000万円特別控除を適用できる可能性がある

相続で取得した被相続人のマイホームを2023年12月31日までに売却し、一定の要件に当てはまれば、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます。

これが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

特例の適用対象となる家は、下記3つの要件をすべて満たしている場合です。

  • 1981年5月31日以前に建築されたこと
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと
  • 相続開始直前において、被相続人以外に居住者がいないこと

相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、売却代金1億円以下であれば、特例の適用を受けられます。

マイホームを売ったときの特例と同じく、確定申告が必要ですので忘れずに手続きしましょう。

詳細な要件や手続きについては、税理士や税務署の担当者に相談してください。

参照:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)

古家を取り壊したほうがよいケース

ここまで古家付き土地として売却するメリット・デメリットについて説明してきました。

そして、デメリットを踏まえて古家付きではなく、取り壊して「更地」として売却したほうがよいケースもあります。

具体的には以下のような場合です。

  • 早く売却したい場合
  • 相続で取得した家で取得費がわからない場合
  • 建物の維持管理が難しい場合
  • 建物に倒壊の恐れがある場合

それぞれ説明します。

早く売却したい場合

古家付き土地は、古家の解体や整地にかかる負担を買主に負わせる売却方法です。

買主は物件の引渡しを受けてから、解体業者の手配や費用の支払いが必要です。

そのため、土地を自由に利用できるまでに時間がかかります。

このような手続きを面倒に感じて、購入希望者が現れない恐れがあります。

できるだけ早く売却したい場合には、古家を取り壊したほうがよいです。

また、取り壊すと売却価格が高くなる点もメリットです。

相続で取得した家で取得費がわからない場合

取得費がわからない古家付き土地を売却する場合、譲渡所得税を計算する際の取得費は「売却価格の5%相当」です。

また、解体を前提とした古家付き土地の売却価格は、解体費用分を引いた金額が相場です。

例えば、土地代が1,000万円、解体費用が200万円とします。

このとき、古家付き土地として売却した場合、売却価格は800万円で、仲介手数料は30万円+消費税です。

課税譲渡所得を算出する際に控除できる取得費は800万円の5%で40万円です。

一方、更地にした場合、売却価格は1,000万円で、仲介手数料は36万円+消費税です。

譲渡所得から控除できる取得費は50万円で、譲渡費用として解体にかかった200万円も控除できます。

したがって、建物の取得費がわからない場合、課税譲渡所得は更地にした方が小さくなるため、納めるべき税額も小さくなります。

古家を解体した方が売却しやすくなるだけでなく、納税のことまで考えると、手元に残る現金が多くなる可能性があります。

建物の維持管理が難しい場合

古家を使っておらず、遠方にあったり忙しくて維持管理が難しい場合には、解体したほうがよいでしょう。

古家付き土地は売り出してから成約するまで6か月〜1年程度です。

それだけの期間、適切に管理し続けるには手間や費用がかかります。

古家を解体すると、その年中に売却できなければ住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が上がります。

しかし、維持管理にかかる手間や費用を考えれば、更地にしたほうが支出の増加額を抑えられる可能性もあります。

建物に倒壊の恐れがある場合

建物に倒壊の恐れがあるほど老朽化している場合、早めに解体することをおすすめします。

購入希望者が土地のみを目的にしているとはいえ、倒壊しそうな古家が建っていると、その印象は悪くなります。

また、古家が新耐震基準を満たしていなければ、買主は住宅ローン減税を受けられず、税制上のメリットが小さいです。

古家をそのままにして万が一、売却活動の途中で倒壊して、近隣に被害を及ぼすと損害賠償請求される恐れもあります。

古家への居住が難しく、倒壊のリスクがあれば、早めに解体しましょう。

古家付き土地を売却する際のポイント

古家付き土地は「中古物件」「土地のみ」どちらのニーズにも訴えられる売却方法です。

スムーズに売却し、引渡し後のトラブルを避けるためには押さえるべきポイントがあります。

それは、

  • 境界確定は事前にやっておく
  • 免責事項をすべて挙げる
  • 家の不用品は処分しておく
  • 売出価格は家の状態から判断して決める

の4つです。

この章でまとめて説明します。

境界確定は事前にやっておく

土地を売却する際には、隣接地との境界を買主へ明示する義務があります。

土地の境界が確定していなければ、売却できません。

もしも、手元に「確定測量図」がなければ、土地家屋調査士に依頼して、確定測量してもらう必要があります。

確定測量は3ヶ月程度かかるケースが多いです。

「購入希望者が見つかってから確定測量をしよう」と思っていると、売買契約を待たせることになるので、取引を断られる恐れがあります。

必ず、売却活動を始める前に境界確定をやっておきましょう。

免責事項をすべて挙げる

「古家付き土地」の売却では古家を引渡します。

買主が古家を取り壊す前提ですので、家に不具合があったとしても基本的にクレームとなることはありません。

しかし、売主と買主がお互いに家の不具合を認識していたとしても、契約時にそのことの説明がなければ、理屈上は買主が売主へ契約不適合責任を問い、追完請求や損害賠償請求などを起こせます。

このような万が一のトラブルを避けるため、古家付き土地として売却する際には、建物に関する不具合はすべて挙げて、特約に盛り込むようにしてください。

「売主は本物件が種類または品質に関して本契約の内容に適合しないものであっても、買主に対し、契約不適合責任を一切負わないものとする」

のように、全部免責の特約を盛り込むだけでよいと考えられますが、不具合の内容をすべて記載する必要があると判断される恐れもあります。

面倒ではありますが、免責事項はすべて挙げる方が無難です。

家の不用品は処分しておく

古家付き土地として売却する場合、現況渡し(現状有姿渡し)のケースが多いですが、家の不用品は処分しておきましょう。

買主が解体するから問題ないと思われるかもしれませんが、解体によって出るゴミと不用品は別の処分方法になります。

不用品が残ったままでは、古家を取り壊せないこともあります。

買主への負担が大きくなるので、物件の引渡しを受けてから速やかに古家の取り壊しができるよう、不用品はすべて処分しておきましょう。

売出価格は家の状態から判断して決める

「古家付き土地」の売却価格相場は通常「土地代のみ」または「土地代から解体費用を除いた金額」です。

古家の状態がよければ、法定耐用年数が過ぎていても価格を付けられる可能性があります。

売出価格を何も考えずに付けるのではなく、古家の状態をしっかりと把握したうえで、決めてください。

売出価格は仲介を依頼している不動産会社の担当者と相談することをおすすめします。

急ぎで売却したいなら不動産買取業者へ直接売ることも検討しよう

ここまで古家付き土地の売却について説明してきました。

仲介による古家付き土地の売却は、通常の中高物件の売却に比べて長い期間がかかり、半年〜1年以上かかるケースも多いです。

そこで、もしも急ぎで売却が必要な場合には「不動産買取業者へ直接売却する」ことも検討してみましょう。

売却価格は仲介よりも3割〜4割程度下がりますが、早ければ1週間、遅くとも1ヶ月以内には、まとまった現金を受け取れます。

手間と時間をかけず、迅速に現金がほしい場合にぴったりの売却方法です。

まとめ

古家付き土地として売却する際のメリット・デメリット、ポイントについて説明してきました。

解体費用がかからず、売却のための費用を安く抑えられる一方で、売却までに時間がかかり、売却価格が安くなりやすいデメリットがあります。

また、古家付き土地の売出価格は古家の状態を考慮して決める必要があります。

査定結果は不動産会社によっても異なるので、複数の不動産業者へ査定依頼することが大切です。

不動産一括査定サイトであれば、1度物件情報を入力するだけで複数の不動産業者へ査定依頼できるので、ぜひ利用してみてください。

最終更新日:
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