共有持分とは?売買や税金についてわかりやすく解説!

皆さんは共有持分という言葉について説明できますか?

「いきなり共有持分を相続してしまった」なんて人は、知らなくて当たり前の言葉かもしれません。
実は不動産を持っている人でも、正確に説明できる人は少ないです。

この共有持分については法律をしっかり知っておかないと、毎年かかる税金で損をしてしまうかもしれません。

そこで今回は「共有持分って何?」といった基本はもちろん、売り方や必要な税金といった実用的なことまで、かんたんな例を使ってわかりやすく解説していきます。

共有持分とは共有している土地の1人あたりの権利割合

共有持分
まずはじめに共有持分とは、共有している土地の権利のことです。
よくある土地そのものではなく、土地に付する目に見えない権利を示しています。

1人で所有している土地の権利が100%だとしたら、共有持分は1~99%の権利というイメージです。
ただし共有持分の割合は「○%」ではなく「○分の○」という表し方をします。

1つの土地を2人以上で所有することができる

誰かと土地を分けようとしても、物理的に分けることが難しいケースがあります。

出っ張った土地や曲がっている私道などをイメージしてみてください。
土地が複雑な形をしていたら、面積をきちんと測ったり、工事をして分けるのは非常に面倒ですよね。

そのような場合は土地をそのままにして、その権利だけを複数人で分けることができます。
つまり、1つの土地に対して2人以上の所有者がいるという状態にできるのです。

例えば、Aさん2/3・Bさん1/3といった割合で持分を分けることができます。
この時、Aさんの持分である2/3という数字はどうやって決めるのでしょうか。

それぞれの持分の割合は負担した金額で変わる

共有している土地の持分の割合は、その土地を買う時に出した金額で決まります。

土地を買う時に払った金額が多いほど、持分の権利も大きくなる仕組みです。

例えば、1000万円の土地を買うためにAさんが700万円・Bさんが300万円を払ったとします。
この場合、Aさん2/3・Bさん1/3といった割合で持分がもらえることになります。

共有持分は売買できる?

オーナー
よくある疑問として「共有持分は売買できるのか?」ということが聞かれます。
そもそも土地に限らず、他人の持ち物を勝手に売ることはできません。

しかし、共有している土地については自分も他の共有者も権利をもっています。
そのため「自分の持ち物を売ることは問題ない」という考え方もできますね。

共有している土地や持分を売買することは、法律的に問題ないのでしょうか?

持分の権利自体は自由に売買できる

共有している土地そのものではなく、共有持分だけであれば自由に売買できます。

法的には、共有している土地は共有者全員の所有物ですが、共有持分については個人の所有物(権利)であると扱われます。

そのため、個人で売買してもまったく問題ありません。

土地そのものは全員の同意がないと売買できない

共有している土地を売ることは、法律でいうと「共有物の変更行為」にあたります。
共有物の変更行為は共有者全員が同意した時のみできると法律で決められています。

第二百五十一条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。出典:hhttps://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089_20180401_429AC0000000044、「行政手続のオンライン利用の推進」(総務省)

共有している土地に住んでいるのに、知らない間に売られたら困ってしまいますよね。
ですので、共有している土地を売る場合には共有者全員の同意を得なければいけません。

例えば、1つの土地をAさん・Bさん・Cさんの3人で共有していたとします。

・AさんとCさんが売りたい
この場合は2人が売りたくても、全員が同意した訳ではないので売ることができません。
・AさんもBさんもCさんも売りたい
このように共有者全員の同意があれば、共有している土地を売ることができます。

持分の過半数を持っていれば土地を貸すことができる

売買と同様に土地を貸すことも法律的に「共有物の管理行為」にあたります。
共有物の管理行為には過半数の持分が必要であると法律で決められています。

第二百五十二条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。出典:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089_20180401_429AC0000000044、「行政手続のオンライン利用の推進」(総務省)

ここで注意したいのが、必要なのは人数ではなく持分であるという点です。
つまり、反対する人が多くても、自分の持分割合が多ければ貸すことは可能です。

過半数の持分があればよいので、売却とは違って1人でも行うことができます。

例えば、Aさん3/5・Bさん1/5・Cさん1/5という割合で持分を持っていたとします。

・BさんとCさんが貸したい(1/5+1/5=2/5)
この場合は2人が貸したくても、持分が過半数にならないので貸すことができません。
・Aさんが貸したい(3/5)
このように持分の過半数を集めれば、他の共有者に反対されても貸すことができます。

共有持分は譲渡できる?


共有持分において自分の持分であれば自由に売買できることがわかりました。

では、売買以外の方法で共有持分を譲り渡すことはできるのでしょうか?

所有権を無償で受け渡すには、相続・贈与・放棄・分割という4つの方法が挙げられます。

共有者が亡くなった場合は相続できる

共有持分の持ち主が亡くなった場合、その持分の権利は自動的に遺族へと移ります。
このように故人から財産を引き継ぐことを相続といいます。

相続すること自体に費用はかかりませんが、相続税がかかる点に注意しましょう。
ただし相続するかどうかは自由なので、相続せずに放棄することもできます。

ちなみに相続できる遺族には優先順位が決められていて、放棄すると次の順位に相続権が移っていきます。

  1. ①故人の配偶者には必ず相続権(1/2)が発生する
  2. ②同時に故人の子供にも相続権(1/2)が発生する
  3. ③子供が相続しなかった場合は父母に相続権(1/2)が移る
  4. ④父母が相続しなかった場合は兄弟に相続権(1/2)が移る

無償で譲渡すると贈与税がかかるので注意

共有持分の持ち主が生きているうちに、持分の権利を誰かに譲ることもできます。
このように他人に財産を譲ることを贈与といいます。

この方法を使うことで、親族ではない第三者にも共有持分を譲ることができます。
その代わりに贈与された側は、贈与税という税金を納めなければならないので注意しましょう。

また不動産の名義を変える際に、登録免許税や不動産取得税といった税金もかかります。

自分の持分は自由に放棄することができる

共有持分の税金を払いたくない時などは、持分の権利を手放すこともできます。
このように自分の財産を手放すことを放棄といいます。

放棄された場合、その持分の権利は他の共有者に移ることになります。(帰属)
ただし放棄ではなく贈与とみなされて、受け取った側に贈与税が課税されることがあるので注意です。

例えば、Aさん・Bさん・Cさんの3人で土地を1/3ずつ共有していたとします。
ここでAさんが持分(1/3)を放棄すると、Aさんの持っていた持分はBさんとCさんが半分ずつ(1/6)貰うことになります。

全員の同意があれば1つの土地を分割することも可能

共有している土地の持分ではなく、土地そのものを分けることもできます。(土地の分筆)

土地そのものを分けることは、法律でいうと「共有物の変更行為」にあたります。
ですので、売却と同じように共有者全員の同意があれば、法律上は問題ありません。

それぞれに分ける土地の大きさは、その共有者の持分の割合によって決まります。
つまり、もっている共有持分が多いほど分配される土地も大きくなるのです。

例えば、100平方メートルの土地をAさん・Bさんの2人で分けるとします。
この時にAさんの持分が4/5なら、80平方メートルの土地がAさんのものになります

共有持分に税金はかかる?

売却
土地や資産を持っていると、避けて通れない問題が税金です。
ちなみに土地を持っている場合は、固定資産税という税金が毎年かかります。

しかし、共有持分は土地そのものではないので、話は変わってくるはずです。
共有持分をもっているだけでも、税金はかかるのでしょうか?

持分の割合だけ固定資産税や都市計画税がかかる

1%でも権利をもっている以上、土地の所有者の1人であることに変わりません。
ですので、共有持分の持ち主には固定資産税などを納税する義務があります。

ここで払わなければならない納税額は、土地の権利の割合と比例します。
つまり、もっている共有持分が多いほど税金を多く払う必要があるのです。

共有部分の税金は共有代表者が払うのが一般的

共有している土地の納税通知書は、共有者のうち代表者1人に送られます。

そのため共有している土地の税金は、代表者が他の共有者の分もまとめて納税していることが多いです。
この税金を巡って共有者同士でトラブルになるケースも絶えません。

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共有持分のケース
不動産の共有持分を取得するケースはさまざまあります。相続によって取得する人もいれば、夫婦共有名義で不動産を購入することで取得する人もいます。 また、共有者が持分を売却することで不動産業者や投資家などの第三者と共有することも考えられます。 共有持分を所有していることで共有者とトラブルに発展してしまうことも珍しくありません…

税金を肩代わりした場合は他の共有者に請求できる

たとえ代表者が税金を払ったとしても、他の共有者にも納税する義務があります。

ですので、肩代わりした税金は代表者から他の共有者たちに請求することができます。

よく代表者以外の共有者には納税義務がないと勘違いされやすいので、トラブルを避けるためにも注意したいポイントです。

共有代表者は持分の割合などで決まる

共有者同士で代表者を決めていない場合、行政側が勝手に決めることになります。
その際は持分の多い人やその土地に住んでいる人が代表者に選ばれることが多いです。

代表者に選ばれやすい人の具体例
・もっとも持分割合が多い共有者
・土地のある市区町村に住んでいる共有者
・土地を実際に使っている共有者

共有代表者を変更することも可能

共有代表者を自分たちで話し合って決めることも可能です。
すでに自治体が決めてしまった共有代表者を後から変更しても問題ありません。

共有代表者を変更するには、代表者変更届といった必要書類を自治体に提出して行います。
代表者が税金を滞納する場合などは、新しい代表者に変更できるので覚えておきましょう。

共有持分にはメリットもあればデメリットもある

注意
ここまでの解説で、共有持分がどういったものであるのかわかりました。

不動産所有における負担を2人以上で分散できるので、一見するとメリットばかりに思えるかもしれません。
しかし、不動産を共有するという特性上、普通の土地よりも売りづらいといったデメリットもあります。

最後に改めて、「共有持分があるとどうなるか?」をメリットとデメリットに分けて振り返っておきましょう。

メリットは維持管理費用や税金を分散できること

・1人で維持管理するより費用を抑えることができる
・1人で所有するより納税額を少なくできる

不動産を維持・管理するためにはコストがかかりますが、その費用を2人で分散することができます。
さらに税金も2人以上で分け合っていることになるので、より少ない納税額で済みます。

1人で土地をもつよりも、2人以上で土地を持ったほうが経済的負担は少ないです。

デメリットは個人で自由に扱えないこと

・全員の同意がないと土地を売ることができない
・過半数の持分がないと土地を貸すことができない

2人以上で土地を共有している以上、1人個人で自由に扱うことができません。
「土地を売りたいのに他の共有者に反対されて売れない」といったケースも多くあります。

2人以上で土地を持つと売却して現金化しづらいことがデメリットといえるでしょう。

共有持分でトラブルが起きた場合は専門家に相談

共有持分を持っていること自体がデメリットかもしれません。
共有持分には権利上さまざまなデメリットがあり、トラブルが複雑化しやすいです。

正直に言うと、自由に売買などができない土地の共有持分は持っているだけで損です。
むしろ毎年の税金を払っているだけで、共有持分を持ち続けることで損をしているケースもあります。

いざという時のためにも、あらかじめ土地の売却について他の共有者と話し合いをしておきましょう。
話がまとまらない時は、できるだけ早く弁護士や不動産会社に相談することをおすすめします。

最終更新日:
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