地震や液状化で境界がずれた土地の売却方法!境界の確認・修正方法も解説

境界ズレ

日本は地震大国と呼ばれ、阪神淡路大震災や東日本大震災など強い地震の発生が多いです。

こうした大規模な地震の発生後は土地の境界がずれてしまうこともあります。

土地の境界がずれてしまうと、トラブルや問題が起きないか不安な方も多いですよね。

土地の境界がずれた場合、ずれた境界を測量して再登記すれば修正可能ですが、境界トラブルで揉める前に土地を売却してしまうのもひとつです。

この記事では、土地の境界がずれた場合の修正方法や、境界がずれた土地をスムーズに売却できる方法を解説します。

土地の境界を確認する2つの方法

測量

普段生活する時にはあまり気にしない土地の境界ですが、土地を売却する場合は重要です。

売却相手や隣人とトラブルにならないためにも、土地の境界を確認しましょう。

  1. 地積測量図を取得する
  2. 境界標を確認する

それぞれの確認方法について、くわしく解説します。

1.「地積測量図」を取得する

法務局で取得できる「地積測量図」を使えば、土地の測量結果を明らかにできます。

地積測量図とは、法務局へ登記されている土地の図面のことです。

地積測量図には「地番」「面積の計算方法」「面積の計算法」などが記載されています。

国家資格の土地家屋調査士が登記のために作成をしているので、信頼性が高いです。

土地を売買する場合にも、境界が明確にされている地積測量図が必要です。

しかし、地積測量図は土地の売買や分筆時に添付する図面なので、全ての土地に存在するとは限りません。

もし地積測量図があっても、数十年前の測量図は実際の面積と一致しない恐れもあるため注意が必要です。

「確定測量図」「現況測量図」との混同に注意

地積測量図を取得する場合、似た図面と混同しないよう注意しましょう。

地積測量図とよく混同される図面として、以下の「確定測量図」と「現況測量図」が挙げられます。

  • 「確定測量図」・・・隣接地の所有者の了解で境界を決め作成した測量図
  • 「現況測量図」・・・隣接地の所有者の了解を得ないで測量した図面

地積測量図を取得するには、法務局の窓口で「地積測量図が欲しい」旨を申請すれば大丈夫です。

2.境界標を確認する

隣接地との境界は境界標で確認できます。境界標は土地の上にあるコンクリート杭や石杭、金属プレートのことです。

隣の土地との間にある境界ですが、実際に線を地面に引くわけではないので、杭や金属プレートなどの目印で境界を区別しています。

境界標と境界標を結ぶ線が境界線になるイメージです。境界標は耐久性が高い素材で、カンタンに動かないように設置する必要があります。

境界標があれば、誰が見ても境界の位置がわかるので隣家と境界トラブルが発生しにくいです。

ブロック塀が境界とは限らない

隣接地との境界を明確にするため、境界部分にブロック塀が設置されているケースもありますが、ブロック塀が必ずしも境界とは限りません。

「ブロック塀があるから、このブロック塀が境界になる」といったルールはないのです。なぜなら、土地の境界に対してブロックの幅は広いからです。

ブロック塀が「境界線上に設置されているのか」「境界線の内側に設置されているのか」「境界線の外側に設置されているのか」によっても、境界が変わってきます。

地価の高い地域であれば境界線が数センチ違うだけでも、売買価格に大きな差が生じてしまいます。

ブロック塀は境界の目安になりますが、境界を示しているとは限りません。そのため、別の方法で境界を確定させる必要があります。

土地の境界がずれる原因

「一度決めた境界は何が起きても絶対に変わらない」とよく誤解されますが、土地の境界がずれるケースは存在します。

地震や液状化などで土地がずれるケース以外にもあり、そもそも境界標やブロック塀が正確な境界を示しているとも限りません。

つづいて、土地の境界がずれる原因について解説します。

工事の際に誤って境界が移動した

地震などが原因ではなく、人為的なミスにより住む前から境界がずれていたことも考えられます。

例えば、塀を設置する際に施工会社が誤って境界を移動させるケースがあります。

工事のために一時的に移動させた位置を戻さず、間違った位置のまま塀を作るケースなどです。

このケースは土地を売却する時など、地積測量図と境界を照らし合わせた時に発見されることが多いです。

土地の売却まで気づかないので「自分の土地が隣人の車庫にされている」「隣の土地にガーデニングをしている」というケースもあります。

そうなると隣地所有者とトラブルに発展してしまい、固定資産税を請求される恐れがなどあります。

間違った位置に境界標が設置された

間違った位置に境界標が設置されたら、自分が認識していた境界と実際の境界にずれが生じるかもしれません。

境界標はコンクリート杭や石杭、金属プレートなどさまざまな種類があり、境界標の表面にある刻印の種類によって境界の示す意味が違います。

刻印の種類は「矢印」「十字」「一字」「刻印無し」があります。

もし矢印の刻印が逆だったとしたら、どうなるでしょうか。

矢印の刻印の場合、境界点は矢印の先ですが、境界点を示す矢印の先が逆になると境界がずれてしまいます。

このように境界標の設置は些細なことで間違える可能性があります。特に電柱やマンホール近くの境界標は要注意です。

電柱の立て替えや移動、マンホールの修理で境界標がずれることもあります。先ほどの工事同様に、人為的なミスによって境界がずれるケースです。

地震や液状化などの災害で土地がずれた

地震や液状化などの災害が発生すると土地がずれることもあります。自分の土地にあった砂が隣の土地に移動してしまった程度であれば土地の境界はずれませんが、大きな地震で土地が変形してしまうと話は別です。

「目印となる境界標が行方不明」「フェンスが倒壊」すると土地の境界がずれてしまいます。場合によっては、境界がわからなくなります。

土地の境界がずれた場合の修正方法

筆界

境界がずれた土地の境界はどうやって確認するのでしょうか。地積測量図があれば地積測量図で確認可能ですが、作成されてないこともあります。

また、地震によって土地がずれた場合の境界はどうなるのでしょうか。

次の項目から、筆界と所有権界について解説します。地震によって土地がずれた場合の境界についても確認しましょう。

ずれた筆界と所有権界を確認する

一般的に土地の境界には「筆界(ひっかい)」と「所有権界(しょゆうけんかい)」に区別されます。筆界は「公法上の境界」とも呼ばれ、法務局に登記されている地番と地番の境のことです。

登記されている情報なので、個人の意思によって自由に変更することは不可能です。法務局にある図面などで確認できます。

一方で、所有権界は「私上の境界」とも呼ばれ、隣地所有者との話合いで決定できます。

例えば、土地の形が真っ直ぐになっていないため、隣地所有者と話合ってお互いに使いやすいように境界を変更した状態の境界のことです。

登記することで筆界と所有権界を統一させる

筆界と所有権界は本来一致していますが、何らかの原因で不一致になることがあります。

お互いの利便性をよくするために土地の境界を変更した場合、その結果を登記していなければ筆界と所有権界は一致していません。

筆界と所有権界が一致していない状態は、土地を第三者に売買する時や本人が亡くなったあとの相続時にトラブルになってしまうこともあります。

筆界と所有権界を一致させるために分筆や合筆を登記し、所有権の移転登記手続きを完了させることが大切です。

土地がずれた場合は従来どおりの筆界で登記する

筆界は何があっても動かないとされているため、地震や地滑りで土地が動いても筆界は移動しないことになっています。

しかし、地震で土地が大きく移動した場合、筆界をそのままにしておくと不都合が生じる恐れもあります。

そのため、法務省は「地震によって広範囲にわたって水平移動した場合は、土地の筆界も移動したとする」と通達しました。

例えば、周辺の土地一帯が同じ方向に同じようにずれた場合は、以前の筆界ではなく現状の境界線(移動後)が筆界になります。

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家も一緒にずれた場合は筆界を決め直す

建物も一緒にずれた場合の境界については、決まったルールがなく個別に対応することになります。土地の所有者同士で調整し、隣の土地までずれた部分を購入して筆界を引き直すことが多いです。

どこからどこまで移動したかという部分は素人では判断が難しいため、当事者同士で決めるのではなく、土地家屋調査士などの専門家に依頼するのが一般的です。

境界がずれた土地をスムーズに売却する方法

ADR境界問題解決センター

境界がずれている不動産を売買するのは、売主・買主・近隣住民同士でトラブルになりやすいです。ここでは境界がずれた土地を売却する時のポイントを5つ解説します。

近隣住民との境界トラブルを解消する

近隣住民との境界トラブルはさまざまです。

例えば「土地を売るために境界を調べてみると、今まで隣地の一部を使っていたことがわかった」となると、他人の土地が含まれているため、土地を売却するのは困難です。

その事実を隠したまま売却しても登記面積と実測面積に差があるため、バレてしまう可能性が高いです。そうなると土地の売主・買主・近隣住民同士が揉めてしまいます。

また、ブロック塀などのフェンスも境界トラブルの1つです。「境界はフェンス上にあるのか」「相手の敷地・自分の所有地どちらにあるのか」明確にする必要があります。

加えてブロック塀の所有者は誰なのか確認しておきましょう。ブロック塀は近隣住民と共同になっていることもあります。

境界標のずれなどで境界がずれている場合は、地積測量図を確認し売却前に近隣住民と境界をお互いに認識しておくことが大事です。

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「権利書」ではなく「境界確認書」を用意しておく

境界確認書・・・隣地との境界を明確にするため、測量結果で確定した境界を証明する書類です。

境界確認書には境界立ち合い後に署名・押印がされるので、境界トラブルを防ぐメリットがあります。

最近では境界トラブルを心配する買主が増えたため、事前に売主へ境界確認書の提出を求めてくるケースも多くなりました。

境界確認書の取得には費用や手間を要しますが、買主が安心して購入できるので、円滑に取引するには重要です。

土地家屋調査士に土地境界確定測量を依頼する

土地境界確定測量・・・隣地所有者の立ち会い・官公署の図面を基に、土地の境界をすべて確定させる測量のことです。

土地家屋調査士に依頼すると土地境界確定測量をしてくれますが、時間と費用がかかります。

境界確定までの期間は一般的に3〜4カ月かかり、中には1年近く期間を要するケースもあります。

さらには境界の確定に至らなかったこともあるので「境界標がない」「土地の形が複雑」「境界トラブルが懸念される」などの場合以外は、土地境界確定測量までを必要としないこともあります。

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筆界特定制度で筆界の位置を特定する

筆界特定制度・・・現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。

筆界の特定は新たに筆界を決めるのではなく、過去に定められた筆界や実地測量などをもとに筆界を明らかにすることです。

筆界特定制度は費用の負担が少なく、裁判に比べ期間が半年から1年と短いです。

ADR境界問題相談センターに相談する

境界のずれた土地は、当事者間で話合いをして、ずれている土地を買取するなどの方法で解決します。

しかし、話合いで解決しない場合、全国の土地家屋調査士会が運営するADR境界問題相談センターへ相談するとよいでしょう。

境界問題相談センターに相談すれば、土地家屋調査士や弁護士などの専門家が協力してくれるので、適切なアドバイスを受けられます。

訳あり物件専門買取業者へ売却する

境界がずれた土地の売却はトラブルが発生しやすく、ずれた境界を再び確定させるにも時間がかかってしまいます。

境界が確定している土地の売却であれば問題ありませんが、境界がずれた土地の売却はトラブルの起こる可能性が高いです。

売却しても、買主や近隣住民間でトラブルが発生しては心が休まりません。

境界がずれた土地の売却する場合、訳あり物件専門の買取業者への依頼がおすすめです。

  • 売却後の境界トラブルは買取業者がすべて対応してくれる
  • 境界の確定などをせずに現状のまま売却できる
  • 境界トラブルを抱えた物件もすぐに売却できる

当社クランピーリアルエステートでも、境界がずれた土地を高額・短期間で積極的に買取しています。

弁護士や税理士などを中心とした士業と提携しているので、境界トラブルが起きても柔軟に対応できます。

無料相談も実施しているので、売却だけでなく境界トラブルもお気軽にご相談下さい。

まとめ

境界がずれた土地の売却は「境界を確定しているか?」が重要です。

事前に境界を確定させると、その後の売買取引がスムーズになります。

土地の価格が高い地域になると、境界の誤差が何百万円、何千万円になることも少なくありません。

まずは境界標や敷地測量図で境界を確認して、ブロック塀がある場合も所有者を確認しましょう。

その後、あらためて境界を確定させると、土地売却がスムーズになります。

もし境界の確定が面倒であれば、買取業者なら現状のままで引渡し可能です。

境界がずれた土地だからと諦めず、売却も視野に検討してみてください。

最終更新日:
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