地震や液状化で境界がずれた土地の売却方法!境界の確認方法も解説

境界ズレ

日本は地震大国と呼ばれ、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は、みなさんの記憶に新しいのではないでしょうか。地震が発生した場合、土地がずれることがあります。土地には境界がありますが、地震や液状化などの災害で境界がずれた土地を売却するにはどうしたらよいのでしょうか。「境界はずれるのか」「元々あった場所から不動なのか」と疑問が生じます。境界がずれた土地を売却する場合、境界がハッキリしていなければ後で買主とトラブルになるケースも考えられます。そうならないためにも土地の境界について、しっかりと理解しておくことが大切です。

この記事では「境界の確認方法」「境界がずれた土地の境界の確認方法」「境界がずれた土地を売却する時のポイント」について解説します。まずは土地の境界の確認方法から確認しましょう。

境界の確認方法

測量
普段生活する時にはあまり気にしていない土地の境界ですが、いざ土地を売却するとなると話は別です。売却相手や隣人とトラブルにならないためにも、土地の境界を確認しましょう。ここでは境界の確認方法の「地積測量図の取得」「境界標の確認」「ブロック堀が境界とは限らない」についてご紹介します。

地積測量図の取得

地積測量図とは法務局に登記されている図面のことで、土地の測量結果を明らかにすることができますカンタンに言うと土地の測量図で、法務局で誰もが取得可能です。土地を売買する際には境界がはっきりしている地積測量図が必要になってきます。地積測量図には「地番」「面積の計算方法」「面積の計算法」などが記載されています。国家資格の土地家屋調査士が登記のために作成をしているので、信頼性が高いです。しかし全ての土地に地積測量図が存在するわけではありません。土地の売買や分筆などが必要な時に初めて申請して添付する図面です。

仮に地積測量図があっても昭和40年と古い時代のものは今の測量技術と違うので、実際の面積と登記簿上の面積が一致しない可能性があるので注意が必要になります。地積測量図に似ている言葉に「確定測量図」「現況測量図」があります。確定測量図は隣接地の所有者の了解で境界を決め作成した測量図です。一方、現況測量図は隣接地の所有者の了解を得ないで測量した図面です。似ているので混同しないようにしましょう

境界標の確認

隣接地との境界は境界標で確認することができます。境界標は土地の上にあるコンクリート杭や石杭、金属プレートのことです。隣の土地との間には境界がありますが、実際に地面に線が引かれていないので杭や金属プレートなどの目印で境界を区別しています。境界標と境界標を結ぶ線が境界線になるイメージです。境界標は耐久性が高い素材で、カンタンに動かないように設置する必要があります。境界標があれば、誰が見ても境界の位置がわかるので隣家と境界トラブルが発生しにくいです。

ブロック塀が境界とは限らない

土地の中には隣接地との境界をはっきりするために境界部分にブロック塀が設置されていますが、ブロック塀が必ずしも境界とは限りません「ブロック塀があるから、このブロック塀が境界になる」といったルールはないのです。土地の境界に対してブロックの幅は広いです。そのためブロック塀は隣接地所有者とトラブルになりやすいです。ブロック塀は「境界線上に設置されているのか」「境界線の内側に設置されているのか」「境界線の外側に設置されているのか」によっても、境界が変わってきます。

都会であれば土地の価格が高いため境界線が数センチ違うだけでも、売買価格に大きな差が生じてしまいます。ブロック塀は境界の目安にはなりますが、境界を示しているとは限らないので別の方法で境界を確定させる必要があります。特に昭和の頃から存在するブロック塀は、境界線の中心に設置されていることが多いのでブロック塀の所有者を明らかにすることも大切になってきます。

土地の境界がずれる原因

「一度決まった境界はずれることがない」と考えますが、土地の境界はずれることがあります。地震や液状化などの災害で土地がずれる以外にも原因があります。そもそも境界標やブロック塀はちゃんと境界を示しているのでしょうか。ここでは土地の境界がずれる原因について解説します。

工事の際に誤って境界が移動した

塀をつくる時に「施工会社が誤って境界を移動した」というケースがあります。工事のために一時的に移動しておいた位置を戻さないで、間違った位置のまま塀を作ると境界が移動してしまいます。このケースは土地を売却する時など、地積測量図と境界を照らし合わせた時に発見されることが多いです。土地の売却まで気づかないため「自分の土地に隣の車庫が建っている」「隣の土地にガーデニングをしている」ということがあります。

そうなると今まで良好だったお隣さんとトラブルに発展するかもしれません。「今まで土地を使っていたのだから固定資産税を負担しろ」と言われることも珍しくありません。人為的なミスが発端で地震などが原因ではなく「住む前から境界がずれていた」なんてこともありえるのです。

間違った位置に境界標が設置されていた

間違った位置に境界標が設置されたら、自分が認識していた境界と実際の境界にずれが発生します。境界標はコンクリート杭や石杭、金属プレートなど様々です。さらに境界標の表面にある刻印の種類によって境界の示す意味が違います。

刻印の種類は「矢印」「十字」「一字」「刻印無し」があります。例えば矢印の刻印が、逆だったらどうなるでしょうか。矢印の刻印の場合、矢印の先が境界点です。境界点を示す矢印の先が逆になると境界がずれてしまいます。このように境界標の設置は些細なことで間違う可能性があります。特に電柱やマンホール近くの境界標は要注意です。電柱の立て替えや移動、マンホールの修理で境界標がずれることがあります。先ほどの工事と同様に、人為的なミスによって境界がずれるケースです。

地震や液状化などの災害で土地がずれた

地震や液状化などの災害が発生すると土地がずれることがあります。自分の土地にあった砂が隣の土地に行ってしまった程度であれば土地の境界はずれませんが、大きな地震で土地が変形してしまうと話は別です。「目印となる境界標が行方不明」「フェンスが倒壊」すると土地の境界がずれてしまいます。場合によっては、境界がわからなくなります。

境界がずれた土地の境界の確認方法

筆界
境界がずれた土地の境界はどうやって確認するのでしょうか。地積測量図があれば地積測量図で確認ができますが、ないこともあります。また地震によって土地がずれた場合の境界はどうなるのでしょうか。ここでは筆界と所有権界について解説します。地震によって土地がずれた場合の境界についても確認しましょう。

筆界と所有権界とは

一般的に土地の境界には「筆界(ひっかい)」と「所有権界(しょゆうけんかい)」に区別されます。筆界は「公法上の境界」とも呼ばれ、法務局に登記されている地番と地番の境のことです。登記されている情報なので、個人の意思によって自由に変更することはできません。法務局にある図面などで確認ができます。一方、所有権界は「私上の境界」とも呼ばれ、お隣さんとの話し合いで決めることができます。例えば土地の形が真っ直ぐになっていないため、お隣さんと話し合ってお互いに使いやすいように境界を変更した状態の境界のことです。

筆界と所有権界の関係性

筆界と所有権界は本来一致するはずですが、何らかの原因で不一致になることがあります。お互いの利便性をよくするために土地の境界を変更した場合、変更結果を登記していなければ筆界と所有権界は一致していません。筆界と所有権界が一致していない状態は、土地を第三者に売買する時や本人が亡くなった後に相続した時トラブルになります筆界と所有権界を一致させるために分筆や合筆を登記し、所有権の移転登記手続きを完了させることが大切です。

地震によって土地がずれた場合の境界

筆界は何があっても動かないとされています。そのため地震や地滑りで土地が動いても筆界は移動しないことになっています。しかし大きな地震で広範囲な土地が大きく移動した場合は、筆界をそのままにしておくと不都合が発生することがあります。そのため法務省は「地震によって広範囲にわたって水平移動した場合は、土地の筆界も移動した」と通達しました。例えば隣近所の土地一帯が同じ方向に同じ分ずれた場合は、以前の筆界ではなく現状の境界線(移動後)が筆界になります。筆界は動かないという原則に例外ができました

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家も一緒にずれた場合の境界

建物も一緒にずれた場合の境界については、決まったルールがなく個別に対応することになります。土地の所有者同士で調整し、隣の土地までずれた部分を購入し筆界を引き直すことが多いです。どこからどこまで移動したかということは素人では判断が難しいです。当事者同士で決めるのではなく、土地家屋調査士などの専門家の力を借りることが一般的です。

境界がずれた土地を売却する時のポイント

ADR境界問題解決センター
境界がずれている不動産を売買するのは、売主・買主・近隣住民同士でトラブルになりやすいです。ここでは境界がずれた土地を売却する時のポイントを5つ解説します。

近隣住民との境界に対するトラブルを解消する

近隣住民との境界に対するトラブルは様々です。例えば「土地を売ろうとしたが調べてみると今まで隣の土地を一部使っていたことがわかった」となると、他人の土地を勝手に売ることができないので土地を売ることができません。その事実を隠したまま売却しても登記面積と実測面積に差があるため、ばれる可能性が高いです。そうなると土地の売主・買主・近隣住民同士が揉めてしまいます。

またブロック塀などのフェンスも境界に対するトラブルの1つです。「境界はフェンス上にあるのか」「相手の敷地・自分の所有地どちらにあるのか」ハッキリさせる必要があります。さらにブロック塀の所有者は誰なのか確認しておきましょう。ブロック塀は近隣住民と共同になっていることもあります。境界標のずれなどで境界がずれている場合は、地積測量図を確認し売却前に近隣住民と境界をお互いに認識しておくことが大事です。

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「権利書」より「境界確認書」が大切

「境界確認書」とは、隣地との境界をハッキリするための測量結果で確定した境界を証明する書類です。境界確認書には境界立ち合い後に署名・押印がされるので、境界トラブルを防ぐメリットがあります。最近では境界特定が心配になる買主が増えたため、事前に売主に境界確認書の提出を求めてくるケースが多くなりました。境界確認書があれば買主は安心をして購入ができるので、費用や手間はかかりますが円滑な取引をするためには重要です。

土地家屋調査士に土地境界確定測量を依頼する

土地境界確定測量は、隣地所有者の立ち会い・官公署の図面をもとに土地の境界全てを確定させる測量のことです。土地境界確定測量を土地家屋調査士に依頼すると作成をしてくれますが、時間と測量費用がかかります境界確定までの期間は一般的に3〜4カ月かかり、なかには1年近く期間を要したケースもあります。さらには境界の確定に至らなかったこともあるので「境界標がない」「土地の形が複雑」「境界トラブルが懸念される」などの場合以外は、土地境界確定測量までを必要としないこともあります。

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筆界特定制度で筆界の位置を特定する

筆界特定制度とは、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。筆界の特定は新たに筆界を決めるのではなく、過去に定められた筆界や実地測量などをもとに筆界を明らかにすることです。筆界特定制度は費用の負担が少なく、裁判に比べ期間が半年から1年と短いです。

ADR境界問題相談センターに相談する

境界がずれてあいまいな土地は、当事者間での話し合い、ずれている土地を買い取るなどの方法で解決します。しかし話し合いで解決しない時は、全国の土地家屋調査士会が運営するADR境界問題相談センターで相談することができます。境界問題相談センターは土地家屋調査士や弁護士が協力して相談にのってくれるので、適切なアドバイスを受けられることが期待できます

境界がずれた土地の売却は専門買取業者へ

土地の境界にはトラブルが発生しやすいです。さらに境界がずれた土地の売却になると、境界の確定、長期間になるなど大変になってきます。境界が確定している土地の売却であれば何も問題ありませんが、境界がずれた土地の売却はトラブルの心配があります。売却後に買主や近隣住民との間にトラブルが発生しては心が休まりません。

境界がずれた土地の売却は専門の買取業者に依頼しましょう当社は境界がずれた土地を高額・短期間で積極的に買い取ります。弁護士や税理士などを中心とした士業を活かした買取を実施しているので、なにかトラブルがあっても柔軟な対応ができます。当社は無料相談も実施しているのでお気軽にご相談下さい

まとめ

境界がずれた土地の売却は「境界の確定」がポイントになります。事前に境界をハッキリさせることで、その後の売買取引がスムーズになります。境界の違いは誤差かもしれません。しかし都会など土地の価格が高い地域になると、境界の誤差が何百万円、何千万円になることもあります。境界標や敷地測量図で境界の確認、さらにブロック塀がある場合はブロック塀の所有者を確認することが、境界がずれた土地を売却する時には大切です。

最終更新日:
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