
家の売却を考えているものの、築年数が古く「このままで売れるの?」「リフォームや解体しないと売れないのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。
そのような場合、建物を残したまま、土地の資産価値のみで売買する「古家付き土地」として売る方法があります。建物の価値は、基本的にないものと考えるのが特徴です。
建物に値段が付かないのは一見損に見えますが、自分でリフォーム・解体する手間を省けたり、契約不適合責任に問われる恐れがなくなるなど、売主側にも複数のメリットがあります。
ただし、古家付き土地のまま売るか、リフォームや解体して売るかは、物件の状態や地域の不動産需要から慎重に判断しなければいけません。
そのため、まずは不動産のプロに相談し、古家付き土地のまま売るべきかどうかを聞いてみましょう。一括査定を使えば、古家付き土地の専門家である不動産会社がすぐ見つかります。
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古屋付き土地でも売れる?
古屋とみなされる家が建っている土地は、売却が困難だと思う人も多いかもしれません。
ですが、古屋付き土地であっても、そのまま売却できます。その際は古家の価値を考慮せず、土地のみの価値で価格を決めることが一般的です。
古屋付き土地として売却することで、売却時のさまざまな手間を省けます。
なお、古家付き土地の売却にはさまざまなメリットとデメリットがあり、これらを理解した上で売却活動を進めていくことが大切です。
古家付き土地の売却を考えている人は、これから解説するメリットとデメリットを参考にしてみてください。
古家付き土地のまま売却するメリット
古屋付き土地として売却する際は、以下4つのメリットが得られます。
- 解体費用を負担しなくて済む
- 固定資産税や都市計画税を軽減する特例が適用される
- 契約不適合責任が免責になる場合がある
- 家を建築したときの状態をそのまま買主に伝えられる
次の項目から、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
1.解体費用を負担しなくて済む
古家付き土地をそのまま売却することで、解体工事をおこなう必要がないため解体費用がかかりません。
物件によって解体費用の金額は異なりますが、根が深い樹木や大きな庭石などが存在する可能性があり、解体費用も思った以上に高額になる可能性もあります。
また、費用だけでなく、解体工事を依頼する手間も省けるので、すぐに売却活動に取り掛かれることもメリットとなるでしょう。
2.固定資産税や都市計画税を軽減する特例が適用される
古家付き土地を所有している人は税金を支払う必要があります。
建物や土地にかかる税金の固定資産税や都市計画税において、土地に住宅用の家屋が建っている物件であれば「住宅用地の特例」が適用されるケースがあります。
この特例が適用された物件は固定資産税や都市計画税の負担が軽減されます。
しかし、家屋を解体し更地にした場合は住宅用地の特例が適用されなくなり、軽減されていた税金がもとに戻ってしまいます。
そのため、物件が売れるまでの税金をなるべくおさえたい場合は、古家を解体せず残しておくとよいでしょう。
建物解体時の税金対策について以下の記事でも詳しく説明されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

3.契約不適合責任が免責になる場合がある
古家の中でも、法律で定められた耐用年数を経過した古家は契約不適合責任が免責になる可能性があります。
例えば、木造住宅の場合の耐用年数は「22年」と定められており、この期間内は住宅としての役割を果たせるとされているので、資産価値は大きく損なわれないと判断されます。
しかし、22年(耐用年数)以上の年数が経過すると経年劣化などによって、物件にさまざまな問題が起こる可能性が高く「住宅本来の役割を果たしているとはいえない」資産とされ価値が認められないことがあります。
価値が認められない物件を売却することになった場合、売却価格が上乗せされない代わりに物の寿命は瑕疵に該当しない理由から、契約不適合責任を負わないで済むケースがあります。
4.家を建築したときの状態をそのまま買主に伝えられる
古家付き土地は実際に家が建っている状態の土地です。
そのため、買主側からすると、実際に家を建てたときの日当たりやスケール感などが更地の状態よりも想像しやすいメリットがあります。
古家付き土地はいわばモデルハウスと同じで、将来的に古家を解体し新築の家を建てることを考えている場合、暮らしをイメージすることにおいてとても有益な情報になります。
買主が求めている物件とイメージが合致すれば、古家付き土地でもすぐに購入に繋がる可能性があります。
古家付き土地のまま売却するときのデメリット
これまでは、古屋付き土地として売却する際のメリットを解説してきました。
ただし、古屋付き土地を売却する際は、以下のことに注意すべきです。
- 解体費用を値引いた売却価格になる可能性がある
- 土地の調査ができない
- 契約不適合責任が課せられる
もしも、デメリットが大きくなる場合は、売却を慎重に考えたほうがよいです。
1.解体費用を値引いた売却価格になる可能性がある
解体費用は解体業者や作業工程などによって、見積りした金額よりも高額になる恐れがあります。
解体費用は工事完了まではっきりと分からないため、売主も買主もできれば負担したくありません。
また、買主からすると、解体費用を負担してまで利用価値のない古家付きの土地を購入するメリットはありません。最初から更地の土地を選択したほうがよいと考えるのが一般的です。
ただし、解体費用が売主負担になるのであれば、購入を検討する人もいます。
そのため、古家付き土地を購入してもらいたい場合は、解体費用がかかっても妥当な価格に設定する必要があります。売却価格はその分だけ安くなることを念頭に置いておきましょう。
2.土地の調査ができない
古家付き土地は、建物が建っているので地中の埋設物を調査できません。
廃棄物に関する決まり事が曖昧だった時代から存在する古い物件も多く、ガレキや杭などさまざまなモノが地中に埋められている可能性があります。
もしも、売却後に買主が埋設物を発見した場合、瑕疵に該当するため売主に処分や撤去などの責任が課されます。
3.契約不適合責任が課せられる
古家付き土地は、建物と土地それぞれに契約不適合責任が生じますので、土地に瑕疵が無くても建物に瑕疵があった場合は同様に修繕・リフォームなどの責任が課されます。
ただし、古家付き土地は経済的価値がほぼなく耐用年数も超過している場合もあります。このような物件は、前の項目でも説明した通り契約不適合責任が免責となるケースがあります。
物件の瑕疵が認められるかは、ケースバイケースなので古屋付き土地を売却する際は、不動産会社など専門家に一度相談しましょう。
古屋付き土地の売却方法3つ
前の項目でも説明した通り、古屋付き土地は「そのまま古屋付き土地」として売却可能です。
ただし、古屋付き土地の売却方法はそれだけではありません。
「リフォーム・リノベーションしてから売却する」方法や「小屋を解体し、更地にしてから売却する」方法があります。
以下の項目から、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1.古屋付き土地としてそのまま売却する
これまで紹介した「リフォーム・リノベーションしてから売却する」方法や「小屋を解体し、更地にしてから売却する」方法では、売却時に費用や手間がかかってしまいます。
手間や費用などのコストをかけずに売却したいなら、古屋付き土地としてそのまま売却することも検討しましょう。
古屋付き土地としてそのまま売却することで、売却時のさまざまな手間を省けます。
古屋付き土地が「再建築不可物件」の場合は売れにくいので注意
古家付き土地は昔から存在するものも多く、現在の建築基準法に適合していない可能性があります。
建築基準法を満たしていない建物を解体した場合、新しく建物を建築できない恐れがあります。このような物件を「再建築不可物件」といいます。
古家付き土地が再建築不可物件だった場合、古家をリフォームして売却するか、更地にして隣地者に買い取ってもらうなどの売却方法が考えられます。
再建築不可物件の場合は、増築や改築などの大規模なリフォームが認められていません。
そのため、小規模の修繕程度しかできず、リフォームしたとしても築年数には影響がないので資産価値を上げることもできません。
再建築不可物件について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

どんな古家付き土地でもスムーズに売却するための「不動産会社選び」とは?
古家付き土地にも一定の需要はありますが、築浅の物件と比べると、需要が低くなることは避けられません。なるべく早く古家付き土地を売るには、売却活動を依頼する不動産会社選びが重要となります。
不動産会社選びで大切なのは、いくつかの不動産会社を比較することです。不動産会社は各社で得意な物件の種別や地域が異なるため、売却期間や売却価格にも大きな差がでます。
そこで、効率的に複数の不動産会社を比較するために、オンラインの一括査定を利用しましょう。厳選された不動産会社にまとめて査定を出せるので、手間なく比較が可能です。
当サイトで提供している一括査定では、国内大手から地元密着型の優良企業まで多様な不動産会社に査定を依頼できるので、再建築不可物件も含めたどんな古家付き土地でも、売却できる不動産会社を見つけられます。
下記フォームから簡単入力で申し込めるので、ぜひ活用してください。
2.リフォーム・リノベーションしてから売却する
古家付き土地を現状のまま売却するのではなく、建物のリフォームやリノベーションをしてから売却する方法もあります。
リフォームやリノベーションをすることで、見栄えが綺麗になり購入希望者を集めやすい物件になるでしょう。
また、リフォームやリノベーションをした家は、古家ではなく中古物件として売却できます。
そのため、安価で中古物件を探している人のニーズあった物件として売却可能です。
リフォーム・リノベーションには費用がかかる
古家付き土地をリフォーム・リノベーションする場合はもちろん費用がかかります。
多額の費用をかけても全く利益にならない場合もあるので、慎重に判断する必要があります。高値で売却するための初期投資のはずが、結果的に赤字となってしまっては本末転倒です。
また、古家付き土地をリフォーム・リノベーションして、売りに出したとしても買主のニーズに合わなければ売れません。
3.解体工事をしてから更地として売却する
古家付き土地の建物を解体し、更地にした状態で売却する方法もあります。
土地を購入する人は、住宅や建物を建てることを目的としている人がほとんどなので、古家付き土地よりも更地の方が売れやすい傾向にあります。
買主からすると、解体作業や費用が発生しないので、すぐに建築の準備を進められます。
また、古家付き土地ではできなかった土地の調査も可能となるので、買主も安心して購入できるでしょう。
なお、更地は多くの活用方法がある物件なので、古家付き土地よりも更地のほうが高い値段で売れることが一般的です。
固定資産税に注意しよう
古家付き土地の古家を解体し更地にしてしまった場合、前の項目でも説明した住宅用地の特例制度が適用されなくなり、軽減されていた税負担がもとに戻ります。
住宅用地の特例制度が適用されなければ、古屋付き土地と比べて、およそ6倍の固定資産税を納める必要があります。
すぐに売却できる物件ならよいですが、更地を売れずに所有している間は税金を支払っていく必要があります。
そのため、売れない期間が長くなるほど固定資産税や都市計画税の負担は積み重なって大きくなります。
また、毎年1月1日時点の不動産状況が「固定資産税評価額」の基準になります。更地にして売却する場合は1月2日以降に家を解体し、年内までに売却するのがよいでしょう。
まとめ
築年数の古い家が建っている土地でも、古家付き土地としてそのまま売却が可能です。
古家付き土地として売り出せば、自分で解体してから売り出すなどの手間がかからず、スムーズな売却が可能です。
ただし、通常の不動産と比べて売れにくいケースもあるため、まずは不動産会社に相談して、どのように売るべきかアドバイスをもらいましょう。
優良な不動産会社を見つければ、物件の特徴や状況に合わせて「どのように売り出せば短期間でかつ高値で売却できるか」を的確に教えてもらえます。
古家付き土地を売却するときのよくある質問
「リフォーム・リノベーションしてから売却する」「解体工事をしてから売却する」「古家付き土地としてそのまま売却する」という3種類の売却方法があります。
「解体費用を負担しなくて済む」「固定資産税や都市計画税が軽減される」といったメリットがあります。一方で「売却価格から解体費用が値引きされる」「契約不適合責任が課せられる」などのデメリットもあります。
「見栄えが綺麗になる」「古家ではなく中古物件としてアピールできる」というメリットがあるため、高値で売れやすいです。一方で「フォーム・リノベーション費用がかかる」といったデメリットもあります。
「買主が土地を自由に扱えるので、早く・高く売れる」「建物の瑕疵担保責任が発生しない」といったメリットがあります。一方で「解体費用がかかる」「固定資産税の負担が増える」といったデメリットもあります。
古家付き土地を早く売りたい場合は「買取業者」へ依頼しましょう。高く売りたい場合は「一括査定」を受けることをおすすめします。