東京オリンピックまでの不動産投資における金融機関の融資姿勢について

金融機関融資

不動産投資において重要なのは「物件の価格」ですが、これは銀行の融資姿勢、ひいては国の金融政策に大きく左右されるものです。不動産投資で成功するには、それらの動向を逐一チェックし、先を読みながら次の一手を考えなければなりません。

この記事では、金融機関における、今後の不動産投資に対しての融資状況について考えていきます。

不動産価格と金融機関の融資姿勢の関係

不動産価格上昇
本題に入る前に、不動産価格と融資の関係についてご説明したいと思います。これらには、以下のような相関関係が存在します。

景気が良い時:金融機関の融資が積極的になる=不動産価格が上昇する
景気が悪い時:金融機関の融資が消極的になる=不動産価格が下落する

銀行が不動産に対し、積極的に融資を行えば、多くの投資家が物件を購入しますそのため、供給に対し需要の割合が増え、価格が上昇していきます。逆に、不動産への融資が消極的になると、需要より供給の方が増えてしまい価格が下落するのです。非常に簡単な理屈ではありますが、今後の展望を見ていくための基礎理論となるものなので、ここで再確認しておきましょう。

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2017年は積極融資で物件価格上昇

今後の状況を分析するための材料として、まずは2017年の状況を見ていきましょう。2017年は、4月ごろまで銀行の不動産投資への融資が活発になり、値上がりが続きました。その理由は、安倍内閣による「金融緩和」や「マイナス金利」などの経済政策にありました。安倍内閣の経済政策は「お金をたくさん世の中に流して景気を良くしよう」というものです。そんな内閣の命令に基づき、この国の発券銀行である日本銀行は、お金を市場に流します。その結果、銀行にはたくさんのお金が手元に残るので、これをもとに投資を始めようとします。問題はその投資先です。企業や事業にお金を貸す場合、担保評価がないので貸し倒れになるリスクがあります。

しかし不動産にはそれ自体に担保が付くので、銀行は不動産投資家に対し積極的に融資を行おうとしますこれが2017年初めごろの不動産価格の上昇の背景にあったメカニズムです。しかし、それ以降の金融機関の融資状況は少しずつタイトになっていき、融資に積極的な金融機関とそうでない金融機関が二極化してきました。そのため、投資家の中にも順調に物件を購入している人と、購入を思いとどまる人が出てきました。以上をまとめると2017年の不動産投資の状況は「安倍内閣の経済政策の影響で4月までは物件の価格が上昇した」「その後金融機関や投資家も積極派と消極派に二極化された」という事が言えるでしょう。

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2020年東京オリンピックに向けて、不動産価格はどう動く

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オリンピック開催前年は要注意

過去のオリンピックでも不動産価格のピークは開催の前年くらいのようです。つまり、2019年を境に海外投資家が利益確定による売却に踏み切る可能性があるのです。多くの物件が市場に出始めれば、必然的に不動産価格は以前の水準にまで下落する可能性があります。

2019年以降なら譲渡所得税が安くなる!?

もう1つ大きなポイントが「譲渡所得」です。売るのであれば、2018年からでも売却は可能なはずですが、2018年ではなく2019年から売却が始まるとする根拠は、税金が安くなる点にあります。2013年の東京オリンピック開催決定当時に購入した物件は、2018年までに売却すると短期譲渡扱いとなるため、税金が非常に割高になります。一方で2019年以降になると、所有期間が5年を超えてくるため、長期譲渡扱いとなり、税金がおよそ半分にまで抑えられるのです。詳細は以下の通りです。

短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年以下
所得税:30%
復興特別所得税:2.1%
住民税:9%

長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超える
所得税:15%
復興特別所得税:2.1%
住民税:5%

このように、譲渡所得税の観点から見ると、2019年以降は不動産価格が動く可能性が高いと言えます。

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日本の人口が不動産投資におよぼす影響

人口変動
税制以外にも不動産投資に影響を与える要素があります。それは「人口変動」です。日本の人口が減少していることは、すでに多くの方がご存知かと思います。ただし、不動産投資の場合、注目すべき点は人口ではなく「世帯数」です。世帯数の減少は、不動産需要の縮小に直結してしまうため、不動産投資の動向を考える上では必ず落とせない情報となります。「国立社会保障・人口問題研究所」の予測データを見てみると、日本の世帯総数は2019年に5,307万世帯ですが、それを境に減少を続けると予想されていることがわかります。2019年以降世帯数が減り続けるということも、不動産価格の減少要因の1つになる可能性があるでしょう。

まとめ

ここまで簡単に「今後の不動産投資への融資状況の展望」について見てきましたが、ここでの予想がすべて当たるとは限りません。政治の状況も金融機関の状況も、刻一刻と変化します。これらはプロの目による多方面からの分析が必要となります。専門知識のないお客様が個人でそれを行うのは、非常に困難であると言っていいでしょう。また「より利回りがいい物件」の探し方もそうです。不動産投資の成功のカギは「プロをうまく利用すること」です。不動産投資をお考えの方は、1つの情報だけにとらわれることなく、多方面から分析した上で決断することが重要です。

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