コロナウイルスでアパート経営は苦しくなったのか?オーナーが受けられる支援金と給付金について

コロナの影響

コロナウイルスの感染拡大は、未だ収束のメドがたちません。国内のコロナウイルス騒動は、一見沈静化したかに見えますが、いつどこで第二波第三波が起こるか予測不可能です。

このコロナウイルスの影響により、倒産する会社が増え、景気後退が危ぶまれています。このような状況の中、今後賃貸市場はどうなっていくのでしょうか。

本記事では、コロナウイルスでアパート経営はどう変化したのか解説いたします。オーナーが受けられる支援金と給付金の内容についても紹介しますので、コロナウイルス騒動に不安を抱えるオーナーは必見です!

コロナウイルスの影響でアパート経営は苦しくなるのか

コロナ不況
コロナウイルス騒動の影響により、2020年は「大恐慌以来の景気後退」と言われています。国内の経済損失は約45兆円になると言われ、経営破たんや雇用に大きなダメージを与えているのが現状です。

このような中、賃貸経営は、どのような打撃を受けたのでしょうか。まずは、コロナウイルスの影響による賃貸市場の変化からみていきましょう。

居住用物件はあまり大きな影響がなかった

現段階では賃貸市場には、多少の契約数の下落はあったものの、あまり大きな影響はみられませんでしたその理由は「人の動きが制限された」からです。

・非常事態宣言で転勤がなくなった
・引っ越しの自粛

特に大きいのが、企業の転勤や異動の自粛です。非常事態宣言が発令され、県をまたいでの移動が制限されたため、同時に転勤や異動も制限されました。その結果、退去予定が撤回され、そのまま入居し続ける形になったのです。

テナント事業は賃料減額請求や倒産に追い込まれたケースも

一方で、影響があったのはテナント賃貸や完成前の物件です。コロナウイルスの影響により「事業の縮小化」「物流の停止」という事態が起きました。企業の動きが制限されたことで、テナント用の賃貸借契約を維持することができなくなったのが大きな理由です。

・店舗や事務所をたたんで撤退
・事業そのものを営めない

何とか資金繰りに成功している企業でも、当初の賃料のまま契約を続けることは難しく、企業側からの賃料減額要求が続いているケースもあります。さらには、事業の業績悪化にともない倒産されたことで、家賃が回収できないオーナーもいるほどです。

建設中の賃貸物件も続行の危険

また建設中の賃貸物件も経営が危ぶまれていますコロナウイルス騒動の余波で、物流の流れがストップしたことで「建物が完成しない」という事態に陥ったからです。

・未完のまま引き渡し
・工事ストップ

住宅機器メーカーのほとんどは、中国に工場を持っていますが、コロナウイルス騒動の影響で生産体制に大きな打撃を受けました。そのため、工期や引き渡し時期が大幅に遅れたり、工事そのものがストップしたりしているのが現状です。

今後コロナウイルスの影響がもたらすプラス・マイナス要素

コロナウイルス騒動が長引くほど、経済情勢は悪化します。現在は何とか生き残っている賃貸住宅市場も、いつどうなるかわかりません。投資家の人たちは、これまで以上に賃貸市場に目を向け、迅速に対応していくことが求められます。

しかし、投資とはリスクの中からリターンを求めるもの。この情勢に甘んじるのではなく、何とか打開策を見つけていくのも、投資家として必要なスキルです。

ここからは、もしコロナウイルス騒動が継続になったときに引き起こす要素について解説いたします。プラス・マイナス要素をしっかりと把握し、この状況を打開するための戦略を打ち出していきましょう。

コロナ特需で得られそうなプラス要素

住宅系の賃貸契約では、コロナ騒動による恩恵を受けられる可能性もあります。国ではコロナ騒動に対応すべく、様々な打開策を提案し実施しています。この恩恵を受けることで、経営がかえってプラスに働くこともあります。

・人の移動が減少し解約件数が減っている
・減税措置や助成金がうけられることも

前述したように、人の動きが少なくなり「異動」「出張」が制限されることで、本来であれば退去するはずだった契約も、そのまま続行というケース増加が見込まれます。また、国はコロナの救済措置として、家賃の支払いを援助する「家賃支援給付金」などが閣議決定されました。これにより、借主だけでなく貸主も大きな恩恵を受けることができます。

コロナウイルス騒動が引き起こすマイナス要素

一方で、今後コロナウイルスが収束しない場合、賃貸市場において以下のようなマイナス要素が懸念されます

・勤務先の休業により賃料が払えない
・オンライン授業の普及により引っ越してこないことも

懸念すべき大きなマイナス要素は、やはり経済損失による個人の収入低下。それにより「家賃が支払えない」「家賃をさげてほしい」といった要求が出てくる可能性があります。また、授業やセミナーがオンライン化することで「引っ越しが不要」つまり「新規契約の減少」となることも予測されます。

コロナウイルス対策としてオーナーがすべき3つのこと

ホームセキュリティ
世界的規模で深刻な影響を及ぼしているコロナウイルス騒動。今は沈静化しているように見えても、いつどこでどうなるかは誰にも予測がつきません。賃貸住宅を経営しているオーナーも、何があってもいいように、今から対策を講じておきましょう

対策その1.物件を差別化しておく

物件の差別化とは、ライバル物件と「差」をつける、空室対策のひとつ。他にはない施策を取り入れて、入居率アップにつなげる経営戦略です。例えば、以下のような戦略があります。

・セキュリティ設備を取り入れて独身女性専用物件にする
・防音設備を付けペット可能物件にする
・間取りを広くしファミリー層向け物件にする

このように、あえてターゲット層を絞り込むことで「他にはない物件」に仕立て上げることを差別化と言います。ターゲット層のニーズにピッタリと合えば、競争力をキープできます。ただし、需要のない差別化を図っても意味はありません。差別化するためには、リサーチ力や優れた着眼点が必要です。「どんな設備が求められているのか」「人気のある間取りは何か」など、周辺物件の入居率や供給状況を探ってみましょう

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対策その2.周辺家賃相場を確認しておく

コロナウイルス騒動の影響で、家賃の値下げを始める物件も少なくありません。軽減措置等については後述しますが、賃料減額することで税金の優遇措置を受けられる可能性があります。また、コロナの影響で入居者の流出を防止するため、ライバル物件が家賃を値下げしてくる可能性も否定できません

周辺物件の家賃相場がグッと下がってしまえば、退去者が続出してしまう恐れもあります。「気づいたときには、自分の物件だけ相場より高い賃料を設定している」なんてことにならないよう、定期的に周辺家賃相場を確認しておきましょう

対策その3.支援金や給付金を活用する

コロナウイルス騒動の影響で、不動産収入が減ってしまった場合、国からの援助を受けることができます受けられる援助の種類は、以下の通り

・一定条件を満たせば誰でも支給申請可能な「給付金」
・一定条件を満たせば納税額が減額となる「軽減措置」

これらの援助はすべて、コロナウイルスの影響で所得が減ってしまった人が対象となっています。援助の対象となるのは、施策によって異なりますが、個人よりも不動産事業者が比較的大きな支援を受けることができます。どんな支援金や給付金が受けられるかについては、下記で詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

不動産事業主が受けられる給付金と軽減措置とは

持続化給付金
コロナウイルス感染拡大の影響により、国では救済支援策として様々な支援措置を打ち出しました。事業全般を対象としていますので、不動産事業主も例外ではありません。ここからは、不動産事業主が受けられる支援金と給付金について解説していきます。

実質無利子・無担保の融資

資金面での不安を解消するため、経済産業省では無利子・無担保で融資を受けられる制度を開始しました。これにより、無担保かつ無利子で最大で3,000万円の融資が受けられます。

施策内容 無担保で融資が受けられる(民間金融機関含む)

融資上限額は3,000万円

施行日 2020年5月1日~
窓口 都道府県
対象者 小規模の個人事業主

小・中規模事業者

期間 最大5年

融資を受けられた場合、最長で5年間は元本の返済が不要となります。信用保証料も半額か負担ゼロとなり、経営が苦しい事業者でも、お金が借りやすくまた返済しやすい状況となりました。

賃料を免除した場合の損害金計上

国税庁でも、コロナウイルスの影響を考慮した施策を実施しています。不動産事業主が、入居者に対して賃料を減額した場合、その損害金を経費として計上できるように取り決めました。詳しい内容を以下にまとめます。

施策内容 賃料の減額をおこなった場合に損害金を経費計上できる
窓口 税務署
対象者 ・コロナの影響により収入が減少、または事業継続が困難になったこと

・復旧支援による賃料減額であり、それを書面で確認できること

・該当期間内に実施された減額措置であること

コロナウイルスの影響により、家賃の支払いが厳しくなった入居者に対し、賃料減額措置を実施したオーナーは、減額分の損害金を経費計上できるという措置です。通常、家賃を減額した場合、その差額は「寄附金」として扱われ、一定額以上は損金として扱うことはできません。しかし、今回のコロナウイルス騒動に限っては、減額分を損害金として経費計上することが可能となりました。

持続化給付金

経済産業省では、持続化給付金の措置が実施されています。コロナウイルスの影響で事業の売上が下がった場合、国から給付金がもらえます。

施策内容 法人200万円

個人事業主に100万円の給付

施行日 2020年5月1日~
窓口 持続化給付金事務局
対象者 売上を事業収入として計上している事業者

前年度よりも50%以上収入が減少している事業者

資本金が10億円未満の事業者

従業員数が2,000人以下の事業者

ただし、対象者は家賃収入を「事業収入」として計上しているオーナーに限られます不動産所得ではないので、注意してください。不動産収入を事業として計上しているのは「5棟10室」以上の場合です。それ以下のオーナーは不動産事業ではなく「不動産所得」として計上していることがほとんどですので、確認するときの目安にしてください。

固定資産税と都市計画の軽減措置

事業者の固定資産税と都市計画税の減免措置が実施されることになりました。コロナウイルスの影響で事業収入が減少した事業者が対象です。

施策内容 固定資産税と都市計画税をゼロまたは1/2に
減免額 該当事業収入が50%以上は全額免除

該当事業収入が30~50%以内は1/2免除

窓口 市町村
対象者 事業用の固定資産税

事業用家屋の都市計画税

中小企業者及び小規模事業者

対象期間 2020年2月~10月までの任意の3カ月間

今回、減税の対象となるのは、事業用の家屋の固定資産税と都市計画税です。また、対象となるのは、コロナウイルスの影響があると思われる2020年の2月から10月のうち、3カ月分の事業収入が減少した中小企業の事業者です。また免除となる額は、該当期間の事業収入が30~50%以内であれば1/2、50%以上の事業収入が減った場合は全額免除となります。

納税猶予措置

コロナウイルスの影響により事業収入が減少した人は、国税の納税を1年ほど待ってもらえます。このとき、延滞税も必要ありませんし、担保も不要です。

施策内容 所得税、法人税、消費税などの国税の納税猶予
窓口 税務署
対象者 前年同月より収入が20%以上減少している人

納税が困難であること

期間 2020年2⽉1⽇~2021年2⽉1⽇までに納期限が到来する国税

この納税猶予は、対象者が幅広いことも特徴。個人法人、事業の規模も問われません。コロナウイルス騒動により、前年度同月よりも収入が20%以上減っていれば、すべての人の納税期間を延ばすことができます。

家賃支援給付金

家賃支援給付金は、入居者に支払われる給付金。家賃の支払いに困った入居者が家賃支援給付金を受けられます。オーナー自身が受け取れるお金ではありませんが、支払い先はオーナーとなるため、全く関係のない施策ではありません。

施策内容 家賃や地代の負担を軽減
開始時期 2020年7月~
対象者 ・中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者など

・2020年5月~12月の期間に売上高が30~50%減少した場合

給付額 申請時の直近の家賃6カ月分

コロナウイルスの影響により、家賃が支払えなくなった事業者を対象に、国が家賃半年分を補助するという施策。主に、事業者が対象となりますので、テナント賃貸を行っているオーナーが恩恵を受けられます。もし、該当する賃貸物件を所有している場合、入居者に家賃支援給付金の存在があることをアドバイスしてあげるのも、ひとつの手です。

これらの優遇・減税措置は、自分から申請しなければ対象とはなりません黙っていても保証はしてくれませんので「該当するかもしれない」と思ったら、自治体などに確認してみましょう

入居者が感染した場合のクレーム対策

室内消毒
万が一、入居者がコロナウイルスに感染してしまった場合の対策も考えておかなければいけません。入居者にコロナ感染者が出てしまった場合、他の入居者から「告知しろ」「退去させろ」など、様々なクレーム発生が予測されます。このような場合に、慌てず対処することが求められます。

コロナウイルス感染者が出ても告知する義務はない

アパートの入居者からコロナ感染者が出た場合、他の入居者から「名前を公表しろ」というクレームが発生する可能性があります。オーナーとして、感染者拡大を防ぐために、名前などの個人情報は公表すべきなのか、悩むところです。

しかし、厚生労働省の公式サイトによると、感染した患者の情報は「個人の情報保護に留意する」と記載があります。つまり、むやみやたらに情報を開示すると、個人情報保護法に違反する恐れも出てきます。そのため、ウイルス感染者が出たからといって、オーナーに名前や部屋番号を公表する義務が発生するものではないということです。

感染者を追い出せと言われても応じなくてもいい

アパートの入居者からコロナ感染者が出た場合、「感染した入居者を追い出せ」とクレームを受ける可能性もあります。

一般的に、賃貸借契約を解除できるのは「契約者同士の合意解除」または「解約事由が生じたとき」です。解約事由とは、入居者が何カ月も家賃を滞納したり、物件に故意に損害を与えたりした場合など。感染症罹患が解約事由に該当する可能性は極めて低いでしょう。

建物を消毒しろと要求された場合はできるだけ対応を

入居者から「建物を消毒してほしい」「消毒液を設置してほしい」と要求された場合、できる限りの対応をしておいた方が得策です。万が一、入居者から感染者が出てしまった場合「オーナーが感染対策を怠ったせい」と言われ、貸主責任を問われてしまう恐れもあります。

衛生用品が不足している中、各部屋に消毒液を配布する必要まではありませんが、除菌効果の高い液体をまいたり、感染予防対策の張り紙をしたり、感染防止に向けて努力している姿勢を見せましょう

まとめ

今回のコロナウイルス騒動で、賃貸住宅市場に大きな影響はありませんでした。しかし、テナント賃貸事業や建設中の物件については、存続が厳しい状況となっています。

コロナウイルスの影響で、事業収入が大きく減ってしまったオーナーは、給付金や軽減措置の対象となる可能性大です。給付金の対象となるかどうかチェックしてみてください。

まだまだ沈静化を見せないコロナ禍。不測の事態に対応できるよう、市場の動向を厳しくチェックし、空室対策を強化していきましょう

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